JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
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24 (13) ~眠る鳥~より

2008-03-08 00:51:02 | ノンジャンル
 首筋を甘く咬まれ、氷河は我に返った。
「やめろッ、この獣ッ!」
 氷河は一輝の厚い胸板を押しやった。
 沙織がグラード財団の持つ研究所技術の粋を集めても、氷河の細胞を「人」にまで培養するのに10年近い歳月を要した。
 そこから氷河が「人」としての歳月を14年生きているから、一輝と氷河には約25の年齢の開きがある。
 氷河は14才の未成年だ。
 その未成年をバス・ルームでどうにかしようとしている一輝は、獣以外の何者でもない。
「お前、オレを人間だと思ったことがあるのか」
 一輝が氷河の眸を覗き込んだ。その双眸は氷河を通して、白鳥星座の聖闘士を見つめていた。
 当時、青銅聖闘士たちは聖闘士の証の聖衣を得るために闘い、聖闘士になってからは、地上と女神を護るために闘う戦士となった。
 あのときの氷河は、自分が人であることに思いを致したことがなかった。
 闘い、護るためには師や友への情を断ち切り、人の持つ7感、そして人を超えた8感に目覚めねばならなかった。
 一輝も、一筋の光明も射さぬ闇に生き、その闇の中で、氷河は一輝と巡り合った。
 光の射さぬ闇の中、一輝と氷河は憎み、呪いあった。
 阿修羅と化した一輝に捻じ伏せられ、犯されるという恐ろしい業を背負わされもした。
 故に氷河は、一輝を「人」として認めたことがなかった。
 その業を、一輝は繰り返そうとしている。
「とにかく、やめろ」
 氷河は一輝から視線を逸らせた。
「やめろといわれて、オレがやめた事があったか? それに、こんなときだけ子供を振り翳すな」
 一輝は氷河に口付け、掌で背を撫で回す。
 さっき一輝が多量に髪にふりかけ、氷河が洗い流したボディ・ソープの感触と、口腔を舐め上げられる感触に、氷河は身を捩った。

「続く」

 お久しぶりです。
 全然、更新できなくてすみません。
 でも下書きは終わっていますので、必ず仕上げます。
 あと、もう少し頻繁にアップもしたいッ。
 
 いつも来てくださり本当にありがとうございます。
 これからも一輝・氷河書き続けて行きますのでよろしくお願いします。