丹 善人の世界

きわめて個人的な思い出話や、家族知人には見せられない内容を書いていこうと思っています。

写真集「12歳の神話」

2010年08月24日 | 個人史
高校生向け雑誌に画期的な写真集の紹介記事が載せられていた。
「12歳の神話」と題された少女ヌード写真集だった。
まだ大人になりきっていない12歳の少女が明るく健康的にその裸体をさらけ出した写真集はかつてない社会現象を引き起こした。
TV等では好奇心一杯に話題性だけで注目が集められ、少女ヌードという新しいジャンルが芸術性から猥褻性まですべて含めて取り上げられた。
当時は裏本の世界以外で少女ヌードが出回ることはなく、警察の目を逃れての物しか出ていない頃、規制もきびしく、ヘアヌードなどは当然取り締まりの対象であり、ましてや少女の裸が公然と出回ることは無かった時代。

ここに抜け道を見いだした商業主義の大人達がいた。
陰毛がわずかでも見えていれば写真集や映画でも規制の対象だったが、まだ陰毛が生えていない少女なら性器の露出も規制の対象にならないということを知ってしまった。何しろ猥褻というのは、性行為をイメージさせる物が対象であって、完熟した大人の女性の性器なら規制の対象となり、それを覆う陰毛も取り締まられていたのだが、少女となると規制にひっかからなかった。
そして、この写真集をきっかけとして、巷では幼女のヌード写真が頻繁に出回ることとなる。

一番迷惑を被ったのがこの本家の写真集だったろう。被写体本人はまだ少女というのにいちやく後期の目に晒されることとなって、この写真集自身が封印されることとなる。

それから10数年後、この写真集が再刊された。
「12歳の神話」「エウロペ・12歳の神話」という2冊の分冊となって再刊される。当時少女だった子が成長し、結婚して一般主婦となったことでようやく日の目を見ることとなったのだろう。

10数年間、高校生雑誌に掲載されていた1枚の写真がずっと印象強く残っていて、その懐かしさで2冊とも購入した。その中から抜き出した写真と共に文章を加えた文庫タイプの本も出ていて購入する。世間の流行とはまったく縁遠い、芸術性ゆたかな写真集だった。

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