父とともに生きたのは、17年と7ヶ月余り。
母と生きたのは55年と7ヶ月余り。
その差は38年。
その差はどこまで続くのか想像がつかなかったが、どうやら見えてきた。
父は、52歳でこの世を去った。
この52歳という年齢が自分の中でいつのまにかトラウマになっていた。
なぜかわからないが、この52歳を超えられるのかと勝手に思っていた。
そして、いつのまにか、その歳を追い越してしまった。
父は仕事中の事故であったので、看病をしていない。
朝は元気に出勤していき、夕方には冷たくなって帰ってきた。
そして、母は終焉に向けてゆっくりと私たちに見守られながら逝こうとしている。
神様は、あまりにも突然に父をお召しになった分、母と私たちの間にゆっくりとした時間を与えてくれたのであろう。
毎日、病室をのぞき、耳が遠くなっていく母に向かって高笑いをし、笑っているということを必死でアピールする自分がそこにいる。
日増しに、衰えていく母。
父と生きた時間と母と生きた時間の間隔は広がっているが、その間隔にピリオドを打つ時が確実に近づいているような気がする。