一昨年の今日。とても暑い日。父の命日。
暑くて暑くてモウロウとした頭で、幻覚であって欲しいと何度も思った。
すぐ近くに父の気配はあったし。匂いも。
私の歌を聴いて、ビールを飲んで、逝ってしまった。
上の空で日が過ぎ、しばらくして空を見上げると
百日紅(サルスベリ)が満開。濃いピンクの花びらが舞っていた。
実家の百日紅はまだ、ぽつぽつ。
代わりに、向日葵が咲いていた。毅然と、ひょうひょうと。
父の祭壇にも、向日葵が。
短い夏の限られた時を生きる、不思議な花。
その姿は太陽のようだが、ぎらぎらしておらず、静かでむしろ涼しげだ。
屈託ない大きな笑顔で、空を見上げ、人を見つめる。
そんな大人に、そんな人間に、私もなりたいよ、パパ。
いつも見ていてくれて、ありがとう。
今日は父と飲みたい気分。