孫の宿題に付き合うと かなり頭の体操になる。
孫君が突然 部屋でぶつぶつ言っている。
かれは 部屋をぐるぐる歩きながら暗記する。
百人一首のときはお相手を仰せつかり私も楽しかった。
さて
谷川俊太郎 生きる
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬がほえるということ
いま地球がまわっているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
(引用 平成27年度版 光村図書 国語6年 創造 谷川 俊太郎)
恥ずかしながら わたしは詩や俳句 短歌 川柳と縁なく過ごしてきた。
ただ 学校の宿題で暗記を余儀無く仰せつかったことには感謝している。
不思議なことに今でもそらんじることができる。
孫君の先生は百人一首しかり多くの暗記を宿題としてくださる。
孫君が詩を理解するのはいつの日かとなろう。けれど その日はくるから。
忘れていいからねと励ましつつ宿題はこなされていく。
こっそり谷川俊太郎について検索をしてみると
その創作意欲に驚かされる。
鉄腕アトムからチャーリーブラウン、スヌーピー。
スイミーの世界は好きだな。
どれもこれも引き込まれる。
というわけで 突然の詩の引用でした。