散歩のついでに・・・

犬も歩けば棒にあたる。デジカメを常に持ち歩き、気ままに撮った写真を中心に思い思いに綴っています。

横浜道と保土ヶ谷道

2008-07-06 20:15:18 | 風景
安政5年(1858)6月の日米通商条約調印によって開国を決めた江戸幕府は翌年6月に神奈川(横浜)の開港を決めたのですが、当時開港を決めた横浜(関内)は東海道筋から向うには保土ヶ谷から井土ケ谷、蒔田を通るか、神奈川からの舟運しかなく、不便な場所であり東海道筋から一直線で横浜(関内)へ抜ける道(よこはま道)を作ったそうです。今は主要道から外れた横浜道、そして保土ヶ谷宿から戸部村までの交通路(保土ヶ谷道)を久しぶりにチャリで散策してきました。

浅間下の交差点の少し横浜駅寄りの小道が横浜道のスタート。
道の入口には横浜道の解説が書かれた看板が立っていますので、横浜道の由来をよく読んで出発。
当時の錦絵にはこの地点から新田間橋、平沼橋が描かれており、現在の横浜駅周辺は入り江だった事が判ります。当時の記録によると、橋の幅は3間(約6メートル弱)で橋材は欄干には杉を、杭には松を使用したそうです。
現在ではしっかりとアスファルトで舗装されており、下を川が流れていますが車で走行する人には橋と判らないかも知れません。
平沼橋も現在では川だけでなく、下にはJR東海道線、横須賀線、相鉄線が通っており高さも大きさも往時を思い浮かべる事が出来ない程、変貌しています。
ただし、本来の横浜道は画像の右下に見える道で、以前は踏切があり線路を渡って行けましたが、開かずの踏切状態であったのと平沼橋の架け替え工事によって利用者用に線路の向うとこちら側にエレベータが設置され、線路によって分断されてしまいました。
解説を信じれば横浜道を歩いて行き次に渡る橋は石崎橋のはずなのですが、何故か敷島橋。
50メートル程上流に石崎橋がありますが、道路整備(埋立?)または河川改修工事などによって微妙にコースが変わってしまっているのでしょうか?
明治期に地図等で確認したいところです。
戸部坂を上り、戸部一丁目交差点のところまで来て、あまりの暑さにここから先更に上って、野毛の切り通しを通って下って行き都橋、吉田橋まで行って再び坂道を上って来るのは危険と判断
ここから保土ヶ谷道へ折り返すことにしました。
足の状態はまだ、大丈夫でしたが道路の照り返しと車の出す熱でかなり体から熱が抜けて行かないような状態。
戸部一丁目交差点から見て保土ヶ谷道は下り。
チャリですので、風を受けながら一気に下って行きました。(空冷式?)
今日のコースで言えば、野毛の切り通し付近がもっとも高い場所で後はほとんど下りになりますので自転車の場合は特に楽なコースとなります。
下った途中にある伊勢バス停手前を左に入り、伊勢町一丁目商店街を走行。
緩やかな坂を上り、くらやみ坂の石碑がある公園で一休み。
公園の水道で顔や腕を充分に冷して、しばし日影で休憩。
この坂は『くらやみ坂(暗闇坂または鞍止坂と書く)といい、安政6年(1859)開港と共に取締上、重要として設けられた関門があったそうです。
また、くらやみ坂脇には牢屋敷が建てられ処刑場も設けられていたそうで、その後牢屋敷は、根岸、笹下へ移転したそうです。
くらやみ坂を下って西前町バス停先の信号を商店街の左の小道に入り突き当たりにあるのが願成寺。
願成寺は法亀山地福院と号し、高野山真言宗の寺院で、本尊は秘仏の延命地蔵尊です。『新編武蔵風土稿』に、開山は元祐(天文七年(1538)此の地に住す)と記されています。寺伝に、『天平年間(729-49)行基がこの地を通りかかった時、渇を覚え水を探していると渓谷より1匹の亀がはい出てきた。路傍を掘ると清水が湧き出てきたので、これを飲用し渇を癒した。これよりこの周辺を法亀山と名付け、草堂を創った。この草堂が願成寺の始まりである。』とあります。また、延命桜と呼ばれた行基の杖が根付いたという桜の古木がありましたが、大正時代に枯れてしまいました。寺の南側にある井戸が、行基の飲んだ清水の湧きだした跡と伝え、延命水と呼ばれています。
墓地には外国人を殺傷して戸部刑場で処刑された清水清次・間宮一(元治元年(1864)に起きた鎌倉事件の加害者)、鳶の小亀(慶応2年(1866)に起きたフランス水兵殺害事件の加害者の墓があります。(願成寺とその周辺より)

お寺の前の坂道は願成寺坂。坂とは反対方向に出て商店街へ。
ここからは銀座商店街、藤棚浦舟通りを渡って藤棚商店街-ニコニコ商店街を抜けて国道一号線(現在の東海道)に出ます。
本来の保土ヶ谷道はここから保土ヶ谷駅方面に進み、杉山神社の前から歩道橋を渡り国道一号線とJRの線路を渡って大門通りの交差点で旧東海道の保土ヶ谷宿に入るのですが、歩道橋が階段だけで自転車を担いで渡るのは辛いので合流地点まで戻り、自転車を押して渡れる歩道橋を使い、国道一号線とJRの線路を越えました。
大門通りの交差点を抜け古東海道と交差する地点で本日の散策ルートは終了。
今回は下調べが不十分だったのと暑さにやられてしまい、神奈川奉行所跡や野毛山入口擁壁、甘酒地蔵(首なし地蔵)などに寄る事ができず、非常に残念!

本日のコース
コメント
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