JINX 猫強

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24 (19)  ~眠る鳥より~

2008-04-04 21:57:27 | ノンジャンル
 氷河は一輝に凭れ、シャワーを浴び、バス・ルームを出た。
 一輝は羞恥に身を捩る氷河の全身を拭き、バス・ローブを着せ、のぼせと疲労で身動きのままならない氷河を抱き上げた。
「なっ…一輝」
 氷河は自身を抱いたまま、自分の部屋に入った一輝に眉を寄せた。
 一瞬、一輝が部屋を間違えたのだと思った。
「な、なにを…」
 ベッドに放り投げられ、氷河は慌てた。
「言ったはずだ、お前がジジイ呼ばわりするオレと、お前…どちらが体力があるか勝負だと」
 一輝が氷河の鼻先に唇を寄せ、囁いた。
「そんな、お前…」
 何十年放浪していようと、一輝は聖戦を闘い抜いた聖闘士だ。
「さぁ、氷河…夜はまだこれからだ…」
 得物を目の前にした野性動物のような眸から視線を逸らせるように、氷河はドレッサーに置かれた、繊細な細工の施された時計を見た。
 時刻は21時になろうとしていた。
 氷河は屋敷に戻り、すぐに一輝にバス・ルームに連れ込まれたから、約2時間――一輝に身体をいいように使われていたということになる。
「バカ、やめろ、オレは疲れた…」
 放課後からの騒動と、初めてのカラオケと、バカの行為に、氷河は疲労困憊に陥っていた。
「昼間、あれだけの口を叩いたのだ、それなりの覚悟があったはずだ」
 一輝は大きくはだけたバス・ローブを脱がにかかった。

「続く」

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