えつこのマンマダイアリー

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ヨセミテ旅行2012(3) ~ジャイアント・セコイアの森~

2012年11月01日 | 旅行

 2012年10月5日~11日、北米カリフォルニア州をドライブした旅行記を紹介するシリーズの3回目です。
 4日目の午前中は、ヨセミテ国立公園の南端にある「Mariposa Grove(マリポサ樹林)」に行き、巨木を見上げ、森林浴を楽しみながら散策しました。
 なお、前回記事はこちらを、カリフォルニア州の地図はこちらをご参照ください。

 ここで、まず、公園そのものについてざっと解説しておきましょう。
 ヨセミテ国立公園は1890年に国立公園に指定され、1984年にユネスコの世界遺産に登録されています。カリフォルニア州の南北のほぼ中央、東西ではネバダ州寄りに位置し、セコイアの巨木の森や、氷河が削ってできた花崗岩の岩山群と峡谷、岩山から流れ落ちる壮大な滝や清流、峡谷の底に広がる湿原など、雄大な自然の造形美が特徴です。
 この地域には6,000年ほど前から人が住み着いたと言われており、原住民はヨセミテを「Ahwahnee(Place of Gaping Mouth:大口を開けた場所)」と呼びました。19世紀半ばにシエラネバダで金が発見されたのをきっかけに、徐々に存在が知れ渡っていきました。

 「Mariposa Grove」は、セコイアの巨木(giant sequoia。以下、ジャイアント・セコイアと呼びます)が林立する樹林で、ヨセミテにある大きな3つの樹林(他の2つは「Tuolumne Grove」と「Merced Grove」)の中でも最も大きく、ジャイアント・セコイアが500本ほど見られます。さらに、「世界の巨木50本」のうちの2本がここにあります。
 「Mariposa」とはスペイン語で「蝶」を意味します。この森の西側の山麓で多く見られる蝶にちなんでつけられました。

  (★これより下の画像をクリックすると大きい画像や別の画像が見られます。★リンクに別画像が入っている場合は、画像にマウスオンするとその旨の表示が出ますが、ブラウザによっては読み込めない場合があります。★非公開のウェブアルバムから抜粋しているので、コラージュ画像の縦横比は1:2になっています。★撮影日は現地時間の2012年10月7日です。)

 

               

 

 

「Wawona Hotel」で迎えた朝...。
リンク画像は、本館と、本館前に立ち並ぶ巨木です。

   
 

ホテルの周りでは、霧が低く立ち込めていました。 

  
 

雲ひとつない蒼穹に恵まれました。

ホテル前から無料のシャトルバスで樹林に行きます。駐車場の確保が定かではなかったからです。
でも、やはり皆車で行くのか、朝9時の便の乗客は私たちだけでした。それなのに、ドライバーは悠長に車両交換などして、10分遅れて出発...(^_^;

  
 

現地に着きました。ガイドつきのトラムツアーに乗れば1時間余りで巡れますが、せっかくなので遊歩道を歩くことにしました。トラムの道は舗装されていますが、遊歩道はされていません。

まずは、駐車場にあるジャイアント・セコイアに圧倒され(「こんなんでびっくりしてちゃいけないよ」という看板がありました(^_^;)、森に一歩踏み入ると、森の大半を占めるセコイア以外の巨木の大群に、圧倒されます。
中央の褐色の幹の木がセコイアです。  

 
 

「Fallen Monarch」と名づけられた倒木。
左上画像の左下隅に夫が写っているので、大きさが想像できるでしょう。

セコイアの根は地下2m以内の表面近くに張っていますが、幅45m以上にも張り巡らすことで、樹高と太い幹を支えているのだそうです。

 

 
 

ヨセミテには37種の野生の樹木があり、最もよく見かけるのが「California black oak」(黒樫の一種)だそうです。 

Incense-cedar(ヒバ属の高木)はしばしばジャイアント・セコイアと間違われるようですが、前者がシエラネバダ地方に広く見られるのに対し、ジャイアント・セコイアは限られた場所にしかないようです。

「Ponderosa pine」という松の木は、最下部の枝が地上からかなり高い所にあるのが特徴です。

奥に黒々と横たわっている木がわかりますか? リンク画像をぜひご覧ください。

 
 

もっと鬱蒼とした森と、陽の当たらないじめじめした道を想像していましたが、足元は明るく、土は乾燥していて、パンツの裾はじきに埃だらけになりました。

落雷で焼けた木々があるからか、森全体に炭の香りが漂っています。日本やカナダなどで今まで入ったどの森林とも違う匂いでした。 

「Bachelor & Three Graces」(右)
ナイスネーミングですね。

   
 

 

 

 
 

立ち枯れた木の群落も所々に見られます。火災で焼け残った木々でしょうか? 

   
 

「California Tunnel Tree」
馬車が通れるように1895年に穴を開けたのだとか。それから100年以上持ちこたえているわけですね。 

 
 

私たちは行きませんでしたが、森の最深部には、倒れたトンネルツリーがあります。穴を開けたがために安定性を欠き、倒れてしまったようです。
何せ、本来は何千年と生きるのがセコイアの特徴ですから。

文書に残る最も古いジャイアント・セコイアは、なんと樹齢3,266年といわれています!? 

