(2019年9月15日記事「ばってん札幌の帰還」の四つの書き込み参照)
北海道のとある田舎の飲み屋街。
ラッシー、ベンジー、ハチ公の若い荒くれ三人組がいた。
この三人は、
『バディ』という暴走族を結成して、
50ccを乗りまわした。
そして、
酔った観光客をターゲットにして、
力で金品を巻き上げた。
ある日、
よそ者が、
『バディ』のごひいきの飲み屋でくだをまいているとの情報から、
ガチギレした『バディ』の三人が、
店に直行した。
そこには、
スキンヘッドの凄みを効かせた若者が、
店の主人から女将から従業員まで、
叩き飛ばしていたんやった。
そして若者は、
「ばってん札幌からの礼儀じゃ、方々❗️」と叫んだ!
『バディ』の三人は、
この、ばってん札幌という若者を取り押さえようとしたが、
ここで、
彼らの記憶は、
途絶えることとなる。
やって、
気がついた三人がいたのは、
病院🏥のベッドで、
一週間も昏睡してたとのことやったから。
三人一様に、
体中が疼き、
歯を全部折られていた。
ベンジーは泣きながら言った。
「恐ろしかぁ😢ばってん札幌は😢😢」、と。
それから四年が経った。
ベンジーはアキラという中坊を持つオンナと結婚したが、
このオンナは落雷で命を落とした。
それで、
ベンジーがアキラの面倒を見ることになった。
そして、
性格が素直で、
常に神仏に手を合わせる優しいアキラに影響されて、
ベンジーはマトモな生活を始め、
小さな農場を持った。
翌年、
宮崎ほたるという名の、
かわいいけど気の強いオンナが、
ベンジーの農場にやって来た。
アルバイトの広告を見てとのことやった。
ベンジーは不安な心持ちやったけど、
アキラがすぐに気に入ったので、
雇うことにした。
宮崎ほたるは、
気性が荒いながらも働き者で、
サービス残業も快くやった。
しかし、
ベンジーは、
宮崎ほたるがナニモノかに似てることをアキラに告げたが、
アキラは、
「父さん。昔のことをほじくったってロクなコトないよ」とやさしく言った。
ある朝、
宮崎ほたるが目を覚ますと、
たくさんの花が花瓶に飾られていた。
アキラが摘んできたとのことやった。
宮崎ほたるは、
アキラとベンジーが気に入って、
同棲することにした。
そんな時、
牧場や農場が荒らされる被害が相次いだ。
犯人は、
ラッシーとハチ公に、リンチンチンを加えた、
『新バディ』の面々やった。
ベンジーは、
『バディ』のかつての仲間から、
リンチにあうことを予測したが、
強気に「どすこい❗️」と叫んで、
箪笥からドスを取り出した。
その光景を見ていた宮崎ほたるはベンジーに、
「それはドスか⁉️」と尋ねた。
ベンジーは宮崎ほたるをじっと見つめて、
「そうどす」と呟いた。
宮崎ほたるは無言で部屋を出た。
夕飯時、
アキラは泣きながらベンジーに、
「父さん!バディに立ち向かったところで犬死にだよ!」と言った。
ベンジーはうつむいて、
「明日考えよう。明日になったら明日の風が吹くから」と小さく言った。
宮崎ほたるは無言で退席した。
翌日、
宮崎ほたるが1日だけ、
九州の実家に帰るということで、
ベンジーとアキラだけで昼飯食っていた。
そこに、
顔が腫れまくった、
ラッシーとハチ公とリンチンチンがやって来て、
ベンジーに、
「また、アイツにやられたら❗️」と言って爆泣きした!
ベンジーがアイツは誰やと尋ねても、
三人は泣きながら立ち去るんやった。
二日後、
宮崎ほたるが元気よく帰ってきて、
いつもの平和な日常がひと月ほど続いた。
ある夜、
キッチンで洗い物をしている宮崎ほたるに、
ベンジーは、
『新バディ』に起こったことを話した。
そして、
「ほたるちゃんを見ていつも思うんだけど、アイツのコトを思い出すんだ」と言うので、
宮崎ほたるは、
「あんまし、昔の話はしないほうがいいよ」と気乗りなく言い返した。
なのにベンジーは、
「ほたるちゃんって、時々、アイツを思い出すんだ」と話し続け、
「アイツは、ばってん札幌やった」と重ねて言った。
宮崎ほたるの顔つきが険しくなった。
そしていきなり、
デカい深鍋をベンジー被せたので、
ベンジーの上半身が深鍋に隠れてしまった。
ベンジーは深鍋から、
「アニすんだよ🤬❗️」とキレたが、
宮崎ほたるは、
「今夜はベンジー鍋でも食ったろかいな❗️」と凄んだ。
ベンジーは確信した。
宮崎ほたるの凄んだ声から、
相手が、ばってん札幌やったことを。
ベンジーが冷や汗💦出してると、
「やめてください❗️」というアキラの泣き声が聞こえた。
更に、
「ばってん札幌さま!お鎮まりください!過去をほじくった僕らが悪いんです。それに僕は鼻もほじくりました」と泣き崩れた😭
ベンジーは、
深鍋被せられたことによる酸欠から、
気を失った。
目を覚ますと、
アキラがそばにいた。
そして、
「行っちゃったよ。ばってん札幌。またバイトを探さないと」と言うと、
ベンジーはやさしく、
「お前の清らかな心がばってん札幌を送り出したのさ」と答えた。
モノゴトは起こり、
消え去っていく。
人はこれを風化と言う。
すると、
シンのモノゴトを知るのは、
風のみなのか🤔🤔🤔
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