「平和百人一首」とこのシリーズについての解説は、初回記事と2回目の記事をご参照ください。前回記事はこちらで見られます。
なお、かなづかいや句読点、誤字や脱字等は原文のままとするので、読みづらい点はご了承ください。
平和百人一首
山に住めば山は親しも炭やきを よすぎとしつつ悔ゆることなし
宮城県登米谷町 佐藤 一郎
石川啄木は
ふるさとの山に向ひて言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな
と詠んで居ります。
洵に山に生れ山に住むものには、山こそ理想の都にも勝るところであり、無二の安住の地であります。
しかして、都塵をはるかに隔てたこの悠久の大自然を友としつつ、炭焼くことを生計としていることのなんと怡しいことであることよ。
省みてすこしも悔ゆることはないという。しみじみとした働く者の歓びと、平穏な境地を一首に託してみたのであります。
(一郎)