ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

129. パソコン危機!修繕の顛末

2016-08-31 | エッセイ

いつの頃からかCドライブの空き容量が少なく、赤い警告が出てしまっていた。そこで考えられるものは全て、外付けハードディスクとEドライブに移動させたが、赤色から青にはならなかった。それでもCドライブの容量は少し増えたり、又、減ったりを繰り返しながら何とか1年くらいは使い続けていた。

今年、日本から帰ってくると、パソコンの調子は一段と悪くなって、極端に遅くなったり、動かなくなったりで、パソコンからはびーびーと雑音が鳴り始めるし、いよいよ駄目かなと思い始めていた。夏になって気温が暑くなると、その音はますます激しく、どうやら冷却ファンにも支障がきたしているのかも知れないと思い、日曜大工量販店に行ってアイスノンを4個買ってきて、2個づつ交替でパソコンの下に置いて使うようにしていた。

ますます暑くなった先日、パソコン画面に「クラッシュ寸前」という警告が出た。立ち上げるたびに何度も出た。これはいよいよかもと真っ青になった。

パソコンは10年ほど前に日本から買ってきたNECのラヴィー、そしてVISTAである。その間、一度も清掃なるものをしたことがない。ほこりが溜まってファンの動きを抑えているのかも知れない。ネットで検索して、それを見ながら自分で分解掃除をしてみようと試みたがなかなか手におえず、ギブアップ。

そろそろ新しいのを買っても良い時期だがこの状態では来年の帰国時までは持ちこたえそうにもない。

セトゥーバルの量販電気店で新しいのを買うかなとも考えて量販店を何軒か回ってみた。いまどきのパソコンはメモリーが8ギガとか16ギガというものまである。4ギガならそうとう安い。そもそも我家のパソコンのメモリーはどれほどのサイズだったのかも忘れてしまった。古いので今時のものとは比べものにならないくらいに小さいはずである。

でもその前に修理、清掃も選択肢としてある。しかし、未だ何とか使えるパソコンを下手に修理に出して、壊されても損だし、いっそのことそのまま使えるだけ使って、壊れてから持っていっても良いかな、などと考えていた。

セトゥーバルには知っているだけで少なくとも3箇所のパソコン修理店がある。1箇所は病院と自動車クラブの間にある「ソフトリンカ」。ここでは我々がパソコンの何も判らない頃、その店員、ヴァスコに何度かお世話になったことがある。その後、ヴァスコはリスボンに引っ越してしまった。メルカドの横っちょにもパソコン修理店がある。埃にまみれたパソコンが山積みしてあって、「本当に直せるのだろうか?」と不安になる店構えである。もう1軒は改装されたばかりの大型ショッピングモール内にある小さなカウンターだけの店である。実際の修理は別のところでやって、ここは受付だけなのかもしれない。

買物に行ったついでにパソコンの清掃は幾らくらいで出来るのかを尋ねてみた。「見てみないと判らない」との返答だったが、「見積もりをして、お客様の承諾があってから作業に取り掛かるから、見るだけは無料だから、持ってきてみたら」となかなか良い感じである。

数日後、決心して重いパソコンを持っていった。駐車場から受付のカウンターまで持っていくのに、肩にずっしりくいこんで重い!これだけでもいかに古いかを感じた。でも古いわりに、今まで一度も故障したことがなかった。今回は「クラッシュ寸前!」という警告が出たけれど、まだ故障はしていない。パソコンから脅されているようなものだ。

カウンターの受付にはこの前と違う男がいた。今流行のアラブ髭を生やしている。いや生やそうとしている途中だ。髭が薄茶色なので、アラブの真っ黒い髭とは程遠く、ほとんど威厳がない。よく見ると、まだ20歳そこそこの若者だ。

優しい口調で丁寧に説明してくれる。いちおう預かって、どの程度の故障か調べてから費用がいくらほどか、24時間から遅くとも48時間以内には電話で知らせるとのこと。

翌日電話があった。案の定、内部にほこりがいっぱい詰まっていて冷却ファンが動きにくいのでガリガリと雑音が鳴るとのこと。そしてメモリーが少ないので、増設した方が良いという。クリーニングとメモリーの増設などで、合計104ユーロ。こちらで新品を買えば、800~1000ユーロほどかかる。修理をして来年3月まで使えれば、ありがたい。帰国した時にまた日本製を買うことにしよう。

即、OKした。

出来上がりは2日後になる。1週間ほどはかかるだろうと覚悟していたので、思ったよりずいぶん早く出来上がることになる。

ポルトガルもここ数年のあいだに、ノートパソコンが主流になり、修理をあつかう店もずいぶん増えた。

電気店に行くと、ノートパソコンがずらりと並んでいて、目を奪われる。しかもメモリーが4ギガというのはもう値段が安く、主流は8ギガ、16ギガというのもある。でも日本メーカーはとても少なく、東芝しかない。他はHPか中国製ばっかりだ。

やはりどうせ買うなら日本製が欲しい。そうはいっても、日本で売っている日本メーカーのパソコンも、いまどきタイやカンボジアなどで組み立てられた製品ばかりだろうと思うけれど。

それから2日後、電話があって、その翌日に受け取りに行った。

冷却ファンは同じ部品がなくて、ほこりの掃除をしただけ。「だから少しノイズは残っている。」とのこと。メモリーは増設して4ギガになった。取り外した古いメモリーはラッピングしてくれた。

持ち帰って恐る恐る繋いでみる。

Cドライブは赤いままだが、それでもかなり増えている。

速い。何とも速い。使い心地は最高!

髭の若者が言った通り、ノイズはずいぶん低くなったけれど、少しは残っている。でも速さはサクサク。修理に出す前の10倍ほど早くなって、快適だ!

 MUZ

 

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