人生の雑記帳bytamatiyamaru

終活もそろそろ考えながら…日々の瞑想(迷走?)を大切に
身も心もととのえることが一番!

村上春樹「色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年・・・」

2014年01月09日 12時52分36秒 | 読書感想

2014年年初めの読書感想です

つくるは36歳。鉄道会社で駅や電車の設計という、ものつくり(名前通りの)仕事をしている。

高校時代つくるは男女5人と青春そのものを楽しみ、絶妙なバランスを取りながら5人だけの王国を築いていた。不思議なことに親友男女4人は色彩に関係した苗字を持っていたアカ・アオ・クロ・シロ・・・

だけどその男女4人から大学2年の夏に突然絶縁されて、そのショックで翌年まで自殺のふちをさまよった。そんな過去と直面すべきだと恋人にうながされ、16年ぶりにかつての仲間を訪れることにする。彼の《巡礼》の旅

久々の村上ワールドを旅させてもらいました

1Q84以来の楽しき世界でした

1Q84よりはわかりやすい導入で、推理小説か!!と思わせるような展開もあり

とても面白かったです

今回はリストのピアノ独奏曲「巡礼の年」

5という数字は4でも6でもない・・・微妙なバランスを取りながら、あらゆるものを生み出し、あらゆるものを入り込ませない結界を作る・・・

フィンランドの美しい風景

駅といういろいろな人が通り過ぎていく雑踏の中にある静寂

人はもしあのときああしていたら・・・自分の人生はまったく違うものだったかもしれない・・・などど思いがちだが、結局はどう寄り道しようとも到着すべきところにしか到着しない・・・

そうであったかもしれない

そうでなかったかもしれない

まさしく村上ワールドにどっぷり浸かることができました

ラストも余韻を残すような感じで霧の中へ歩いていくような・・・それもよかったな・・・

 

 

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蜩ノ記  葉室 麟

2013年10月17日 11時23分10秒 | 読書感想

豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。

秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。

庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。

だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり…。

命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説

時代小説が好きで第146回直木賞受賞作品ということで手に取りました

山々に春霞が薄く棚引き、満開の山桜がはらはらと花びらを舞い散らせている

という冒頭から風景描写の美しさと内容のおもしろさにぐいぐい引き込まれていきました

江戸時代後期、気高く生きる武士と若い侍の子弟愛を軸に描いた力作でした

源吉という農民の男の子がかわいそう過ぎて・・・

でも生きるということの意味や純愛の美しさ、武士というこだわりや家族愛、人民を大切にする思いやりを秋国から教えてもらいました

巨匠黒沢明監督に師事した小泉尭史監督が岩手県遠野市を舞台にした映画化が進んでいるそうなので・・・

是非観に行きたいと思っています

 

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久しぶりの読書感想「枝豆そら豆」

2013年08月18日 13時55分56秒 | 読書感想

今年の1月に「楽園のカンヴァス」を読んで以来久々に本を読みました

買い物に行ったついでに図書館に寄ってみたんです

できれば村上春樹さんの本が借りたかったのですが・・・適当なのがなくて・・・

偶然たどりついた歴史小説のところにあったのがこれ

枝豆そら豆

梓澤 要

「そら豆」は大店立田屋(紙屋)の一人娘おその。

性格は大店の一人娘らしく、苦労知らずでのんびりしている少女。

そら豆のサヤを割ってみると、豆がふかふかの真綿のお布団にくるまれているみたいなので、

おそのそっくりと付いたあだ名が「そら豆」。

一方「枝豆」はその大店に住み込み奉公している少女、お菜津。

お菜津は、おそのとは反対に活発な少女。「狭い長屋で兄弟姉妹ぎっしり肩寄せ合って、すくすく育ったんだろ。

まるで枝豆じゃないか。弾けんばかりに元気いっぱい」というわけで「枝豆」。

この二人の主従関係にある少女が仲良くお互いを信頼し合いながら大きくなりやがて恋愛もし・・・

同じ人を好きになってしまうというよくある展開(上巻)

