
昨日12月1日、「すみだトリフォニーホール」に、マルタ・アルゲリッチのピアノコンサート、「Martha Argerich Celebrations 2010」を聴きに行きました。
演目は、シューマンの「ピアノ協奏曲イ短調 作品54」・ラヴェルの「道化師の朝の歌」(オーケストラのみ)・ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」で、アンコールには、ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」の終楽章を再び、さらにシューマンの「子供の情景」より「見知らぬ国」・シューマンの「幻想小曲集」より「夢のもつれ」という大サービスでした。
演奏は素人の私の拙い耳と筆の表現力の限界を超えていたとでも言いましょうか、「圧巻だった」としか表現のしようがありません。70歳を目前にしている女性の演奏とはとても思えませんでした。
相変わらず通常よりテンポが速いにも拘らず、安定した姿勢で紡ぎ出される音は歯切れがよく正確で、難度のすごく高いラヴェルの協奏曲をいとも簡単にさりげなく演奏しているかのように見えるほど、人間業とは思えない動きでした。3階席の左方、前から2列目で聴いたので、アルゲリッチさんの顔は見えませんでしたが、手の動きはバッチリ見られたのです。
音響としては、オーケストラ(新日本フィル)とピアノの音がよい具合に混ざり、一体となって響いて聞こえました。1階の前の方で聴いた及川浩治氏のコンサートのときとは全く別の音響でした。アルゲリッチをこんな位置で聴いたら、さぞ生々しかったでしょうね。魂を抜かれたようになっていたかも......?
クリスティアン・アルミンク氏の指揮は、若々しく元気で楽しそうでした(#^.^#)
ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」は、当然のことながら、ロマン派の作曲家たちのピアノ協奏曲とはかなり趣が異なりますね。ガーシュインを彷彿とさせると言ったら順番が逆でしょうか、ガーシュインがラヴェルに影響を受けたのかもしれませんね。とにかく、現代的な和声で、どこかけだるいような長~い不協和音の後に解放的に展開される、ゆったりとした美しい旋律には、思わずうっとりしました。計算された不協和音なのでしょうね。
閑話休題、こんな機会は一生のうちに何度もないと思い、演奏後、舞台裏でのアルゲリッチさんをちょこっと覗かせていただきましたv(*^▽^*)v 満足そうな、穏やかな素敵な笑みを浮かべ、関係者と談笑されていましたよ。ポスターで見る顔とは全然違った柔和な顔が印象的でした。
当代屈指の名ピアニストなので、聴けるだけでも幸運と思っていましたが、3mほどの至近距離で拝顔できるとは......遠方まで、しかも高いチケット代を出して聴きに行った甲斐がありました。
指揮のアルミンクさんも一瞬でしたが間近で見ました。ハンサムだった~!
関係者の中には、ピアニストの清水和音氏や華道家の假屋崎省吾氏、今年のショパンコンクール優勝者のユリアンナ・アヴデーエワさんらしき女性も見かけました。
假屋崎氏にコンサートでお目見えするのは、過去2回聴いたアンドレ・ワッツのコンサートに続き、これで3度目。ピアノが好きで、自身も弾き手であることは知っていましたが、芸術性の高い演奏をきちんと押えているのですね。
12月に入り、ますます寒さと慌しさが増しますが、初日から熱い夜を過ごすことができました(*^▽^*)v アルゲリッチさん、ありがとう!!!