バラは普通名詞で、それぞれが個別の名前を持っている。拙宅隣の庭に咲いていたバラは、「上総小町(かずさ・こまち)」と命名します。
バラの原種である「オール・ドローズ」を主体に植栽している『佐倉草ぶえの丘』で調べるのが手っ取り早い。早速、押し掛けます。
10月22日朝に撮った写真に類似するバラはないかと花事典、図鑑などで調べた結果、「オールド・ブラッシュ」と決断を下しました。草ぶえの丘のバラ園資料室におられた相談係さんに上総小町の写真を提示してお伺いします。暫く写真を眺めてから、判らない、という回答です。
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様々な話をするうちに、10数年間ここで仕事をなさっておられる方であることが分かり、持参した写真だけではバラの名前を特定できない事情も飲み込めたのです。
バラの種名を調べる行為を「同定(どうてい)」と呼び、それには、
1.葉の形状
2.茎の色
3.棘(とげ)
4.繊毛(せんもう)
5.樹型(じゅけい)
の詳細を観察してそのバラの系統と種名を選定する。したがって、元気印から提示された写真だけで名前の判定は出来ない、「同定」に無理があったのです。
草ぶえの丘・バラ園に植栽されていた「オールド・ブラッシュ」と比較すると、上総小町は花弁の数が多いように思います。
ベテラン係員さんも「写真のバラは花数が多いようです」、バラ園で咲いている現物を観られては、とアドバイスをしてくれました。やはり、ネット図鑑の「オールド・ブラッシュ」とは違い、上総小町とも異なっていました。
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それでは、上総小町に類似する花がある筈。へそ曲がり元気印の意地が蠢(うごめ)きだします。
なんとか、それらしきバラを見つけ名札を確認です。
その名は、「ハイリゲ・エリザベート」。
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上総小町と比べると、中央の花弁の開き具合が違っているようなので、元気印には同定できません。
さらに拍車をかける事情があります。
バラの名前は、品種改良に成功した人物が独断で命名することも多々あり、その際に、原種バラの履歴を記録に残し、研究者などがルーツを辿れるようになっていれば後世になっても混乱をきたさないでしょうが、そのような配慮は稀なようです。それで、上総小町を同定できないのでした。
「そんな言い訳は、通用しませんよ」
と、ボケ封じ観音さまは激論を仕掛けてきます。
余談です。
ラ・フランスの花弁5トンから1kgの香水が採れるのですが、朝の花弁に限定されるようです。
バラには、オールド・ローズとモダン・ローズと称する分類法があり、前者は、ラ・フランス誕生以前のバラ、後者は誕生以降のバラを対象にしているようです。
ところで、香料の研究をしている企業がバラのDNA分析を行い、バラを同定するようになってから、バラの系統がより正確に分類できるようになった。それ以前は文書に残されている記録が唯一の頼り、記録がないバラは伝聞などを参考にして系統を分類し品種を纏めていたようです。
そして、厄介なことに、記録や伝聞の系統とDNA分析による系統が一致しない品種が発見され、バラの品種改良は日々刻々と行われているので、今日にでも新しい品種が生まれる可能性が高く、現在、世界に存在している凡ての品種を網羅したバラ図鑑はどこにもないようです。
また、バラの原産地である日本とチャイナに自生、あるいは植栽しているバラを帰国者が自国へ持ち帰えったり、手続きを踏んで輸出されたバラが、その国にあるバラと交配して品種改良が行われています。それらの品種が日本へ逆輸入されて園芸家などに歓迎されているケースが多いとのこと。
このような話しを聞くに及び、バラの素人であっても切歯扼腕ですよ。つるバラの原産地は日本やチャイナで、諸外国にはなかった品種とのことですから・・・。
残念なことがありました。
今年5月28日~6月3日に開催予定であった「第12回 国際ヘリテージローズ会議 2011佐倉」が、3月11日の東日本大震災の影響をうけて、来年5月31日~6月6日の1年先に延期されていたのです。放射能に汚染された日本、との風評が海外のバラ研究者の足を引っ張らなければよいですね。
バラの原産地であるチャイナには、バラの研究を整理し系統立てた記録が少なく、且つ品種改良をした人物の判断で命名する例もあり、バラの系統や品種のトレースバックが出来ない国情があるようです。そのような内情にあるチャイナから、来年開催予定の「2012佐倉」にバラ研究者が参加されるようなので、世界のバラ研究に一石を投じられんことが期待されます。
このような内情は、チャイナに限らず日本を含めたどこの国にも潜在していることでしょう。
人類の生誕よりバラのそれの方が早く、バラの原種の記録が残っていても、系統や種名に関する研究に関心が強かったとは、考えられないのでは。
「元気印さんの独断と偏見ですね」
ボケ封じ観音さまの忠告です。
でも、そのような気がしてなりません。
色々な情報収集を行って上総小町の系統と種名調べに始まった本稿は、バラ園での会話から得られた貴重な情報が参考になりました。バラ園の相談員さんに、感謝の意を表します。有難うございました。
バラ園からの帰宅途中にあった売店で販売している家庭園芸用の苗には、バラの名前、品種が明記されていました。
隣のご主人に上総小町を同定してもらうのが、賢明のようです。
