隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第282作品目は、『ごろつき』をお送りします。
高倉健 没後10年企画として、11月7日(木)~22日(金)に「丸の内TOEI」にて行われた、“没後10年 高倉健特集 銀幕での再会” で、『ごろつき』を観ました。
“没後10年 高倉健特集 銀幕での再会” では、10本の初デジタル上映作品を始め、19作品が上映されました。
『ごろつき』は、 1968年10月12日に公開された日本映画。配給会社:東映。上映時間:92分。
脚本:石松愛弘。
監督は、マキノ雅弘。
音楽:渡辺岳夫。
主演は、高倉健。
尚、「隊長のブログ」では、高倉健さんに関する記事を、これで28本を紹介したことになります。詳細は、こちらを覧下さい 。
共演者:菅原文太、吉村実子、三益愛子、沢村忠、渡辺文雄、八名信夫、人見きよし、金子信雄、石山健二郎、大木実、ほか。
あらすじ:勤めていた北九州の炭鉱が閉山となる予定を受け、東京へ出稼ぎに来た幼馴染の大場勇(高倉健)と山川一郎(菅原文太)。金も住む場所もない勇と一郎が、腹を空かせていたところ、おでん屋で、流しを仕切る的屋(てきや)の親方・浅川(石山健二郎)に、おでんを御馳走になります。
仕事を探していた二人は、勇はキックボクシングジムに住み込み、一郎は金持ちの家に住み込むことができました。ジムで下働きをしていた勇は、会長の沢田健三(大木実)に見込まれ、キックボクシングの練習をさせてもらえる様になりました。
練習試合でチャンピオンを倒した勇は、プロデビューの試合予定が決まります。ところが、勇と一郎が世話になった浅川が、地元一帯を仕切るヤクザの唐沢(渡辺文雄)に絡まれていることから、唐沢の子分たちも二人に絡み始め、ついには浅川と一郎が、唐沢の子分に殺されてしまいます。
怒りにかられた勇は、チャンピオンの座をかけた選手権試合を放棄して唐沢組に乗り込み、日本刀で唐沢らを皆殺しにしたのです。
鑑賞した映画館:本作品を鑑賞したのは、来夏に閉館すると発表された中央区銀座の「丸の内TOEI」。
同館が入居する「東映会館」は、株式会社東映の本社所在地でもあります。ビルの老朽化による再開発のための閉館で、2029年頃までにホテルなどが入る商業施設を跡地に建設するとのこと。
2スクリーンを備えた東映の直営劇場の同館ですが、“没後10年 高倉健特集 銀幕での再会” が行われたのは、地下にある「スクリーン2」。
階段を降り、“もぎり” を終えると、そこは健さんの世界が広がっていました。(ちなみに隊長は、紙チケットではなく、QRコード入場券でした)
数々の作品ポスター
だけでなく、貴重な生写真や、遺品も飾られていました。
「スクリーン2」の席数は、350。都心の一等地にあり、こんな重厚な感じのする映画館が無くなるのは、寂しい気持ちになります。
感想:初デジタル化された本作品を、小さな画面でなく大スクリーンで、しかも大好きな健さんの作品。92分の珠玉の時間でした。
ストーリー自体は、勧善懲悪のアウトロー映画で、単純なのですが、それを感じさせない作品でした。
また、本作品が上映された1968年に、健さんは九本の映画に出演するという多忙さでしたが、決して粗製乱造された作品ではありません。健さん始め、当時の映画人の矜持(きょうじ)でしょうね。
1964年の東京オリンピックの開催に備えて建設された「国立代々木競技場」周辺などで、ロケしたシーンには、当時の東京の様子が窺えて、興味深かったです。
キックボクシングの当時のチャンピオン沢村忠さんら、現役のキックボクサーも出演していましが、本作品に唯一、けちを付けるとしたら、勇が練習試合のリング上でチャンピオンを倒したシーンです。
クライマックスの勇が唐沢組に乗り込んだ乱闘シーンでの、健さんの殺陣はかっこ良いのですが、キックボクサーとしてリング上でのシーンが強そうに見えないのです。
これは、撮影技術の問題でしょう。試合シーンでは、俯瞰撮影が多用されていましたが、もっと多くアップで撮れば、迫力のあるキックボクシングに見えたでしょう。
最後になりますが、この映画が公開されてから56年が経ちました。高倉健さん以外にも、多くのスタッフ・出演者が、鬼籍に入られています;
マキノ雅弘、渡辺岳夫、大木実、三益愛子、沢村忠、渡辺文雄、人見きよし、金子信雄、石山健二郎、大木実、など(敬称略)。
亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りいたします。
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