  
 

この森で最も高く、かつ最も古いのが、この「Grizzly Giant」。「世界の巨木50本」のうちの1本です。
樹高88m、樹齢は1,600~2,000年と推定されています。
この木の大きさの目安を知るには、こちらがわかりやすいですよ。

集合写真を撮るように頼まれ、カメラをいじっている私です(^_^;

  
 

「Faithful Couple」 
これもナイスネーミング!

セコイアは、互いに接近して立つことで根を絡ませ(fuseと表現されています)、水や養分を分かち合って長生きできるのだそうです。
 

   
 

親切な外人女性(アメリカ人じゃなかったような...?)が、「2人で撮ってあげましょう」と...。
手に松かさ(おそらくsugar pineの)を持っていますが、決して移動させたり、ましてや持ち帰ったりしてはいけません。すべてをあるがままに...。

朝晩と昼間の気温差が大きく、上着を脱ぎました。オーバーパンツも脱ぎたいところでしたが...(^_^;

 
 

落雷などによる自然火災は、セコイアの発芽に重要な役割を果たします。
それについては、詳しく後述します(↓)。 

  
 

あれ~、おじさ~ん...大丈夫ぅ? 画像ではわかりませんが、底は結構深いのです(^_^;
この後、息子さんと思しき青年が続いたのですが、途中で二進も三進もいかなくなり...後戻りもできないし...(^_^; 見ているのも気の毒で、振り返りながら先に行きました......

でも、無事渡れたようですよ(*^▽^*)

  
 

 

  
 

小さなミュージアムまで来ました(上段右&下段左)。
1864年に森の管理者(Galen Clark)が建てた小屋を、建て替えたものです。

松かさの大きさは、私の影法師との比較でわかると思います。
さらに、ウロコのような種子一枚一枚が1.5~2cmほどの大きさです(上段左)。
1つの松かさは200枚ほどの種子から成ります。

 

  
 

ヨセミテには1,000種以上の野草、85種類の哺乳類、150種類以上の鳥類が生息していると言われています。

最も多く見られるリスがWestern gray squirrel(左上段がそうかな?)。灰色の尻尾が特徴です。

左下段はmule deerの親子。

最も多く見られる鳥は、後日紹介するSteller's jay。左画像はケラの一種ですが、何ゲラでしょう? 

 
 

樹林内を、3時間かけて5kmほどゆっくり歩き、またバスでホテルに戻りました。

ホテルのそばには、「Merced River」にかかるcovered bridgeがあります。屋根つきの橋は、 映画「マジソン郡の橋」で日本人にも広く知られるようになりましたね。

  
 

ホテルのレストランの電灯。ヨセミテならではです。 

  
 

クラブハウスサンドイッチやパスタをいただきました。サンドイッチはこの倍の量で一人前です(^_^; 

 
 
 
<自然火災とセコイアの生育> (現地で得たパンフレットから編集)

セコイアの種子が発芽する条件は...:
 ・少しの直射日光
 ・適度な湿度
 ・露出した鉱物土壌

 この条件を満たすには、自然火災が重要なのです。火災がないと、日陰でも育つ樹木が広がり、セコイアの発芽環境を妨げてしまうからです。また、火災による熱がセコイアの松かさを乾燥させ、種子を落とす助けにもなります。
 さらに、1960年に起こった100年ぶりの自然火災により、セコイアの生育には適度な頻度で起こる自然火災が重要だという事実が、知られるようになりました。火災がない状態が長期間続くと、その間に積もった大量の落ち葉や松かさが燃料となり、雷などによって一旦火災が起こると激しい樹冠火災を誘発し、巨木を枯らしてしまうからです。
 そのため、意図的な野焼きが定期的に行われてきました。

 

 以上、冗長な記事になりました。長らくのご購読に感謝いたしますm(__)m 
 次回は、この日の午後に訪れた、そびえ立つ岩峰群を紹介します。お楽しみに!

 


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2 コメント

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Unknown (にりんそう)
2012-11-05 09:22:03
懐かしく飛びついて拝見いたしました。
先日のデジブックもありがとうございました。
トラムに乗るのは効率がいいですが、
私も個人でゆっくりと
セコイヤの森を散策したかった・・・・。
ヨセミテへ行ってから早4ヶ月になろうとしています。
あっという間に月日は過ぎていきますね。
泊られたワオナホテル、デジでみて直ぐわかりました。
私たちは昼食をこちらで戴きました。
宿泊は公園内にあるヨセミテ・ビュー・ロッジでした。

旅はいいですね。
またどこぞ計画されていますか?
返信する
にりんそうさんへ:コメントが... (takuです)
2012-11-05 23:39:46
にりんそうさん、コメントありがとうございます!

お返事しようとしましたが、何度入れても拒絶され...
うまくいきません。
メールをさしあげました。ごめんなさい。
これも入らないかも...?
返信する

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