(↑ 教室の先生のエッグポマンダー)
先日、通っているハーブ&アロマ教室でイースターエッグとしてエッグポマンダーを作ったので、ご紹介します。
イースター豆知識
<イースターとは...>
キリスト教の行事であるイースター(復活祭)は日本では馴染みがありませんが、十字架に架けられて亡くなった(金曜日)イエス・キリストが3日目に甦った(日曜日)ことを祝う日です。春分の日の後、最初の満月の次の日曜日に行われるので、その年によって異なり、今年は4月8日、昨日でした。
<イースターの由来>
教室の先生によると、「キリストの誕生は12月ということになっているが、気候や聖書での植物に関する記述などから考えると、本当は秋だったのではないかと考えられている」そうです。「太陽の祭り@冬至+キリストの誕生を祝う祭り→クリスマス」とのことです。
同様に、「春の女神の祭り+キリストの復活を祝う祭り→復活祭」なのだそうです。
<イースターエッグ>
新しい生命の象徴として、卵を染めたり、絵を描いたり、いろいろな装飾を施して飾ったり、子供たちがエッグ・ハンティング(イースターエッグを隠して、誰が一番多く集められるか競争をする)をすることもあるようです。二十数年前アメリカのボストンに滞在していたとき、当時現地の小学校に通っていた娘によると、卵にペイントしたことは覚えているそうです。
ロマノフ王朝のアレクサンドル三世やその息子であるニコライ二世がそれぞれの皇后や母后に贈ったインペリアルエッグは、宝石などを散りばめた豪華なイースターエッグとして有名です。かつてその一部がクレムリン宮殿の宝物展@東京で展示されたのを観ましたが、それはそれはきらびやかでした。
<イースターとウサギ>
ウサギもイースターの象徴で、イースターエッグを配る使者としておとぎ話に登場するそうです。ウサギは多産なことから豊穣を、跳ぶことから命の躍動を連想するのが理由とのこと。
<イースター島>
また、モアイ像で有名なイースター島は、オランダの探検家Jacob Roggeveenがイースターの日に発見したことから、その名がつけられました。後にキャプテン・クックも訪れています。
ポマンダー
<ポマンダーの今昔>
ポマンダーとは、現在ではポプリや精油の香りを楽しむ装飾品として使われますが、昔は感染症や疫病除け、匂い消しのために持ち歩かれた実用品でした。「アンバーのリンゴ」という意味のフランス語"pomme d'ambre"(ポム・ド・アンブル)に由来します。アンバーとはマッコウ鯨の腸内にできる結石のことで、昔はそれを練り物(アンバーグリス:龍涎香(りゅうぜんこう))にして宝石や象牙などの器に入れて用いられました。
<ポマンダーの由来>
そもそもは、ハーブビネガーを使った泥棒が疫病を逃れたことから、エリザベス女王一世が疫病除けとして使ったのが、ポマンダーの始まりとか。
・王室では、宝石や象牙の器に...
・貴族は、かつて金のごとく貴重品だったスパイスをフルーツに刺して、フルーツポマンダー(*下に画像あり)として...
・医者や聖職者は、くちばしのようなものが鼻の部分についたマスク(くちばし部分の先にハーブを入れた)を着けて...
ポマンダーを使ったそうです。
今回は、着色と装飾した卵の殻に手作りのドライポプリを入れ、エッグポマンダーを作ったわけです。作り方は後述しますね。先にポプリの説明を...。
ポプリ
<ポプリとは...>
フランス語でPot-pourri。potは入れ物、pourriは発酵させる・混ぜるの意味で、かつて、花や葉を液体に漬けてビンに保存したことに由来しているそうです。ヨーロッパでは各家に代々伝わるレシピがあり、秘伝の香りとして大事にされているとか。
<ポプリの種類>
ドライポプリ: ハーブの花や葉・果皮・樹皮・種子・木の実・苔など香りのあるものと、彩りのよい園芸種の草花を、乾燥させて混ぜる。
場合によっては精油を加える。
モイストポプリ(ウェットポプリ): メインとなる香りのよい花や葉を生乾きにし、たっぷりの粗塩の中に埋め込んで香りを移す。
その後、乾燥したハーブやスパイス、精油などを加え、新たな香りを作り上げる。
※ドライポプリに比べ、色合いも香りも長持ちする。
<ドライポプリの作り方>
主材料: 彩りのよい花や葉 例)ローズ・カモマイル・ラベンダー・キクなど
副材料: ハーブ・スパイスなど 例)レモンバーベナ・ユーカリ・ベイ・柑橘系の果皮・クローブ(ホール)・シナモン(スティック)など
保留剤: ポプリの香りを統合して長く保つもの 例)安息香(ベンゾイン)・オリスルート(匂いアヤメの根)など、根や樹皮系のもの
以上の、ポプリを構成する3つの材料を混ぜ合わせ、10日~2週間ほど熟成させる。(精油を加える場合は、予め保留剤に染み込ませておく。)
エッグポマンダーの作り方
<材料>
・卵の殻 (小さく穴を開けて中身を抜き、洗って乾かしておく)
・染料 食紅・染料(布用)・天然素材(ターメリック・玉葱の皮・コーヒーや紅茶など)のいずれか
※ヨーロッパでは専用の染料がある
・手芸材料 レース・リボンなど
・ドライポプリ 今回の材料(レシピは割愛します)
主材料として ローズペタル・ローズバッド(つぼみ)・ローズマリー
副材料として クローブ(ホール)・シナモンスティック(両方細かく砕く)
保留剤として オリスルート
香りづけの精油として ローズオイルとベルガモットオイル
<手順>
1.卵の殻を染める(今回は布用の染め粉のロイヤルブルーで着色)。
2.卵を装飾する(今回は2種類のレースリボンを木工用ボンドで貼りつけ)。
3.ドライポプリを作る。
4.卵にポプリを半量ほど詰め、穴にレースを貼りつけて蓋をする。
ジャ~~ン、エッグポマンダーのできあがり!
グランドピアノ型のワイヤーバスケットにクッション材とともに入れてあります。
ついでに、いろいろなポマンダーやアロマグッズをご紹介します。
自家製フルーツポマンダー* 石膏ポマンダー
しつこいですが、最後に、昔紹介した卵ケースをぜひまた覗いてみてください。友人Iさんがベルギーで買ってきてくれたレース製のすてきなものです(こちら)。
冗長な記事に最後までおつき合いくださり、ありがとうございました。
後日追記:友人H子さんから、ウィーンのお土産を数々いただきましたが...その中にいちごクリームの入ったエッグ型のチョコが...パッケージにはちゃんとうさぎが登場していますね。(くだんのレースの卵ケースに入れてみました。リンク画像で見られます。)