丹 善人の世界

きわめて個人的な思い出話や、家族知人には見せられない内容を書いていこうと思っています。

初体験????

2011年01月27日 | 個人史
夏とはいえども肌寒い日だった。
パンツ一丁になって思い切って仰向けに飛び込んだ。
衝撃があった。
手を使い、足を使い、腰を動かして必死だった。
息ができない。一気に疲れが襲ってくる。
終わった時、疲労が襲ってきた。心地よい達成感があった。
呼吸が整わない。心臓が高ぶっている。びしょ濡れだった。



うーーん、初めてプールで泳いだのだった。


先にも書いてきたように、僕の行く学校どこにもプールがなかった。
水に浮くことさえできない完全カナヅチの僕にとって運命的なことだったかも
しれないが、行く先々の学校でプールが建設されてきたのだが、その年ごとに水泳講習会はあったのだが必ず事情で参加出来なかった。

高校3年の時にプールができた。

1・2年の体育の授業ではどうしていたのだろうか。
ひょっとしたら併設の小学校のプールを借りたのではなかっただろうか。
あの、全国の小学生とその保護者を恐怖のどん底に陥れた、異常者侵入による児童大量殺傷事件が起きた小学校である。
記憶違いかもしれないが、あの校庭に連れられて行ったことがあったように覚えている。

とにかくプールが出来て、夏には講習会も開催されたのだが、その三日間は雨模様で気温も低く、おまけに少々風邪気味ではあった。
しかし、この機会を逃したなら一生泳げることはないかもしれないという思いで無理を押して参加する。

生まれて初めての水泳であるが、水に浮かぶのは初めてではなかった。
先に少し匂わせておいたのだが、1年前の家族旅行の時に温泉で浮かぶ体験をしていた。

きっかけはTVの深夜放送だった。

1年前の夏、TVの某深夜番組の企画で、東京オリンピック出場選手だった木原光知子がコーチとなっての水泳教室の様子が放送されたのだったが、そこで彼女が、人間は誰でも水に浮くように出来ている。力を抜いて全身を伸ばして水に委ねれば必ず浮かぶように出来ている、と最初に語っていた。
今までで一番心に残る言葉だった。本当にそうなんだろうか。

で、温泉で実験してみた。なにぶんお風呂だから浅いのでまず安全。そして本当に体が浮かんだ。初めての出来事。

その年にはそれ以外にプール体験を持つことはなかったが、1年おいて3年の夏、プールで本格的に水泳体験をする。

1年経っても、お湯でなく水であっても、やはり体が浮いた。
バタ足とクロール。確かに前に進む。
この3日間で15m泳ぐ体験をする。

あいにく息継ぎはできなかった。水恐怖症で、顔に水がかかったり、顔を上げて髪の毛から大量の水が顔の表面に流れてくるとパニックになって、口が呼吸をするのをやめてしまう。息が出来なくなると言う現象が(今でも)起きて、息をするどころではなくなる。現在はスイミングキャップをかぶっているときは大丈夫なのだが、そうでないとやはりパニックになる。

クロールだと横向きになるので上から水が流れないから息継ぎがなんとかできるので、それからは当分クロールしかできなくなるが。本格的に泳ぎを覚えるにはそれから25年ほどたってからになるのだが。

とにかく足がプールの底から離れても大丈夫になる体験ができた。