
今から15年ほど前のこと。
とある賃貸マンションの七階に、
マツシタという50代男がいた。
マツシタは、
花好きな性格から、
たくさんの植木鉢をベランダに置いていた。
それで、
管理人や不動産屋が、
植木鉢の重量問題で、
やかましく注意することになったんやけど、
マツシタは、
ことごとく、
スルーした。
マツシタの下階には、
カワダという60代男がいて、
「ONE PIECE」にハマっていたが、
たまにはフツーの本を読みたいと言って、
本屋から、
ショーペンハウエル(宇宙の構造はナニゴトも不幸になるように存在してるので、自殺を勧めた哲学者)の書籍を購入した。
そして、
本の影響をモロに受けて、
毎日を、
悲しく寂しく生きていた。
そんなカワダやから、
ベランダの天井が軋むところで、
それが当たり前と思い込み、
気にすることなく、
洗濯物を干していた。
そんなある日、
マツシタが、
植木鉢に水をやろうとしたら、
「メリッ❗️❗️」という音とともに、
ベランダが崩れた🙀
重い植木鉢は、
たまたまベランダで洗濯物を干してたカワダの上に落ち、
カワダはそのまま、
蓮🪷の咲いているところへと旅立った。
しばらくして、
警察に連行されてるマツシタのそばに、
花愛好じじいのミヤザキが来て、
「ベランダが崩れたところを見たんやけど、カワダが白い衣を着て、笑顔で天に昇って行ってたよ」と言った。
マツシタは、
「人が務所に連行されてる時に馬鹿なことを言うな😡」とキレた。