メキシコのサルビアとプラントハンターの物語 No10
ギエスブレット(Ghiesbreght, Auguste Boniface 1810-1893)は、何とセンスのよいコレクター(プラントハンター)なのだろう!
彼が採取したサルビアを確認していたら欲しいものばかりだ。日本ではまだ馴染みがないものが多く、メキシコのサルビアの多様性に感嘆する。
Who ?? ギエスブレット?
ところで、ギエスブレットだが、彼は、シリーズNo4で取り上げたベルギーのプラントハンター、リンデン((Linden, Jean Jules)のところで、小さく登場していた。だから無視しようかと思ったが、彼が採取したサルビアが無視できないのでとりあげることにした。
それをレビューしてみると次のようになる。
1835年9月25日にリンデン、フンク、ギエスブレットは、ベルギー政府の支援でアントワープからブラジルのリオデジャネイロに向かい12月27日に到着した。
ここで三名は、ブラジルの動植物の収集捕獲と調査をおこない、1837年3月にベルギーに戻る。
1837年9月に二回目の探検として三名はキューバに向かい12月にはバナに到着した。翌年1838年には動植物の捕獲収集と商業情報の収集を目的にメキシコを探検し、この年の8月には、ベルギーのもう一人のプラントハンター、ガレオッティと一緒に四名でメキシコ最高峰のオリザバ山に登頂した。
リンデン、フンク、ギエスブレット、ガレオッティがメキシコで出会ったということがこの先の展開の道筋を創るので覚えておいて欲しい。
リンデンは黄熱病になったので一人残り、フンク、ギエスブレットは、1840年9月にベルギーに戻る。一方、リンデンは、同年12月にベルギーに戻り、先に帰った二人と再会する。
ガレオッティも、1835-1840年のメキシコ探検旅行から1840年に帰国する。
さてここから四名は三つのコースに分かれ、それぞれの関係は扇のような関係となる。
リンデンとフンクはランの育種園ビジネスに向かい、ガレオッティはサボテンの育種園ビジネスを立ち上げる。
ギエスブレットは、メキシコに戻りヨーロッパの顧客に植物を収集・栽培して供給するビジネスを展開することになる。
より具体的に説明すると、リンデンとフンクにはランを栽培して供給するビジネス、ガレオッティにはサボテンを収集し供給するビジネスであり、ヨーロッパの植物園・植物愛好家には植物とその標本を収集提供するビジネスである。
この構想は、オリザバ山登頂の時に話し合われたというから面白い。
1840年に彼ら四人はベルギーに戻るが、その後の行動は、回り道をしないで直線的に行動しているので相当な信頼関係が形成されたのだろう。肉体的・精神的に厳しい時を一緒に乗り越えた人たちは、未来を共有できる“仲間”となれる。を地でいっているようだ。
ギエスブレットに関しては、これ以上の目ぼしい情報がない。あるのは彼が収集した植物となる。
ちなみに彼が採取して記録に残っているものを見ると次のようになる。
キュー植物園: 80種(内サルビア3種)
ミズリー植物園:264種(内サルビア12種)
アーノルド樹木園:188種(内サルビア9種)
それにしても、ギエスブレットのセンス、サルビアを見る目は素晴らしい。
ギエスブレットが採取したサルビア
1.Salvia atriplicifolia (受理された学名は、「Salvia cacaliifolia又は、Salvia cacaliaefolia」)

(出典)Wikipedia
「Salvia atriplicifolia」は、1864年10月メキシコ・チャパスの山中でギエスブレットが採取したが、受理された学名は、ベルギーのプラントハンターで盟友のリンデンが同じチャパスで採取した「サルビア・カカリフォリア(Salvia cacaliifolia)又は、(Salvia cacaliaefolia)」となる。
園芸市場への導入は、アイルランド生れの園芸家ロビンソン(Robinson,William 1838-1935)が1933年に英国に持ち込み、米国では、1970年代にサンフランシスコのゴールデンゲートの下にある森林公園ストリビング植物園(Strybing Arboretum)、ロスアンゼルスにあるハンティングトン植物園が導入し、 1980年代の後半には好感度の高い花になったという。
そういえば、ゴールデンゲートの下に植物園があるのは知っていたが、ナパ・ヴァレーでワインを飲むことだけに気を取られてしまったな・・・と反省を。
このロビンソンは、 "野生の庭"と呼ばれる別荘風の小さな庭づくりに革命的な思想を持ち込んだ園芸家及び園芸ジャーナリストであり、1870年にアメリカの園芸家との交流と植物探索の旅に出かけている。この時にメキシコ、オアハカのシェラにも旅をしているので、メキシコの植物を庭に導入することに抵抗感は無かったのだろう。
整然とした幾何学的な庭にはサルビアは導入されにくいが、“野生の庭”という考えが出来たから導入しやすくなったというのには実感がある。
2.Salvia disjuncta

