ケイシロウとトークアバウト

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楽しい気分のエンディング

2022-06-14 22:53:00 | 日記




今から六年前、
映画館が入っていた大型デパートが閉店した。

が、
すぐに、
新オーナーによって、
名称を変えて、
デパートは新装オープンとなった。

そして、
この新しいデパートの売りは、
気分転換やった。
そんなとき、
当時はまだ10代やったカッちゃんがこのデパートを訪れることとなった。

店内に入るとすぐに、
店員がそばに来て、
「ここのデパートのアプリを入れて課金ガチャしたら、最高の気分転換を約束します」と言われ、
カッちゃんは、
アプリをインストールしてみた。
そして千円を課金して、
ガチャ!!
一発で大当たりとなった。

すぐに、
店内は、
「マカベウスのユダ」(スポーツ大会の優勝式に必ずかかるアレ👍)が流れ出し、
全店員が、
「おめでとうございます㊗️❗️」とお祝いした!
宝石売り場から、
アイドル並みのかわいいオンナが、
デカいダイヤモンド💎持って来て、
「お客さまは千円のガチャで1000万円のダイヤモンドをGETしました。お包みいたしますね」と、
愛らしい声で言い、
レジまで案内した。

カッちゃんはうれしすぎて、
ここはパラレルワールドやないか😳⁉️とさえ思うほどやった!
レジ係は、
うやうやしくカッちゃんに応対した。
「このような高価な品物の御決算は初めてです。手が震えてしまいます」とまで言った。
他の店員もカッちゃんに、
「お客さま。わたくしどもはこの尊きひと日をいつまでも記憶に留めさせていただきます❗️」と、
感極まった口調で話した。

レジ係は震える手で、
ダイヤモンドを包装しを得た。
カッちゃんは手を差し出し、
「お母さんにプレゼントします」と言った。
レジ係はやさしく微笑み、
包装したダイヤモンドを、
先のアイドル系宝石店員に渡した。
宝石店員は、
カッちゃんに一礼して、
宝石売り場に戻って行った。

カッちゃんは慌てて、
「ぼくの宝石💎」と言うと、
アプリを入れるように勧めた最初の店員が来て、
「お客さま。気分転換はいかがでしたか?お客さまの人生ではまずあり得ない体験に御気分もよろしいことと存じております」と言った。
カッちゃんは、
「ぼくの宝石💎は😨❓」と問うと、
店員は、
「宝石売り場にございます」と答えた。
カッちゃんは、
「宝石売り場にございますって、あれぼくの物なんですけど」と言い返すと、
店員は軽く笑い、
「お客さま。アプリ入れて千円課金して1000万円のダイヤモンド💎とか手に出来るとお考えとは笑止千万の四文字に尽きますです」と答えた。
カッちゃんは不機嫌に、
「ドッキリだったの😠⁉️」と問うと、
店員は、
「そんな低級なものではございません。その気分にさせただけでございます」と言い、
「お客さまが本当に先程のダイヤモンド💎を所望でしたら、年末ジャンボ宝くじとかローソンのサッカーくじをお勧めいたします。是非ともお当てくださいまし」と続けて言って、
店員は去って行った。

カッちゃんは諦めきれずに、
宝石売り場に行くと、
先程のアイドル系店員がかわいい声で、
「ダイヤモンドキャンディ召し上がれ」と言って、
ダイヤモンドのカタチをしたひと口キャンディをカッちゃんに渡した。
カッちゃんはそれを口に入れ、
寂しく、
家路に着いた。

この翌年、
この気分転換を謳うデパートは閉店して、
ビルは改築され、
オフィスビルとして、
現在に至るという。