えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第6章 ホルモン療法 3.

2007年08月23日 | 乳がん闘病記
3.
 やがて、内服薬を2ヶ月分服用し、月に一度の皮下注射を2回受けたところで、放射線治療が終わった。その後少ししてから、放射線治療後の疲れや副作用とあいまったのか、眠気やだるさに襲われ、疲れやすくなった。咽喉の痛みなどの風邪の初期症状が、いつものように葛根湯で対応してもなかなか治らないのを感じた。肩こりのひどいときに奥歯の歯茎が痛むことがあるが、それも普段より異様に治りが悪かった。風邪や炎症が治りにくいのは、この頃受けた血液検査の結果と符牒が一致する。前章で述べたとおり、赤血球・白血球・血小板全部が放射線治療の影響ですでに減少していたからだ。

 いわゆる「ホットフラッシュ」と称されるほてりやのぼせを感じるようになったのも、この頃からだった。何かの拍子にカァ~ッと顔だけが異様に熱くなり、1~2分経つといつの間にか治まるような程度だけれども。驚いて「ハッ!」としたときや、気の進まないことを「しなくちゃ…」と思うようなときに、起こるような気がする。時を同じくして、動悸も起こるようになっていた。

 さらに、目に見えて集中力がないと自覚することも多くなった。6月末にガラスポットを割り、右手小指の第一関節の外側を2箇所切ったのもそのせいかもしれない。また、その傷が治るのにも時間がかかった。4回目の皮下注射を受けた日、外出先でレストランのガラス扉に足をぶつけ、たまたま爪先のない靴を履いていたがために、右足中指の爪を根元から切断して剥がすようなこともあった。

 でも、その集中力の欠如が放射線治療後の疲れによるものだと思っていた私は、実はホルモン治療のせいだったと悟るのに、2ヶ月もかかってしまう…なんとなれば、Y先生からは副作用についての詳しい説明はなかったし、本に書いてある副作用は、既述のとおり肉体的症状ばかりなのだから…子宮体癌のリスク、帯下が増える、血栓症、骨粗しょう症、関節のこわばり…。
 確かに、更年期にイライラや落ち込みが起こることは聞いたことがある。でも、それらの症状と、自分の中で起こっていることとが根を一つにしているとは、そのときはなぜか気づくことができないでいた。更年期障害には個人差があり、実際はさまざまな精神的症状が含まれることを、私はなぜかうかつにも見落としていたのだ。そして、私がその落とし穴にすっぽりはまるのは、その年の真夏のことだった。

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