JINX 猫強

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真夜中の怪談  6 (聖闘士学園へようこそss)

2014-04-19 02:04:00 | 聖闘士星矢
「氷河ってば、可愛いッ」
 瞬は氷河を抱きしめていた。

 後で、真夏に出て、真冬まで囁かれている幽霊の正体を教えようとおもった。

「こら、なにをするか、瞬ッ!」

 素肌の氷河を抱き締める瞬に、一輝は肚を立てた。

「いいじゃあない――ボク、氷河のことが大好きッ」
 一度、対すれば、クールに眉一つ動かすことなく、相手の時間を、その原子ごと停止させてしまう、白鳥星座の聖闘士の普段の姿の、なんと可愛らしいことか――。

「黙れッ、大好きなら、オレのところに来い、いくらでも抱いて、抱き潰してくれるわ」

 両腕を広げた一輝に、瞬は冷たい視線を向けた。

「兄さんは可愛くないから、しない」

 突然の出来事に凝固している氷河を、また抱き締めた。

「貴様、この兄を愚弄する気か? 表に出ろッ!」

 一輝は憮然とした面持ちで浴槽から上がった。

「沙織さんに怒られるから嫌、兄さん、一人で出れば?」

 瞬は氷河を抱き締めたまま、一輝を見上げた。


 その日の晩から浴場で“城戸の兄弟が、金色の髪の城戸を取り合った”という噂が広まったのは、いうまでもなかった。


END

 真冬の怪談なのに、春になってしまってスミマセンでした。
 また、何かを思いついたら書きますので、宜しくお願いします。

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