モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

メキシカン・ブッシュセージ‘FerPink’(Salvia leucantha 'FerPink')の花

2016-11-01 18:42:31 | セージ&サルビア
(写真)メキシカンブッシュセージ'FerPink'の花


メキシカンブッシュセージの変異種サルビア・レウカンサ‘フェアピンク(Salvia leucantha 'FerPink')の花は、真っ白なうぶげが生えている萼からピンクの花が咲き、ファンタスティックな情景を作り出している。
濃い緑の細長いゴワゴワとした葉が醸しだす荒々しさに対して、ピンクの花がギャップを創り、他のピンクの花と異なる品の良さがあり、1m前後の大株に育った時の楽しみを感じさせてくれる。

このメキシカンブッシュセージ‘フェアピンク(Salvia leucantha 'Ferpink')は、南アフリカ、リヒテンバーグのIan Smithが同国のサルビアの専門家Jenny Ferreiraのウエリントンにある彼女の庭園で育っているメキシカンブッシュセージの変り種に目をつけ、苗を育てたことからはじまったという。時期的には2003~2004年頃と思われる。

イアン・スミスとジェニー・フェレーラは、このピンクの花を咲かせる変異種には、スミスの娘を記念して“Danielle's Dream”という名前を付け、白い花を咲かせる変異種には“White Mischief”と名付けた。

(写真)Salvia leucantha 'White Mischief'


商標登録の過程で最終的には開発パートナーのJenny Ferreiraの名を生かし、ピンクの花の変異種は'FerPink'、白い花の変異種は'FerWhite'となり、2011年2月に米国で商標をとった。

日本では、この商標に抵触しないように“メキシカンブッシュセージ・フェアリーピンク”とか“メキシカンブッシュセージ・ピンク”と逃げたというよりは海賊版的な表示をしている。
まだ珍しいサルビアのようだが、日本でも速いスピードで普及すると思われる。その先にはきっと商標権のトラブルが待ち受けているのだろうなと思われる。

メキシカンブッシュセージのこと
Salvia leucanthaの栽培品種には素晴らしいものが幾つかある。原種のSalvia leucantha.(leucanthaは“白い”を意味する。)は、1791年にスペインの大植物学者カバニレス(Cavanilles, Antonio José 1745‐1804)によって命名され、赤紫の萼に白い花咲く。

余談だが、このメキシコ原産のサルビアを採取したのは誰かが分からない。カバニレスが1791年に白い花のサルビア(Salvia leucantha)と命名しているので、これ以前にスペインに植物標本を送った者がいなければならない。
1787年~1803年までメキシコの植物相を調べたセッセ&モシーニョ探検隊も、このサルビアを採取しているので彼らが最初の採取者なのかも分からない。

この栽培品種の逸品としてサルビア・レウカンサ‘ミッドナイト’(Salvia leucantha 'Midnight')があり、萼・花とも濃い赤紫色で違いが分かりやすく、この二種を混裁すると秋の庭の中心においてもおかしくない存在となる。

さらに、今回のピンクの花が咲く「Salvia leucantha 'FerPink'」、白い花が咲く「Salvia leucantha 'FerWhite'」など混裁されている庭を想像するとワクワクしてくる。

(写真)メキシカンブッシュセージ'Ferpink'の葉と花


Salvia leucantha 'Ferpink'
・シソ科アキギリ属(サルビア属)の半耐寒性の多年草。
・原種はメキシコ原産のSalvia leucantha Cav.(1791)で、その変種として南アフリカ、リヒテンバーグのIan Smithが作出した。作出の時期は不明確だが、2006年には米国カルフォルニアのSan Marcos Growersがテスト栽培でこの品種を入手しているので2003年頃になるのだろう。
・品種名は、サルビア・レウカンサ‘フェアピンク’(Salvia leucantha 'Ferpink')で2011年に米国で商標特許を取得した。
・草丈は90-120cmで、株張りは60-120cmで、葉は濃い緑色で細長く薬臭いシソ科独特の良い香りがする。
・開花期は秋、9月~11月頃まで。白い産毛のある萼からピンクの花が顔を出す。
・乾燥にはやや強く、日当たりの良い水はけの良い土壌で乾いたらたっぷり水をやる。
・耐寒性があるとは言え、冬場は根本を腐葉土などでマルチングし根を保護する。


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