動物園を訪れて見知らぬ動物に出会うと、その動物を説明したプレートを最初に探し、展示されている動物と説明プレートを撮っておくと写真の整理に便利です。
動物の名前とプレートの説明書きを対比すると色々な想いが湧きますし、それをキーワードにした調査結果との相互チエック機能も果たしてくれます。
動物科学館に展示されているワタボウシタマリンのプレート説明を例にして説明します。
「ワタボウシパンシエ 霊長目 キヌザル科 コロンビア北西部
インディアンの頭かざりのように白い毛のふさがあり、ここからこの名がつけられました。人には聞こえにくい超音波を出してコミユニケーションをしています」
説明プレートの「ワタボウシパンシエ」は、「ワタボウシタマリン」の別称のようですが、それを確認する情報は少なく、「動物大百科第3巻 霊長類」(D.W.マクドナルド編:平凡社)のマーモセットとタマリン21種では、ワタボウシタマリンとして説明しています。
大百科の霊長類分類における霊長目・高等霊長類のサル類は、マーモセット科、オマキザル科、オナガザル科の3科に分けられ、マーモセット(属)とタマリン(属)はマーモセット科に入っています。ワタボウシタマリンはタマリンの仲間(属)です。
他の調べでは、オマキザル科はキヌザル科と呼ばれることもあるので、プレート説明は、それを採用しています。
また、前回書いたシロガオマーモセットは、大百科ではジョフロワマーモセットの名前で説明がありますが、別称は記載されていません。日本に生息している動物は国内向けの呼び名でも構わないでしょうが、外国に生息している動物の場合、プレートの動物名は原産地の名前にしてあると何かと便利です。動物好きの人達にとっても手助けになると思います。
なにはともあれ、個体とそれの説明プレートを連続撮影しておくことは、無駄になりません。
さて、ワタボウシのような白く長い頭部の冠毛を持っているワタボウシタマリンは、黒っぽくゴツゴツした四角顔です。その風貌には、風天の寅さんを思い浮かべるものがあります。
ただし、前頭部から首筋にかけて肩にまで達する白い髪、先端のほうに行くにしたがって黒くなる赤味がかったオレンジ色の長い尾は、風天の寅さんにはありませんから、四角い顔から連想したのです。それにしても、このような連想は大変不躾な話で恐縮しています。ご容赦下さい。
ゴツゴツした四角顔のワタボウシタマリンは、後ろ姿を眺めていても綺麗に見えます。
だから、後ろ姿の美しいタマリン、バックシャンを自覚しているタマリンは、元気印の前の枝を横切ったり、枝の天辺に座ってみたり、後ろを向いて留まったりして、カメラ目線をくれなかったのです。
絶滅危惧種の絶滅に瀕している種に指定されている「はにかみ寅」の仲間は、オス11、メス8の19頭います。これは、4~15頭の拡大家族集団で樹上生活するマーモセットやタマリンでは、集団のひとつです。
その集団は、1日に行動する範囲の3倍の広さの地域を持ち、最大1~2kmを移動している。仲間とのコミユニケーションは、集団の存在を知らせるもの、集団のメンバー間で用いるものなどがあり、そのいずれも、においづけ(マーキング)で行っています。
一夫一妻型の繁殖システムを持つマーモセットとタマリンが、1回の繁殖期間中に子を産むメスは1集団に1頭だけで、年2回(普通は1産2子)子を産みます。
父親や集団の仲間は、子が産まれた時から全員が何らかの形で赤ん坊を運ぶのに手を貸しています。また、赤ん坊や子連れの母親や赤ん坊を運んでいる個体に昆虫などの食べ物を譲ったりもします。オスは生後7~10日の期間だけ赤ん坊を運ぶ手助けをします。
このような協同養育は、霊長類の中で特異なものです(動物大百科第3巻 霊長類)。
「そうだったんですか。では、はにかみ寅の集団は、どのような協同養育をしているの?」
ボケ封じ観音さまのお出ましですが、雲をつかむような質問ですよ。
バックシャンの寅タマリンに聞くしか術はないですね。
<補足情報>
これを書き終わった直後、ワタボウシパンシエの名前で飼育動物を紹介している動物園を見付けました。
大森山動物園(秋田市)のワタボウシパンシエWebです。飼育担当者のコメントもあります。
「サルとしてはあまり敏捷な動きができません。時には木から落ちてケガをするときもあります。
サルも木から落ちる。このことわざを皆さんも聞いたことがありますよね!もしかしてこのサルから生まれたことわざで
は・・・?」