場面、下巻では急展開しており・・・おそのお嬢様は苦労の末に10人の子連れ、今は女手一つで一杯飯屋を切り盛り中の苦労人

お奈津は初恋を実らせ藩主の側室として多くの家人を統率する立派な立場

その二人が再会し東海道を子連れで福井県秋津までの珍道中

涙あり笑いあり感動あり

2冊を2日で読み切りました

女の人生って最後までわかりませんね

ここにきて老眼鏡必須という悲しい状況です・・・

 

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楽園のカンヴァス

2013年01月20日 21時31分08秒 | 読書感想

昨年10月頃にブロ友さんがおもしろかったって教えてくれたので

図書館に予約していたのですがやっと今月半ばに貸出となりました

作者の原田マハさんは岡山に住んでいたことがあり岡山弁がところどころ使われていました

しかも主役早川織絵という女性は大原美術館に勤めているといううれしい設定でした(岡山在住の私には・・・)

原田マハさんは,「森ビル森美術館設立準備室」に勤めた経験を持っています。

その当時,ニューヨーク近代美術館にも派遣されていたとか……。その後フリーのキュレーターを経て,カルチャーライターに転身されたとのこと。そのご経験が,随所に活かされた作品です。

物語は,バーゼルという街を舞台に展開していきます。

『夢を見た』の持ち主の大富豪 バイラーは,MoMAのキュレーター ティム・ブラウンと日本人のルソー研究者 早川織絵に真贋の判定を依頼します。

2人のうちきちんと鑑定した方に,『夢を見た』の取り扱い権限を委譲するとの条件の元で,7日間の真贋鑑定が始まります。

途中,ピカソなども登場し,物語は意外な方向に展開していきます。

美術史にはまったく知識のない私もアンリ・ルソーという画家の書いた絵をネットで検索しながら読み進めました。

日曜画家とか遠近感のないへたくそな絵とひどく中傷され続け、ずいぶん貧乏したみたいですが

私はこのアンリ・ルソーの絵はとても好きだと思いました。

第22回アンデパンダン展への参加を呼びかける自由の女神

近いうちに大原美術館にも出かけてみようと思いました

 

 

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のぼうの城

2012年11月09日 21時38分52秒 | 読書感想

まだまだmy読書の秋は続いています~~

昨日は今大ヒット???上映中の『のぼうの城』の原作を読みました

原作も大ベストセラーだそうで20万部を突破しているらしい

9月に『るろうに剣心』を見に行ったときに予告を見て面白そうだなと期待感をもち・・・先に原作を読んでみたくなりました

えてして~~最初から期待すると裏切られることが多い

とても読みやすくて約半日で読破することはできました

多勢に無勢、判官ひいきな日本人にはお誂え向きな内容で、よくこんな史実を見つけたものだと言う感想が一番

のぼう様こと成田長親が守る武州・忍城は500騎(農民を含めて2000人)の軍、対する石田三成率いる秀吉軍は20000人の大軍。

余裕しゃくしゃくの秀吉軍に対しあの手この手の奇策を用いるのぼう軍の、敵の鼻を明かすような戦いぶりに笑いが止まらないという明快な内容

歴史物につきものの難しい漢字も少なくて・・・登場人物もすっきりとして頭の中の整理もしやすかったです

突き詰めて考えれば

内容が浅く読後感がいまいちということなのですよ

言葉づかいが軽妙で時代物独特の重厚感がまったくない

主人公の成田長親がいったい何ものなのか、どうしたいのか、どこへむかうのかまったく描きこまれていない

時代劇のだいご味である基礎づくりの部分が軽薄で最後の心地よい余韻にも浸れないというないないづくし

時間つぶしとか歴史小説に馴染むための一冊としてなら爽快で笑えて泣ける手軽な内容だと思いますけど

のぼうの城という映画をわざわざ見に行きたいという気持ちがなえてしまいました

辛口の感想になりましたがあしからず

ふっくりんこという北国のもち米を使ったいかめしを食べました

甘辛い味付けとやわらかいイカがとっても(*´゜艸゜`*)まぃぅ~♪

 

 

 

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