スペイン無敵艦隊の王、フェリペ二世の問題意識
大航海時代のスペイン王の国庫は空っぽ!
医師・植物学者フランシスコ・エルナンデス(Francisco Hernandez:1514-1587)
1567年スペイン国王フェリペ二世(1527-1598)の私的侍医となる。
フェリペ二世は、スペイン最盛期の国王であったが、父親から多額の借金も引継ぎ
王室の国庫はデフォルト(借金踏み倒し)を何度か行い、しのいでいる状況であった。
だから、アメリカ大陸の植民地経営には関心が強く、
新世界の有用植物を貴金属と同じように資産として捉えていた。
特に薬用植物に関しては、高価であり輸入に依存していたので、国庫負担を減らすことでも関心が高かった。
ジャガイモ・サツマイモ・トウモロコシ・チリ唐辛子・カボチャ・トマト・インゲン豆など
新世界の食用植物は、いまではメガ級の世界でも重要な食材となっているが、
これらに関してはあまり関心がなく、タバコを除き利権化することが出来なかった。
プラント・ハンターの元祖、フェリペ二世
1570年 フランシスコ・エルナンデスを植民地全域の薬用植物情報を集める特命に任命した。
コロンブスが新大陸に到着してから78年も経過したが、
この間に、輸入に頼っていた高価な“しょうが(生姜)”を、1530年頃にメキシコにもって行き
植民地での栽培に切り替えることに成功した。
など小さな成果はあるが、フェリペ二世の期待値には届かない。
フェリペ二世の指示は明確で、
・薬草に詳しい全ての人間から情報を収集すること
・薬草など個別の特徴などの内容を得ること
・植物(苗)・種子を得ること
薬用植物をターゲットとしたハンティングそのものであった。
これが、組織的・戦略的な“プラント・ハンター”の始まりでもあり、
新世界の資源・資産を把握・評価する手法の第一歩でもあった。
“しょうが(生姜)”は、いまでは日本食には欠かせない食材となっているが、
インドなどを原産地とした熱帯植物で、この当時は、非常に高価な香辛料であった。
しかも中継貿易を支配していたヴェニス・ポルトガルの商人に利益を搾り取られていた。
この状況を、植民地の薬草を使って変え、既存利権構造の破壊が目的となる。
わき道にそれるが
重商主義時代の国家間の争いには、背後に植民地での植物が絡んでいる。
スペインのタバコ利権を壊すためにイギリス・オランダが挑戦し、
オランダのコーヒー利権を壊すためにイギリスが紅茶を育てかつ争い、
イギリスが確立した紅茶に対しては植民地アメリカが戦った。
など、植民地という新しい経営資源を使った国家間の競争戦略であり、パターン化すると
・原価ゼロの構築(コスト優位性の構築)
・代替物・競争物の構築(競争優位性の構築)
・強権での集権化(選択と経営資源の集中投下)
昨今の企業戦略と同じことを異なるフェーズでおこなっていたことになる。
フェリペ二世は、統治と意思決定に優れたセンスを持った国王のようであった。
書類王とも言われ、晩年に修道院で隠遁するまで、決裁の連続であったという。
新世界メキシコの組織だった動植物の調査研究がなされたのは、フェリペ二世の英明と思う。
大航海時代のスペイン王の国庫は空っぽ!
医師・植物学者フランシスコ・エルナンデス(Francisco Hernandez:1514-1587)
1567年スペイン国王フェリペ二世(1527-1598)の私的侍医となる。
フェリペ二世は、スペイン最盛期の国王であったが、父親から多額の借金も引継ぎ
王室の国庫はデフォルト(借金踏み倒し)を何度か行い、しのいでいる状況であった。
だから、アメリカ大陸の植民地経営には関心が強く、
新世界の有用植物を貴金属と同じように資産として捉えていた。
特に薬用植物に関しては、高価であり輸入に依存していたので、国庫負担を減らすことでも関心が高かった。
ジャガイモ・サツマイモ・トウモロコシ・チリ唐辛子・カボチャ・トマト・インゲン豆など
新世界の食用植物は、いまではメガ級の世界でも重要な食材となっているが、
これらに関してはあまり関心がなく、タバコを除き利権化することが出来なかった。
プラント・ハンターの元祖、フェリペ二世
1570年 フランシスコ・エルナンデスを植民地全域の薬用植物情報を集める特命に任命した。
コロンブスが新大陸に到着してから78年も経過したが、
この間に、輸入に頼っていた高価な“しょうが(生姜)”を、1530年頃にメキシコにもって行き
植民地での栽培に切り替えることに成功した。
など小さな成果はあるが、フェリペ二世の期待値には届かない。
フェリペ二世の指示は明確で、
・薬草に詳しい全ての人間から情報を収集すること
・薬草など個別の特徴などの内容を得ること
・植物(苗)・種子を得ること
薬用植物をターゲットとしたハンティングそのものであった。
これが、組織的・戦略的な“プラント・ハンター”の始まりでもあり、
新世界の資源・資産を把握・評価する手法の第一歩でもあった。
“しょうが(生姜)”は、いまでは日本食には欠かせない食材となっているが、
インドなどを原産地とした熱帯植物で、この当時は、非常に高価な香辛料であった。
しかも中継貿易を支配していたヴェニス・ポルトガルの商人に利益を搾り取られていた。
この状況を、植民地の薬草を使って変え、既存利権構造の破壊が目的となる。
わき道にそれるが
重商主義時代の国家間の争いには、背後に植民地での植物が絡んでいる。
スペインのタバコ利権を壊すためにイギリス・オランダが挑戦し、
オランダのコーヒー利権を壊すためにイギリスが紅茶を育てかつ争い、
イギリスが確立した紅茶に対しては植民地アメリカが戦った。
など、植民地という新しい経営資源を使った国家間の競争戦略であり、パターン化すると
・原価ゼロの構築(コスト優位性の構築)
・代替物・競争物の構築(競争優位性の構築)
・強権での集権化(選択と経営資源の集中投下)
昨今の企業戦略と同じことを異なるフェーズでおこなっていたことになる。
フェリペ二世は、統治と意思決定に優れたセンスを持った国王のようであった。
書類王とも言われ、晩年に修道院で隠遁するまで、決裁の連続であったという。
新世界メキシコの組織だった動植物の調査研究がなされたのは、フェリペ二世の英明と思う。
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