バラの原種である「オール・ドローズ」を主体に植栽している『佐倉草ぶえの丘』で調べるのが手っ取り早い。早速、押し掛けます。
10月22日朝に撮った写真に類似するバラはないかと花事典、図鑑などで調べた結果、「オールド・ブラッシュ」と決断を下しました。草ぶえの丘のバラ園資料室におられた相談係さんに上総小町の写真を提示してお伺いします。暫く写真を眺めてから、判らない、という回答です。
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様々な話をするうちに、10数年間ここで仕事をなさっておられる方であることが分かり、持参した写真だけではバラの名前を特定できない事情も飲み込めたのです。
バラの種名を調べる行為を「同定(どうてい)」と呼び、それには、
1.葉の形状
2.茎の色
3.棘(とげ)
4.繊毛(せんもう)
5.樹型(じゅけい)
の詳細を観察してそのバラの系統と種名を選定する。したがって、元気印から提示された写真だけで名前の判定は出来ない、「同定」に無理があったのです。
草ぶえの丘・バラ園に植栽されていた「オールド・ブラッシュ」と比較すると、上総小町は花弁の数が多いように思います。
ベテラン係員さんも「写真のバラは花数が多いようです」、バラ園で咲いている現物を観られては、とアドバイスをしてくれました。やはり、ネット図鑑の「オールド・ブラッシュ」とは違い、上総小町とも異なっていました。
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それでは、上総小町に類似する花がある筈。へそ曲がり元気印の意地が蠢(うごめ)きだします。
なんとか、それらしきバラを見つけ名札を確認です。
その名は、「ハイリゲ・エリザベート」。
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上総小町と比べると、中央の花弁の開き具合が違っているようなので、元気印には同定できません。
さらに拍車をかける事情があります。
バラの名前は、品種改良に成功した人物が独断で命名することも多々あり、その際に、原種バラの履歴を記録に残し、研究者などがルーツを辿れるようになっていれば後世になっても混乱をきたさないでしょうが、そのような配慮は稀なようです。それで、上総小町を同定できないのでした。
「そんな言い訳は、通用しませんよ」
と、ボケ封じ観音さまは激論を仕掛けてきます。
余談です。
ラ・フランスの花弁5トンから1kgの香水が採れるのですが、朝の花弁に限定されるようです。
バラには、オールド・ローズとモダン・ローズと称する分類法があり、前者は、ラ・フランス誕生以前のバラ、後者は誕生以降のバラを対象にしているようです。
ところで、香料の研究をしている企業がバラのDNA分析を行い、バラを同定するようになってから、バラの系統がより正確に分類できるようになった。それ以前は文書に残されている記録が唯一の頼り、記録がないバラは伝聞などを参考にして系統を分類し品種を纏めていたようです。
そして、厄介なことに、記録や伝聞の系統とDNA分析による系統が一致しない品種が発見され、バラの品種改良は日々刻々と行われているので、今日にでも新しい品種が生まれる可能性が高く、現在、世界に存在している凡ての品種を網羅したバラ図鑑はどこにもないようです。
また、バラの原産地である日本とチャイナに自生、あるいは植栽しているバラを帰国者が自国へ持ち帰えったり、手続きを踏んで輸出されたバラが、その国にあるバラと交配して品種改良が行われています。それらの品種が日本へ逆輸入されて園芸家などに歓迎されているケースが多いとのこと。
このような話しを聞くに及び、バラの素人であっても切歯扼腕ですよ。つるバラの原産地は日本やチャイナで、諸外国にはなかった品種とのことですから・・・。
残念なことがありました。
今年5月28日~6月3日に開催予定であった「第12回 国際ヘリテージローズ会議 2011佐倉」が、3月11日の東日本大震災の影響をうけて、来年5月31日~6月6日の1年先に延期されていたのです。放射能に汚染された日本、との風評が海外のバラ研究者の足を引っ張らなければよいですね。
バラの原産地であるチャイナには、バラの研究を整理し系統立てた記録が少なく、且つ品種改良をした人物の判断で命名する例もあり、バラの系統や品種のトレースバックが出来ない国情があるようです。そのような内情にあるチャイナから、来年開催予定の「2012佐倉」にバラ研究者が参加されるようなので、世界のバラ研究に一石を投じられんことが期待されます。
このような内情は、チャイナに限らず日本を含めたどこの国にも潜在していることでしょう。
人類の生誕よりバラのそれの方が早く、バラの原種の記録が残っていても、系統や種名に関する研究に関心が強かったとは、考えられないのでは。
「元気印さんの独断と偏見ですね」
ボケ封じ観音さまの忠告です。
でも、そのような気がしてなりません。
色々な情報収集を行って上総小町の系統と種名調べに始まった本稿は、バラ園での会話から得られた貴重な情報が参考になりました。バラ園の相談員さんに、感謝の意を表します。有難うございました。
バラ園からの帰宅途中にあった売店で販売している家庭園芸用の苗には、バラの名前、品種が明記されていました。
隣のご主人に上総小町を同定してもらうのが、賢明のようです。
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