ケイシロウとトークアバウト

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小田斬り嬢

2024-12-24 00:00:00 | 日記




1990年代初頭のこと。

とある地方都市に小田家という資産家があった。
そこにはわがままなひとり息子であるコウジという高校生が二股かけていた。
二股されているひとりの女子高生サキはこの事実に気付き、
コウジを捕まえて、
「付き合ってたのはあずみよりもあたしが先でしょう😡」とキレた!
が、
コウジは逆ギレして、
もう1人の女のあずみとともに、
サキを馬鹿にしていじめまくった。
精神的に不安定になったサキは、
学校でコウジを刃物で刺して、
コウジは帰らぬ人🙏となった。
この事件から、
サキは小田斬り嬢と呼ばれ恐れられた。
サキは、
裁判の結果心神喪失でフツーの刑務所の10倍恐ろしい医療刑務所へと送致された。
こうして、
人を差別して裏切りまくった小田コウジは蓮🪷の咲いているところに旅立ち、
小田斬り嬢ことサキの行方は、
医療刑務所に入れられた時点でわからなくなった。

小田家ではコウジの父テッペイが、
息子の死を悲しみ、
コウジが大好きだった、
小田家経営のファミレス店内の真ん中に、
コウジの墓を建てた。
そのため、
このファミレスに入る時はみんな、
コウジの墓参りをして席に着き、
注文するんやった。

時は20年後となる。

相変わらずコウジの墓があるファミレスに、
コウジの高校時代の同級生達が、
同窓会をした。
同級生達はコウジの墓に、
「久しぶりだな!」と言い、
ある者は、
「お前も飲め!」と言って、
日本酒の入ったグラスを墓前に置くんやった。

そこに尼さんが花輪を持って入ってきて、
コウジの墓前に添えた。
コウジの同級生達は震え声で、
「お、お、小田斬り嬢」と呟いた。
すぐに厨房から白装束のテッペイが包丁持って現れ、
「サキよ!息子のかたきをとらせていただきます」と言った。
サキは無言で目を閉じた。
テッペイは包丁を構え、
「息子のかたき❗️」と叫ぶと同時に、
「おやめなさい❗️❗️」という女性の怒号が響き渡った。
怒号の主は医科大生の港ツンコやった。
港ツンコは、
コウジのもう1人の女のあずみの姪でもあった。
港ツンコはテッペイに、
「仇討ちにあっては、子が親のかたきを討つのは合法。なれど、親が子のかたきを討つことは天下のご法度!ご主人、刃物を仕舞いなさい!」と強く言った。
テッペイは大人しく包丁を後ろに放り投げた。
背後で悲鳴が上がった。
同級生達はヒソヒソと、
「おい。仇討ちってそもそも違法じゃねえか?」と言い、
「明治6年に廃止になったとウィキペにあるぜ」と囁き合った。

テッペイがコウジの墓前で泣き崩れると、
墓から水のようなものが流れてきた。
すぐにそれが酒であることが臭いでわかった。
港ツンコは、
「コウジさんが手打ち盃を望んでるんだわ」と言うと、
テッペイが泣きながら😭
「皆さん!お手を拝借!」と言って、
みんなで両手打ちをした。
そして、
テッペイとサキは和解した。

テッペイは妻に先立たれていた。
一方、
サキは尼寺にいたが、
そこから出たばかりやった。
テッペイとサキはお互いの人生のやり直しの為、
みんなの前で2人の結婚を誓った!
全員、
怪訝そうな顔に無理矢理笑顔を浮かべ、
テッペイとサキの結婚を祝福した。

現在、
ファミレスは取り壊され、
コウジの墓だけが立派に残されて、
テッペイとサキは墓参りを欠かさないという。

そして、
港ツンコによる真相がこのブログにだけ告げられる。
あのコウジの墓から出てきた酒やけど、
真相は、
テッペイが後ろに放り投げた包丁を避けようとした店員が、
日本酒の一升瓶を割ってしまい、
その中身が出たものやった。
この店員は、
日本酒の弁償をしたくないばかりに、
この事実を秘密にしていた。

ここに、
小田斬り嬢ことサキと、
小田家の奇妙なできごとの一部始終を書き終えて、
俺は風呂に入る。