7月9日(土) 横須賀美術館の川田祐子展 -千年の翠-を見てきました。
2014年の「クインテット-五つ星の作家たち」展以来、ファンになっている現代画家です。
まず、フライヤーを
横須賀美術館は、初めての訪問です。
この日は、あいにくの雨でした。
エントランス横のイタリアンレストラン、10時過ぎに美術館に到着し、帰りはここでランチを目論んでいましたが
時間に追われてパス。 次回の楽しみに残しました。
受付です。 夏休みにピッタリな標本をテーマに企画展が組まれていました。 こちらは、川田祐子展のあとで紹介予定。
ここから玄関を振り返ると、沖合に船が航行中。 晴れた日は、素晴らしいでしょうね。
それでは、川田祐子さんの、メッセージから
常設展の途中から、川田祐子展が始まります。
なお、今回、川田画家や主催者の御好意で、特別に撮影許可を頂いています。 有難うございました。
KANEKO ART TOKYOで見た、「無方の空」が出迎えています。 懐かしい。
奥には、最近作の「緑の神話」などが
上の空中デッキから撮影。 右下の入口が第二の展示室。
第二展示室の中。 同じく東京の個展で見た作品が並んでいます。
第二展示室をでて、第一展示コーナを振り返って撮影。 天井や壁の採光窓がきれいです。
入口付近で、子供が絵に寄りかかっていて、美術館の方が慌てて注意をしています。
それでは、作品を。 「無方の空」は雲と空の描写が素晴らしい。 右に90度回転させると目で見る光景となりますが、回転して観ることで
別な雰囲気になります。 他の美術館で、スーパーリアリズムの作品をいくつも見ていますが、このマチエールは出せないでしょうね。
川田画家のハッチング技法が、微細なディテールを醸し出し、複雑で、ダイナミックな全体の動きにぶるっときます。
雪波も大好きな作品です。 太古の地球の、マグマのうごめきのようなスケールの大きさを感じます。
例によって、拡大表示。
更に拡大。 重層的なスクラッチとハッチングが、絵に奥深さを出しています。
反対側の壁面には「赫映(KAGUYA)」 2年前、クインテット展で見たときは、恐ろしさで血が凍る感じがしました。
部分拡大です。
更に拡大。 ここまでくると怖い感じはないのですが、鋭い針のようなマチエールと、血のような色がそんな印象をもたらすのでしょうか。
横に展示されている「不二(FUJI)」 以前のブログに書いた相模原時代の川田作品の印象と同じでした。
部分拡大。
更に拡大。
この作品は初めてです。 川田画家がスクラッチ技法を使い始めた頃の作品。
川田画家のブログに自作解説がアップされています。 自傷行為とかドキッとするような言葉が出てきて、作品の理解が深まると思います。
是非、ご参照を。
部分拡大。 縦横に重層的なスクラッチ、特に縦のスクラッチの密度には、強い精神エネルギーが感じられます。
「緑色の夜」 色調が素晴らしい。 どっしりとした安定感を感じる絵で、なにか底深くうごめく気配を感じさせます。
部分拡大。 ボールペンが使われています。 下の図だと、黒いインクだまりがある線でしょうか。 面白い。
大作の「BAIO-FOLD 風景の襞」 全体としては、暗い色調とあいまって目立ちませんが
部分拡大。 スクラッチが痛い感じです。 特に赤い素地が出た部分は、擦り傷で血が滲んだよう。
更に拡大。
重量感のある作品群にため息です。 第1回目はこの辺で。
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