夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

あたしの抽斗

2009-02-09 | poetry

  あたしの抽斗

子どもの頃には抽斗が開けにくかった
引っ張っても、叩いても
怒っても、泣いても
開かない時は開かない
そのくせ母親が引くと難なく開いて
夜中に勝手にすうっと開いたりもした

コツがあるのよね
こうやって抱き起こすみたいに引くの
それでも開かない時は待つしかないのよ
母親はくすくす笑いながら言っていた
あたしはふくれっ面をしていた

最近になってあたしにもコツがわかってきた
ちょっと心を澄ませて引くと
いろんな抽斗が開く
むずかしい本も新しい音楽も
古いアートも見知らぬ人まで
待つことを我慢さえできれば

世界は大きな箪笥みたいだなんて
大人になった証拠とは言えないね




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに…w (ぽけっと)
2009-02-10 14:26:57
最後のまとめ方が子供が詩を書くときにやりそう、と思っちゃいました。
抽斗って漢字、雰囲気ありますね。
いい感じで読み進んでいたんですが、最後の「世界は大きな箪笥」っていうので突然九十九神妖怪のようにそびえる箪笥、というのが見えて笑ってしまいました、ごめんなさい
返信する
うんうん (夢のもつれ)
2009-02-13 17:23:31
いえいえ、そうなんですよ。最後で無茶なところに話をもって行っちゃうところがミソだったりするんですw
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。