えつこのマンマダイアリー

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平和百人一首(33) ~継がれる平和への想い~

2014年05月08日 | 平和百人一首

 「平和百人一首」とこのシリーズについての解説は、初回記事2回目の記事をご参照ください。前回記事はこちらで見られます。 

 なお、かなづかいや句読点は原文のままとするので、読みづらい点はご了承ください。

 

       平和百人一首       

かがやける光を見れば草も木も 人の子もみなめぐまれており

                                        滋賀県蒲生郡苗村 井上 肇國

 当時すなわち一昨22年の春、私は療病20年、常臥10年の床についていたのであるが、戦後の経済難に加へて、それらより来る病勢の昂進、その肉体的な苦痛更に先年只一人の兄を、つづいて弟の一人を同じ胸疾で亡くしたこと、ついて病父も全身不随意にて常臥の身となつたこと、復員帰還被戦災の弟達が職なくしてそれぞれ一家を引具して寄寓してゐた事等多くの困難が積重なつて何となくうす暗い家の中を見ては明日知れぬ病躯をもつ身には、祈りの生活をしつつともすれば希望なき愁にとざされることがあつた。
 そうしたある日、春になつて始めて病室の窓を開いて臥床のまま窓外の景色を眺めた。今や一陽来復した天地は光にみちあふれ、野には若芽もえ、諸鳥鳴き、幼児等遊び又子を守る母のむつ言などが遠く近くきこえてくるのであつた。私は春光にひたりながら、この歌を得たのである。
                                                               (肇國)

                

 


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