(写真出典)Plannt Delights Nersury
http://www.plantdelights.com/Catalog/Current/Detail/08469.html
「サルビア・ディスユンクタ(Salvia disjuncta)」は、メキシコ、オアハカ及びチアパス州の2300-3400mの比較的高いところの暖かく湿った山中に生息し、ギエスブレットは1864年にチャパスの山中で採取した。
庭への導入は、大分たった1980年代の後半にサンフランシスコのストリビング植物園(Strybing Arboretum)の学芸員が採取し、1993年に育種園などに販売を始めた。
開花期は10月から霜が降りる頃までだが温暖なところでは冬中咲くので貴重な花かもわからない。花色は赤色で花数は少ない。樹高は1.3mで根に近いところは木質化する。
日本ではまだなじみのないサルビアだが、茎、葉、花とバランスが良さそうなサルビアなので欲しい一品でもある。
3.Salvia chiapensis(Chiapas sage)

ギエスブレットは、メキシコ・チアパスの山中で「サルビア・チアペンシス(Salvia chiapensis)」を採取した。時期は良くわからない。
1895年に米国人のネルソン(Nelson, Edward William 1855-1934)も採取しているが、この花が庭に導入されたのは、1981年のカリフォルニア大学植物園バークレーの探検隊がチアパスで採取してからであり、1991年までこの植物園の園長を務めたOrnduff, Robert (1932-2000)がリードした探検隊だったのだろう。彼は、メキシコから「サルビア・メキシカナ‘ライムライト’」の親となる「サルビア・メキシカナ(Salvia mexicana)」を採取している。
「サルビア・チアペンシス(Salvia chiapensis)」は、“チアパスセージ(Chiapas sage)”とも呼ばれるように、チアパスの2100-2900mの霧の多い湿った地域で生息し、草丈50-60㎝で横に広がり、花茎を伸ばしその先に鮮やかな桃色の花を8-11月まで咲かせる。光沢のあるオリーブ色の葉も美しい。
4.Salvia miniata(Belize sage)

出典)Wikipedia
ギエスブレットは、チアパスの森林の中で「サルビア・ミニアタ(Salvia miniata)」を発見採取した。時期はわかっていないが、1846-1870年の間だろう。
この「サルビア・ミニアタ」は、メキシコのチアパスからベリーズ、グアテマラの600mと低く、温暖で霧が多い湿った山腹に生息し、“ベリーズセージ(Belize sage)”とも呼ばれる。開花期は7月から霜が降りるときまでで、燃えるような赤色の花が多数咲く。光沢のある緑色の大きめの葉との組み合わせは素晴らしい。
しかし、何時、誰が庭に持ち込んだか良くわからない。しいて言えば、1990年代の早い時期にサンフランシスコのストリビング植物園(Strybing Arboretum)が導入したようだ。
5.Salvia carnea

(出典)The National Gardening Association
「サルビア・カルネア(Salvia carnea)」は、1864-1870年の間にメキシコのチャパスでギエスブレットが採取した。
これ以前に採取したのがフンボルトとその盟友ボンブランであり、メキシコ滞在の1803-1804年に採取したのだろう。
ガレオッティもこのサルビアを1840年に採取している。ガレオッティはこのサルビアに「サルビア・マーテンシィ(Salvia martensii)」と命名したがこれは学名として受理されなかった。
最初に命名された名前が優先されるというルールがあるので、これを採取したコレクター、或いはプラントハンターに名誉が讃えられることになる。
このような経緯があるが、この「サルビア・カルネア」は、室内庭園のスペースがあったら素晴らしい景観をつくる感じがする。注目したいサルビアだ。
6.Salvia cinnabarina

