えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第6章 ホルモン療法 7.

2007年08月31日 | 乳がん闘病記
7.
 先に紹介したVOL-NEXTという会社のサイト*などのしかるべき情報を、冷静に注意深く読んでいれば、中途で中止したLH-RHアゴニスト製剤の効果と、私が実際に苦しめられた副作用とが言及されていることに気づいたかもしれない。効果については、「1960年代までホルモン療法の主流だった卵巣摘出と、同程度の効果がある」とある。卵巣摘出と同程度の効果とは、よくよく考えてみればすさまじい効果ではないのか。副作用の中には「抑うつなどの気分の変調」と記されているが、私の感じた波のある精神症状がこれに当たるではないか…。

 また、治療の意味と方法を正しく理解できていれば、Aのタモキシフェン内服より、BのLH-RHアゴニスト製剤皮下注射の方が、効果も副作用もより強いことが自ずとわかってくる。Aががんのエストロゲンレセプターに働きかけることでエストロゲンとの結合をブロックするのに対し、Bは視床下部に直接働きかけることでエストロゲンの生成自体を抑えるのだから。手術と放射線照射とで見た目はがんを取り除いた体の状態で、ホルモン療法の効果がより高く得られるのはBだろう。治療期間がAが5年、Bが2年というのを見ても、Bの方が作用が強いのは明らかだ。

 単独でも卵巣摘出と同程度の効果があるというBの治療に加え、Aの治療までと、私は2つの治療を同時に始めてしまったのだ。短期間にあれだけのことが起こっても当たり前ではないか。あの一連の精神作用が、卵巣摘出と同程度の効果を持つ治療の劇的な効果でもあり、同時に副作用でもあることを、誰かが、何かが、事前に教えてくれさえしていたら…私はあれほど苦しまずにすんだだろうに…。そう思うと、今でも悔しさがこみ上げてくる。
 もちろん、AとBを併用することを最終的に決めたのは私自身だ。でも、素人である患者が闘病の渦中で冷静にこれだけ詳しく勉強するのは、決して易しいことではない。やはりこれらは、治療前に主治医から、わかりやすく丁寧に説明されてしかるべきだと私は思う。それが昨今さかんに言われるインフォームド・コンセントなのではないか…。

 ちなみに、私がこのくだんの会社を知ったのは、皮肉にも2005年の9月、皮下注射をやめた直後のことだった。それでも、私はためらうことなくすぐに、NEXTERというモニター会員になり、それが後々大きな意味を持つことになる。
 そして、くだんのサイトは、乳がん患者自らが立ち上げた会社が、自らの経験を踏まえて作っているサイトであることも、強調しつつ書き添えておこう。経験者だからこそ、要点を抑えながら詳しく書けるのだと思う。やはり、生の声は強く、説得力がある。

* VOL-NEXTホルモン療法


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