5年後のあなたへ
あたしを忘れないで
あたしを思い出して
一日のほんの少しの時間でいいから
朝、通りがかりに目にする
公園のイチョウのように
あなたがあたしを忘れてしまったら
あたしはいない
子どもの頃作った砂のお城のように
始めからなかったのと同じ
あなたがあたしのことを思い出さなければ
あたしは消える
地面にぽっかり空いた穴を見ても
何かあったんだろうって誰も思わないように
ずっとそばにいるのに言えないことがある
腕の中で抱かれていても
肩が震えるのを止められない
残酷なあたしの心があたしに言う
時間の浜辺はすべてを押し流してしまうと