(出典)cabrillo callege
http://www.cabrillo.edu/academics/horticulture/salvias/html/cinnabarina.html
「サルビア・シンナバリナ(Salvia cinnabarina)」は、鮮やかな朱色の花と緑の葉がとてもエレガントで、まるでパイナップルセージと呼ばれる「サルビア・エレガンス(Salvia elegans)」に似ている。
このサルビアは、ギエスブレットがメキシコのチアパスで1864-1870年の間に採取しているが、それ以前にこのシリーズで登場したガレオッティが最初のコレクターのようであり、リンデン、グレッグ(1849年)も採取している。
種小名のcinnabarina は、ラテン語であざやかな朱色を意味するcinnabarinumから来ている。
まだまだ魅力的なサルビアを採取している。続きを書くかちょっとためらっている。書かない場合を考えてギエスブレットが採取したサルビアを記載しておく。
付録:ギエスブレットが採取したサルビア
(1) Kew植物園に記録されているサルビア
Kew植物園には全部で80種、サルビア属では3種が記録されている。
1.Salvia atriplicifolia Fernald
2.Salvia disjuncta Fernald
3.Salvia ghiesbreghtii Fernald
(2) ミズリー植物園に記録されているサルビア
ミズリーには、全部で246種を採取、サルビア属では12種が記録されている。
4.Salvia cacaliaefolia Benth
Salvia cacaliaefolia Benth.
5.Salvia carnea Kunth
6.Salvia cinnabarina M. Martens & Galeotti
7.Salvia coccinea Buc'hoz ex Etl.
Salvia ghiesbreghtii Fernald
8.Salvia holwayi S.F. Blake
9.Salvia karwinskii Benth.
10Salvia oblongifolia M. Martens & Galeotti
11Salvia recurva Benth.
12Salvia reptans var. reptans Jacq.
13Salvia rubiginosa var. hebephylla Fernald
(3) アーノルド植物園に記録されているサルビア
全部で188種、サルビア属は9種が記録されている。
Salvia atriplicifolia Fernald
14Salvia chiapensis Fernald
Salvia chiapensis Fernald
Salvia disjuncta Fernald
Salvia ghiesbreghtii Fernald
15Salvia miniata Fernald
16Salvia multiramea Fernald
Salvia rubiginosa Bentham var. hebephylla Fernald
17Salvia venosa Fernald
ギエスブレット(Ghiesbreght, Auguste Boniface 1810-1893)は、何とセンスのよいコレクター(プラントハンター)なのだろう!
彼が採取したサルビアを確認していたら欲しいものばかりだ。日本ではまだ馴染みがないものが多く、メキシコのサルビアの多様性に感嘆する。
Who ?? ギエスブレット?
ところで、ギエスブレットだが、彼は、シリーズNo4で取り上げたベルギーのプラントハンター、リンデン((Linden, Jean Jules)のところで、小さく登場していた。だから無視しようかと思ったが、彼が採取したサルビアが無視できないのでとりあげることにした。
それをレビューしてみると次のようになる。
1835年9月25日にリンデン、フンク、ギエスブレットは、ベルギー政府の支援でアントワープからブラジルのリオデジャネイロに向かい12月27日に到着した。
ここで三名は、ブラジルの動植物の収集捕獲と調査をおこない、1837年3月にベルギーに戻る。
1837年9月に二回目の探検として三名はキューバに向かい12月にはバナに到着した。翌年1838年には動植物の捕獲収集と商業情報の収集を目的にメキシコを探検し、この年の8月には、ベルギーのもう一人のプラントハンター、ガレオッティと一緒に四名でメキシコ最高峰のオリザバ山に登頂した。
リンデン、フンク、ギエスブレット、ガレオッティがメキシコで出会ったということがこの先の展開の道筋を創るので覚えておいて欲しい。
リンデンは黄熱病になったので一人残り、フンク、ギエスブレットは、1840年9月にベルギーに戻る。一方、リンデンは、同年12月にベルギーに戻り、先に帰った二人と再会する。
ガレオッティも、1835-1840年のメキシコ探検旅行から1840年に帰国する。
さてここから四名は三つのコースに分かれ、それぞれの関係は扇のような関係となる。
リンデンとフンクはランの育種園ビジネスに向かい、ガレオッティはサボテンの育種園ビジネスを立ち上げる。
ギエスブレットは、メキシコに戻りヨーロッパの顧客に植物を収集・栽培して供給するビジネスを展開することになる。
より具体的に説明すると、リンデンとフンクにはランを栽培して供給するビジネス、ガレオッティにはサボテンを収集し供給するビジネスであり、ヨーロッパの植物園・植物愛好家には植物とその標本を収集提供するビジネスである。
この構想は、オリザバ山登頂の時に話し合われたというから面白い。
1840年に彼ら四人はベルギーに戻るが、その後の行動は、回り道をしないで直線的に行動しているので相当な信頼関係が形成されたのだろう。肉体的・精神的に厳しい時を一緒に乗り越えた人たちは、未来を共有できる“仲間”となれる。を地でいっているようだ。
ギエスブレットに関しては、これ以上の目ぼしい情報がない。あるのは彼が収集した植物となる。
ちなみに彼が採取して記録に残っているものを見ると次のようになる。
キュー植物園: 80種(内サルビア3種)
ミズリー植物園:264種(内サルビア12種)
アーノルド樹木園:188種(内サルビア9種)
それにしても、ギエスブレットのセンス、サルビアを見る目は素晴らしい。
ギエスブレットが採取したサルビア
1.Salvia atriplicifolia (受理された学名は、「Salvia cacaliifolia又は、Salvia cacaliaefolia」)

