立春に世間も沸き立つこの2月に、クリスマス映画ってどういう事?
半分いぶかしがり、半分わくわくして、観に行った。
これが、面白かった!
話の筋は、
「腑抜け親父キャラのサンタクロースが、とある大富豪の家にプレゼントを配りに立ち寄ると、なんと家は極悪強盗団に占拠され、家族は人質となっていた!」
そして始まる、バイオレンス・アクション。
そこに至るまでの描写も、既に相当面白い。
R15指定なので子供は見ちゃいけないんですが、よく分かりました。「大人の悪趣味」を理解しないお子様は見たらいけないんですね。(たぶん)
いやー、でもねぇー、何と言うか。
素晴らしい。これは中々出来る芸当ではないのでは。この絶妙なバランスというか、ギトギトの愚痴りに、思わず眉をひそめる「あ、イタタタ」シーンも、その疾走感と笑いで目を離せない。しかもこれが、いい話なんですよ…。(泣)
こんなバカバカしい暴力、わざわざ映画にしなくってもよいんじゃないの?と思う人もいるかもしれないけど、多分仕方ないのだ。
だってそうしなかったら、ただのめっちゃいい話になってしまうから。
だって大人だから…。クリスマスもサンタクロースもこそばゆいから。
サンタクロースの不思議、①袋、②煙突、③その誕生と死なないこと(長生き)。これらへの言及の仕方にもグッと来た。
説教臭くないけどアホくさくもない。グロいけど、愛しさに溢れている。色んなものをブレンドして、「サンタなんて信じてねーよっ」と高らかに宣言する小学生を前に、「ホッホッホッホ」(うちら信じてるんすよ、の意)と笑ってもいいんだ、と思わせる赦しのセンスに脱帽である。
まじグッと来た。グッと来たので、毎年クリスマス・イヴには是非この映画を見て、ゲラゲラ笑い、そして心を垢を洗われたい。
2月公開っていうのも、こうなって来ると、奥ゆかしさという美徳のように感じられてくるのだ。(本国アメリカでは12月公開だそう)
そうそう、主演のデビッド・ハーバーが本当にはまり役で良かったけど、もう二十年前だったら、ブルース・ウィリスがやっていたかもしれないなあ。
あと『ホームアローン』ね。大分痛さ増しだけども(汗)
もう一つ。「クリスマス映画」じゃなくて、「サンタクロース映画」だったね。
『バイオレント・ナイト』、トミー・ウィルコラ監督、2022年、112分、米。原題は、『Violent Night』。デビッド・ハーバー、ジョン・レグイザモ。
※なんと続編製作が決定したそう。これは楽しみ!
サンタの存在を信じていたのは、前列右の二人だけ。↓(うち一人は本人)
「子供なんてみなジャンキー」と嘯きながら、Amazonに負けじとプレゼントを配るリアルサンタ↓(闘いの後)
ちなみに、英エンパイア紙が選んだ「クリスマス映画の中の最高のサンタを演じた俳優10人」の第四位に、デビッド・ハーバーが今作で選ばれています。なんと!
10人はこちら↓(映画.com)
https://eiga.com/news/20221224/13/