千葉市動物公園 その５：ヒツジの野生原種・ムフロン

ムフロンは、家畜ヒツジの祖先とされている野生ヒツジの1種。山に小さな群れをなして棲み、普段はオス、メスと仔は別々の群れを形成する。日中は、見通しの利く所で休息する。かなり優れた視覚、嗅覚を持ち、警戒心は非常に強い。オスは縄張りを設けてハーレムを作るために角を突き合わせて闘う。
ヒツジの野生種には、ムフロン、アルガリ、オオツノヒツジ、ドールシープなどがいる。ヒツジ属の野生種では、ムフロンが最も小さく、アルガリが大きい。寿命は約15年と言われている（世界大百科事典、他）。

千葉市動物公園には、オス（写真）6頭、メス9頭のムフロンが飼育されており、最年長はオス12歳、メス15歳です。
昭和60（1985）年3月にオス、メスが来園し、その子孫が家畜の原種ゾーンで飼育されています。

ちなみに、昭和47（1967）年、多摩動物公園（東京都日野市）へ来たムフロンが、戦後最初に日本へ来た個体です。
ムフロンが飼育されている動物園は、桐生が岡動物園（群馬県桐生市）、アドベンチャーワールド（和歌山県白浜町）、九州自然動物公園アフリカンサファリ（大分県宇佐市）などですから、飼育している園・館は少ないようです。

ムフロンが見られる関東地区の動物園は、多摩動物公園、桐生が岡動物園、そして千葉市動物公園です。
千葉市動物公園には、千葉市生まれのムフロンが飼育されているのです。

ところで、千葉市動物公園には『動物園アイドル図鑑～噂の人気者に会いに行こう～（世界文化社）』に掲載されているアイドルがいます。

１． オランウータンのフトシ
２． カルフォルニア・アシカのドン
３． シマウマの桜
４． プレーリードッグのムスコ
５． カピバラのライラ

この図鑑が発行されたのは、平成12（2000）年4月ですから、直立する風太がメディアで報道される5年前です。
レッサーパンダのアイドルには、静岡市立日本平動物園（静岡県静岡市）で飼育されているミミ、市川市動物植物園（千葉県市川市）の鈴々（リンリン）、姫路市立動物園（兵庫県姫路市）のフウフウが紹介されています。

千葉市動物公園は、風太人気だけが先走っている感がします。
アイドル図鑑に紹介されている千葉市動物公園のアイドルたちよりも、先に浮かぶのは風太です。
日頃は見過ごしている千葉市動物公園の本当の良さを認識させられたアイドル紹介でした。