モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

ラムズイヤー(lamb's ears)の葉と花

2008-05-25 07:09:24 | その他のハーブ

(写真)ラムズイヤーの立ち姿


ラムズイヤーは、羊の耳というだけあって、
銀白色で繊毛に覆われた肉厚の長楕円形の葉に特色があり、
この手触りのよい素材に触ると、誰でもがやさしくなれる感触を伝えてくれる。

コーカサス地方が原産地であり、陽射があり乾燥した冷涼なところがお気に入りで
日本の高温多湿には合わないが、
鉢うえで梅雨の時は屋根のした、暑い夏には木陰など半日陰に移動させると
銀白色の柔らかな質感が目をなごませてくれる。

5月下旬になると、葉の付け根辺りにネックレスのようにぐるりとつぼみがつき
ピンクの口唇型の小さな花がひっそりと咲く。
決してきらびやかではないが、乾燥した岩肌の大地での潤いのような輝きがある。

庭の色彩をコーディネイトする時に欠かせない色合いであり、
葉の色が灰緑黄色の美しいプリムローズヘロン(Primrose Heron)など
園芸品種が結構あるので、庭をコーディネイトする時に検討すると良さそうだ。

(写真) ネックレスのようなラムズイヤーの花


ラムズイヤーの歴史
ラムズイヤーの属名スタキス(Stachys)は、ギリシャ語のStachusからきており、
“穀物の穂(ear of grain)”或いは“穂(a spike)”を意味している。
穂のようにのびる花序に花がつくところから名付けられた。
チョッとわかりにくいが、
穀物でも、ムギなどではなくトウモロコシなどの穂とすると感じがつかめる。

このラムズイヤーは、K.Kochによって1849年に採取され学名が命名されたので、
Lamiaceae Stachys byzantina K.Koch と表示されているが

Karl Heinrich Emil Koch (1809 – 1879)は、
ドイツの植物学者でラムズイヤーの原産地であるコーカサス地域での植物採集で著名で
彼の採集した植物コレクションは残念ながら大部分失ったようだ。

彼は、博物学者&南アメリカの探検でも著名なフンボルトの実兄が1810年に設立した
Friedrich Wilhelms Universitat・現ベルリン大学の教授に1847年からなり
その後、ベルリン植物園、ベルリン園芸協会などで要職をも務めた。

ちなみに
園芸協会は、植物への関心が浸透した1800年代初頭にロンドンから始まった。
その園芸協会を生み出す原動力は、
“コーヒーハウス”に集まった園芸の趣味人だった。
“コーヒーハウス”といえば、フランス革命だけでなく、協会・学会・メディア・保険など
‘近代’を産み出す基地となった。

(写真)ラムズイヤーの葉


ラムズイヤー(lamb's ears)
・シソ科スタキス(和名イヌゴマ)属の耐寒性がある多年草ハーブ。
・学名はStachys byzantina(=S.lanata)。英名Lamb’s ears、和名ワタチョロギ、別名スタキス。
・原産地は、西アジアからコーカサス(イラン、トルコ、アゼルバイジャン、アルメニア)
・草丈は30センチでほふく性があるので横に広がる。
・花は、初夏から秋の赤紫の小花が穂に付く。
・湿気・夏場の直射日光に弱い点を注意。梅雨の時は屋根下に、夏場は風通しの良い半日陰で育てる。
・耐寒性は強いので、霜が当たらないところであれば戸外でもOK。


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