飼育員とワタボウシパンシエとの間に通っている温かい心の交流が窺えますね。
動物の名前とプレートの説明書きを対比すると色々な想いが湧きますし、それをキーワードにした調査結果との相互チエック機能も果たしてくれます。
動物科学館に展示されているワタボウシタマリンのプレート説明を例にして説明します。
「ワタボウシパンシエ 霊長目 キヌザル科 コロンビア北西部
インディアンの頭かざりのように白い毛のふさがあり、ここからこの名がつけられました。人には聞こえにくい超音波を出してコミユニケーションをしています」
説明プレートの「ワタボウシパンシエ」は、「ワタボウシタマリン」の別称のようですが、それを確認する情報は少なく、「動物大百科第3巻 霊長類」(D.W.マクドナルド編:平凡社)のマーモセットとタマリン21種では、ワタボウシタマリンとして説明しています。
大百科の霊長類分類における霊長目・高等霊長類のサル類は、マーモセット科、オマキザル科、オナガザル科の3科に分けられ、マーモセット(属)とタマリン(属)はマーモセット科に入っています。ワタボウシタマリンはタマリンの仲間(属)です。
他の調べでは、オマキザル科はキヌザル科と呼ばれることもあるので、プレート説明は、それを採用しています。
また、前回書いたシロガオマーモセットは、大百科ではジョフロワマーモセットの名前で説明がありますが、別称は記載されていません。日本に生息している動物は国内向けの呼び名でも構わないでしょうが、外国に生息している動物の場合、プレートの動物名は原産地の名前にしてあると何かと便利です。動物好きの人達にとっても手助けになると思います。
なにはともあれ、個体とそれの説明プレートを連続撮影しておくことは、無駄になりません。
さて、ワタボウシのような白く長い頭部の冠毛を持っているワタボウシタマリンは、黒っぽくゴツゴツした四角顔です。その風貌には、風天の寅さんを思い浮かべるものがあります。
ただし、前頭部から首筋にかけて肩にまで達する白い髪、先端のほうに行くにしたがって黒くなる赤味がかったオレンジ色の長い尾は、風天の寅さんにはありませんから、四角い顔から連想したのです。それにしても、このような連想は大変不躾な話で恐縮しています。ご容赦下さい。
ゴツゴツした四角顔のワタボウシタマリンは、後ろ姿を眺めていても綺麗に見えます。
だから、後ろ姿の美しいタマリン、バックシャンを自覚しているタマリンは、元気印の前の枝を横切ったり、枝の天辺に座ってみたり、後ろを向いて留まったりして、カメラ目線をくれなかったのです。
絶滅危惧種の絶滅に瀕している種に指定されている「はにかみ寅」の仲間は、オス11、メス8の19頭います。これは、4~15頭の拡大家族集団で樹上生活するマーモセットやタマリンでは、集団のひとつです。
その集団は、1日に行動する範囲の3倍の広さの地域を持ち、最大1~2kmを移動している。仲間とのコミユニケーションは、集団の存在を知らせるもの、集団のメンバー間で用いるものなどがあり、そのいずれも、においづけ(マーキング)で行っています。
一夫一妻型の繁殖システムを持つマーモセットとタマリンが、1回の繁殖期間中に子を産むメスは1集団に1頭だけで、年2回(普通は1産2子)子を産みます。
父親や集団の仲間は、子が産まれた時から全員が何らかの形で赤ん坊を運ぶのに手を貸しています。また、赤ん坊や子連れの母親や赤ん坊を運んでいる個体に昆虫などの食べ物を譲ったりもします。オスは生後7~10日の期間だけ赤ん坊を運ぶ手助けをします。
このような協同養育は、霊長類の中で特異なものです(動物大百科第3巻 霊長類)。
「そうだったんですか。では、はにかみ寅の集団は、どのような協同養育をしているの?」
ボケ封じ観音さまのお出ましですが、雲をつかむような質問ですよ。
バックシャンの寅タマリンに聞くしか術はないですね。
<補足情報>
これを書き終わった直後、ワタボウシパンシエの名前で飼育動物を紹介している動物園を見付けました。
大森山動物園(秋田市)のワタボウシパンシエWebです。飼育担当者のコメントもあります。
「サルとしてはあまり敏捷な動きができません。時には木から落ちてケガをするときもあります。
サルも木から落ちる。このことわざを皆さんも聞いたことがありますよね!もしかしてこのサルから生まれたことわざで
は・・・?」
飼育員とワタボウシパンシエとの間に通っている温かい心の交流が窺えますね。