結構前の出来事。
あるマンションに丸顔の体のデブい短足中年男性が入居した。
その日の夜から、
赤ん坊の凄まじい夜泣きがマンション住民を不眠症にする。
うるさくて眠れないと言いたいところを、
相手は赤ん坊やからみんな我慢していた。
下手に文句つければ、
逆訴訟もあり得るからや。
けど、
普通の赤ん坊よりも夜泣きがやかましい。
赤ん坊の夜泣きは翌年も翌年も続くので、
マンション住民は怪訝🤔そうに呟き合うんやった。
「いくら赤ちゃんの夜泣きとは言っても、4年経ってもあんな風に泣くの?」とヒソヒソ話す中で、
ある主婦が、
「うちの息子があの夜泣きに耐えながら高校受験に成功したわ」と言うと、
話しは息子さんの高校受験のお祝いを述べる方向へと移行した。
そして3年後。
未だに凄まじい赤ん坊の夜泣きに、
マンション住民は困惑していた。
高校受験に成功した息子を持つ主婦は、
今度は大学受験に向かう息子を思いながら、
「フツー、7年も経って、あんな夜泣きするかしら?それにあのお部屋の子供なんか一度も見たことはないわ😠」とキレた!
他の住民たちも「絶対おかしい」と囁きあっていたところを、
大学受験を控えた息子のイサオがガチギレして、
「勉強できねーんだよ❗️あの短足デブのところに行って説明してもらうぜ!」と声を荒げた。
その夜。
マンション住民たちは、
凄まじい赤ん坊の夜泣きがする、
丸顔の体のデブい短足中年男性の部屋前へと出向いた。
住民男性のひとりがインターホンを押そうとしたら、
イサオが助走をつけて、
部屋のドアにドロップキックをカマしたので、
ドアはいびつに横に開いた。
イサオは更にドアを蹴りあげて広げてそのまま土足で中に上がった。
そして絶叫した!
アンと、
丸顔の体のデブい短足中年男性が全身ベビー服姿でおしゃぶり咥えて、
ガラガラを鳴らしていたからやった。
そばには10歳のヨウイチがいた。
そして、
8つのスピーカーから大きな赤ん坊の夜泣き音が響き渡っていた。
イサオは、
「エエ歳して赤ちゃんの格好しやがって!」と怒鳴ると、
ヨウイチが、
「赤ちゃんじゃねー!アオちゃんだよ!」と言い返した。
丸顔の体のデブい短足中年男性のアオちゃんも、
口からおしゃぶりを取って、
「ナンだ⁉️キミは❗️勝手に上がり込んで!失敬じゃないか❗️」と怒鳴った!
イサオは、
「そんな格好でエラそうなことを言うな!」と言い返した。
そこにマンション住民の人たちも上がってきたので、
ヨウイチは哺乳瓶🍼にミルクを入れて住民たちをもてなした。
アオちゃんは無関心におしゃぶり咥えてガラガラを鳴らした。
ヨウイチの説明によると、
アオちゃんは自分の叔父さんであること。
大きな会社の常務の役職にあってストレスが多く、
ストレス発散の為に、
全身ベビー服姿になること。
赤ん坊の夜泣き音が無いと安眠できないこと。
などを説明した。
住民のひとりが、
「いくら安眠できないからと言って大音量で赤ん坊の夜泣き音を流していたら私たちが安眠できません!しかもこの7年間、小さな子供がいるように思わせてましたからね」と言うと、
アオちゃんはおしゃぶりを取って、
「それはキミたちが勝手に思ったことじゃないか⁉️ワシの知ったことじゃないわ❗️」と怒鳴り、
「ウババババ」と言っておしゃぶり咥えてガラガラを鳴らした。
イサオが、
「やかましくて勉強できない!受験に落ちる!」と騒ぐと、
アオちゃんはおしゃぶりを取って、
「もともとキミは頭は良くないんじゃないのかね?勉強ができるできないを音で決めつけること自体ナンセンスじゃないか⁉️」と、
不愉快そうに語り、
「ウババババ」と言っておしゃぶりを咥えてガラガラを鳴らした。
イサオはキレて😠
「アンだと⁉️許さねーぞ❗️」と凄んだ!
ヨウイチがイサオに、
「ガキだねお前」と冷ややかに言ったので、
イサオはガチギレして、
「お前の方がガキじゃねーか❗️」と怒鳴った!
するとアオちゃんがおしゃぶりを取って、
「こうしようじゃないか。大学受験まで静かにしてやるが、もしキミが合格すればいつまでも静かにした上にキミに1千万円差し上げよう。しかし不合格なら合格するまでワシのおむつを替えてもらうよ」と言い、
「ウババババ」と言っておしゃぶりを咥えてガラガラを鳴らした。
イサオとマンション住民たちはこの話しに合意した。
イサオの大学受験前から、
アオちゃんは気を使ってくれたのか、
マンションからいなくなった。
イサオの受験が終わり、
結果は合格となった。
しかしアオちゃんが帰ってくることはなかったから、
1千万円は仕方なくとも、
二度と赤ん坊の夜泣きに苦しめられることはなかったという。
この出来事をヨウイチは述懐する、
「イサオさんの受験日前にアオちゃんは結果でコトが決まるから、旅行に行ってました。アオちゃんの会社の従業員がイサオさんの合格を知らせたので、アオちゃんは別の場所で生活することにしました。そうすることでイサオさんへの約束の1千万円を踏み倒すことも出来たんです。計画的だったんですよ。最初っから。新しい場所で叔父さんはすぐに結婚することになりました。その2年後の出来事を凶公がブログで書いたのが『さよなら子守唄😢』だったんですよ」
(ブログ記事『さよなら子守唄😢』は2021年7月9日書き込み記事です)