JINX 猫強

 オリジナルとかパロ小説とかをやっている猫好きパワーストーン好きのブログです。
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経費削減SS (一輝と猫8)

2013-05-14 21:13:00 | ノンジャンル
――おッ。

 フッと気がつくと、氷河が寝息を立てていた。

 不満顔の猫を抱いたままの氷河の無防備な寝顔に、一輝は唇を綻ばせた。

 そのうちに、一輝は有ることに気づいた。

「オイ、猫め――」

 一輝は氷河の腕に囚われた猫の髭を引っ張った。

「どうだ、氷河の胸の寝心地は?」
 
 代わりたいと思いながら、一輝はもう一方の髭も引っ張った。

 普段から間抜けな顔が、更に間抜けに見える。

「なんだ、その反抗的な顔は」

 牙が見えるほど髭で頬を引っ張られ、抗議の視線を向けている猫の額の毛を、一輝は指で逆さに撫でた。

「どんな顔をしようと、この一輝様にかかっては、こうなるのだ」
 
 一輝は身動きの叶わない猫の鼻を上向きに押した。

 すると、猫の顔の間抜けさ加減が増した。普段は捕まえようとしても捕まらない猫であるが、今の顔と有り様には、愛嬌さえ感じられた。

「ホレホレ、悔しかったら反撃をしてみろ、まぁ、無駄だろうがな」
 
 ぬいぐるみのように、しっかりと抱きしめられた猫に向かい、一輝は唇を吊り上げた。

 だが、猫のふてぶてしい性格を一輝は侮っていた。

「あッ、キサマ――」

 耳を引っ張られた猫が、ローブの上から氷河に爪を立てたのを目にし、一輝は慌てた。


「続く」