其の四で、指示は1つだけと言いました。
「でも、一つだけの指示でもできない子がいる」
「でも、いくつもの指示をしないといけない場合もある」
そんな反論もあるでしょう。
「でも、一つだけの指示でもできない子がいる」
そうです、いるんです。
その子は、聴く力(聴覚)が弱く、見る力(視覚)が優れているのかもしれません。
人は、聴覚優位の人と視覚優位の人がいます。
聴覚優位は耳から聞いて覚えますが、視覚優位は目で見ないと覚えません。
ほとんどの人は、どちらかが優位ですが、その差が激しい子もいます。
先生の指示を全く聞かない子は、聴覚が弱く、視覚が優れているのかもしれません。
だから、視覚にも訴えられるように、大事な指示は、言った後に板書しておきます。
聞き忘れた子も黒板を見れば分かります。
「でも、いくつもの指示をしないといけない場合もある」
その通りです。
その場合は、指示しながら、板書しておくのです。
箇条書きで、番号をつけて、黒板に書いておけば、ワーキングメモリーが少ない子も、黒板を見ればやる事とその順序が分かります。
稀に、黒板を使わずに話だけで授業を進める教師がいます。そのクラスでは、ワーキングメモリーの少ない子や、視覚優位の子たちが落ちこぼれていきます。
言うだけでなく、板書することで、それらの子たちを救うことができるのです。