(出典)Wikipedia
「Salvia atriplicifolia」は、1864年10月メキシコ・チャパスの山中でギエスブレットが採取したが、受理された学名は、ベルギーのプラントハンターで盟友のリンデンが同じチャパスで採取した「サルビア・カカリフォリア(Salvia cacaliifolia)又は、(Salvia cacaliaefolia)」となる。
園芸市場への導入は、アイルランド生れの園芸家ロビンソン(Robinson,William 1838-1935)が1933年に英国に持ち込み、米国では、1970年代にサンフランシスコのゴールデンゲートの下にある森林公園ストリビング植物園(Strybing Arboretum)、ロスアンゼルスにあるハンティングトン植物園が導入し、 1980年代の後半には好感度の高い花になったという。
そういえば、ゴールデンゲートの下に植物園があるのは知っていたが、ナパ・ヴァレーでワインを飲むことだけに気を取られてしまったな・・・と反省を。
このロビンソンは、 "野生の庭"と呼ばれる別荘風の小さな庭づくりに革命的な思想を持ち込んだ園芸家及び園芸ジャーナリストであり、1870年にアメリカの園芸家との交流と植物探索の旅に出かけている。この時にメキシコ、オアハカのシェラにも旅をしているので、メキシコの植物を庭に導入することに抵抗感は無かったのだろう。
整然とした幾何学的な庭にはサルビアは導入されにくいが、“野生の庭”という考えが出来たから導入しやすくなったというのには実感がある。
2.Salvia disjuncta

(写真出典)Plannt Delights Nersury
http://www.plantdelights.com/Catalog/Current/Detail/08469.html
「サルビア・ディスユンクタ(Salvia disjuncta)」は、メキシコ、オアハカ及びチアパス州の2300-3400mの比較的高いところの暖かく湿った山中に生息し、ギエスブレットは1864年にチャパスの山中で採取した。
庭への導入は、大分たった1980年代の後半にサンフランシスコのストリビング植物園(Strybing Arboretum)の学芸員が採取し、1993年に育種園などに販売を始めた。
開花期は10月から霜が降りる頃までだが温暖なところでは冬中咲くので貴重な花かもわからない。花色は赤色で花数は少ない。樹高は1.3mで根に近いところは木質化する。
日本ではまだなじみのないサルビアだが、茎、葉、花とバランスが良さそうなサルビアなので欲しい一品でもある。
3.Salvia chiapensis(Chiapas sage)

ギエスブレットは、メキシコ・チアパスの山中で「サルビア・チアペンシス(Salvia chiapensis)」を採取した。時期は良くわからない。
1895年に米国人のネルソン(Nelson, Edward William 1855-1934)も採取しているが、この花が庭に導入されたのは、1981年のカリフォルニア大学植物園バークレーの探検隊がチアパスで採取してからであり、1991年までこの植物園の園長を務めたOrnduff, Robert (1932-2000)がリードした探検隊だったのだろう。彼は、メキシコから「サルビア・メキシカナ‘ライムライト’」の親となる「サルビア・メキシカナ(Salvia mexicana)」を採取している。
「サルビア・チアペンシス(Salvia chiapensis)」は、“チアパスセージ(Chiapas sage)”とも呼ばれるように、チアパスの2100-2900mの霧の多い湿った地域で生息し、草丈50-60㎝で横に広がり、花茎を伸ばしその先に鮮やかな桃色の花を8-11月まで咲かせる。光沢のあるオリーブ色の葉も美しい。
4.Salvia miniata(Belize sage)

