年に一度、生石小学校の4年生が施設見学に来る。
特に、支所のバリアフリートイレを見にくるのである。
普段にも増してトイレ掃除に力がはいる。
そして、子どもたちがやってくる。
まずドアを開けると自動的に電気がつく。
少しだけざわめく。
「君たちはコックを回すのは簡単だけど、回すのが難しい人がいます。
だから、引っ張ったり、押したりの動作で簡単に動かせるようにして
いるんだよ」と説明。
蛇足だが
「今日は君たちが来るというので、おじさんはいつもよりきれいに
掃除しました」という
児童の一人が、
「うん、ピカピカや。苦労したんやね」と労をねぎらってくれる。
一通り見てから、まとめて質問を受け付ける。
人工肛門の洗浄するところのコックに温度調整ができるのはなぜかという質問が出る。
「今はいいけど、寒くなったら、冷たい水で洗うのは大変でしょう。
だから、お湯が出るようになってるんだよ」と説明すると、
「へぇ~」と返ってくる。
最後に私から、
「身体の不自由な人はさまざまです。
バリアフリートイレは、少しでもそういう人たちに便利なようにつくっていますが
百点満点ではありません。
一番のバリアフリーは、困っている人を見たら、君たちがお手伝いすること。
これが一番のバリアフリーです」とお願いした。
大きな声で、
「ありがとうございました!」が
私への最も大きなご褒美でした。