「氷河ってば、可愛いッ」
瞬は氷河を抱きしめていた。
後で、真夏に出て、真冬まで囁かれている幽霊の正体を教えようとおもった。
「こら、なにをするか、瞬ッ!」
素肌の氷河を抱き締める瞬に、一輝は肚を立てた。
「いいじゃあない――ボク、氷河のことが大好きッ」
一度、対すれば、クールに眉一つ動かすことなく、相手の時間を、その原子ごと停止させてしまう、白鳥星座の聖闘士の普段の姿の、なんと可愛らしいことか――。
「黙れッ、大好きなら、オレのところに来い、いくらでも抱いて、抱き潰してくれるわ」
両腕を広げた一輝に、瞬は冷たい視線を向けた。
「兄さんは可愛くないから、しない」
突然の出来事に凝固している氷河を、また抱き締めた。
「貴様、この兄を愚弄する気か? 表に出ろッ!」
一輝は憮然とした面持ちで浴槽から上がった。
「沙織さんに怒られるから嫌、兄さん、一人で出れば?」
瞬は氷河を抱き締めたまま、一輝を見上げた。
その日の晩から浴場で“城戸の兄弟が、金色の髪の城戸を取り合った”という噂が広まったのは、いうまでもなかった。
END
真冬の怪談なのに、春になってしまってスミマセンでした。
また、何かを思いついたら書きますので、宜しくお願いします。
瞬は氷河を抱きしめていた。
後で、真夏に出て、真冬まで囁かれている幽霊の正体を教えようとおもった。
「こら、なにをするか、瞬ッ!」
素肌の氷河を抱き締める瞬に、一輝は肚を立てた。
「いいじゃあない――ボク、氷河のことが大好きッ」
一度、対すれば、クールに眉一つ動かすことなく、相手の時間を、その原子ごと停止させてしまう、白鳥星座の聖闘士の普段の姿の、なんと可愛らしいことか――。
「黙れッ、大好きなら、オレのところに来い、いくらでも抱いて、抱き潰してくれるわ」
両腕を広げた一輝に、瞬は冷たい視線を向けた。
「兄さんは可愛くないから、しない」
突然の出来事に凝固している氷河を、また抱き締めた。
「貴様、この兄を愚弄する気か? 表に出ろッ!」
一輝は憮然とした面持ちで浴槽から上がった。
「沙織さんに怒られるから嫌、兄さん、一人で出れば?」
瞬は氷河を抱き締めたまま、一輝を見上げた。
その日の晩から浴場で“城戸の兄弟が、金色の髪の城戸を取り合った”という噂が広まったのは、いうまでもなかった。
END
真冬の怪談なのに、春になってしまってスミマセンでした。
また、何かを思いついたら書きますので、宜しくお願いします。
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