出典)Wikipedia
ギエスブレットは、チアパスの森林の中で「サルビア・ミニアタ(Salvia miniata)」を発見採取した。時期はわかっていないが、1846-1870年の間だろう。
この「サルビア・ミニアタ」は、メキシコのチアパスからベリーズ、グアテマラの600mと低く、温暖で霧が多い湿った山腹に生息し、“ベリーズセージ(Belize sage)”とも呼ばれる。開花期は7月から霜が降りるときまでで、燃えるような赤色の花が多数咲く。光沢のある緑色の大きめの葉との組み合わせは素晴らしい。
しかし、何時、誰が庭に持ち込んだか良くわからない。しいて言えば、1990年代の早い時期にサンフランシスコのストリビング植物園(Strybing Arboretum)が導入したようだ。
5.Salvia carnea

(出典)The National Gardening Association
「サルビア・カルネア(Salvia carnea)」は、1864-1870年の間にメキシコのチャパスでギエスブレットが採取した。
これ以前に採取したのがフンボルトとその盟友ボンブランであり、メキシコ滞在の1803-1804年に採取したのだろう。
ガレオッティもこのサルビアを1840年に採取している。ガレオッティはこのサルビアに「サルビア・マーテンシィ(Salvia martensii)」と命名したがこれは学名として受理されなかった。
最初に命名された名前が優先されるというルールがあるので、これを採取したコレクター、或いはプラントハンターに名誉が讃えられることになる。
このような経緯があるが、この「サルビア・カルネア」は、室内庭園のスペースがあったら素晴らしい景観をつくる感じがする。注目したいサルビアだ。
6.Salvia cinnabarina

(出典)cabrillo callege
http://www.cabrillo.edu/academics/horticulture/salvias/html/cinnabarina.html
「サルビア・シンナバリナ(Salvia cinnabarina)」は、鮮やかな朱色の花と緑の葉がとてもエレガントで、まるでパイナップルセージと呼ばれる「サルビア・エレガンス(Salvia elegans)」に似ている。
このサルビアは、ギエスブレットがメキシコのチアパスで1864-1870年の間に採取しているが、それ以前にこのシリーズで登場したガレオッティが最初のコレクターのようであり、リンデン、グレッグ(1849年)も採取している。
種小名のcinnabarina は、ラテン語であざやかな朱色を意味するcinnabarinumから来ている。
まだまだ魅力的なサルビアを採取している。続きを書くかちょっとためらっている。書かない場合を考えてギエスブレットが採取したサルビアを記載しておく。
付録:ギエスブレットが採取したサルビア
(1) Kew植物園に記録されているサルビア
Kew植物園には全部で80種、サルビア属では3種が記録されている。
1.Salvia atriplicifolia Fernald
2.Salvia disjuncta Fernald
3.Salvia ghiesbreghtii Fernald
(2) ミズリー植物園に記録されているサルビア
ミズリーには、全部で246種を採取、サルビア属では12種が記録されている。
4.Salvia cacaliaefolia Benth
Salvia cacaliaefolia Benth.
5.Salvia carnea Kunth
6.Salvia cinnabarina M. Martens & Galeotti
7.Salvia coccinea Buc'hoz ex Etl.
Salvia ghiesbreghtii Fernald
8.Salvia holwayi S.F. Blake
9.Salvia karwinskii Benth.
10Salvia oblongifolia M. Martens & Galeotti
11Salvia recurva Benth.
12Salvia reptans var. reptans Jacq.
13Salvia rubiginosa var. hebephylla Fernald
(3) アーノルド植物園に記録されているサルビア
全部で188種、サルビア属は9種が記録されている。
Salvia atriplicifolia Fernald
14Salvia chiapensis Fernald
Salvia chiapensis Fernald
Salvia disjuncta Fernald
Salvia ghiesbreghtii Fernald
15Salvia miniata Fernald
16Salvia multiramea Fernald
Salvia rubiginosa Bentham var. hebephylla Fernald
17Salvia venosa Fernald