夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ワーキング・プアについて考える

2007-10-10 | monologue
 そんなにマジメにきちんと考えるつもりはありませんし、書いてることもトビトビのいい加減なものです。

 働いても生活ができない、150万円とか200万円の年収なんて悪いけど、信じられません。時給千円で1日8千円、1か月25日働いて20万円、それでも240万円になりますね。まあ、病気とか失職とかいろいろあるんでしょうけど。そんなやつは怠けてただけで自業自得だって言っちゃうと話は終わるんで、世の中のせいだってことにしときますか。で、世の中どうしますか?革命でも起こしますか?何十年か前なら「彼らこそが国家独占資本主義に鉄槌を下すプロレタリアート革命の尖兵だ!」ってことじゃないかな。でも、残念ながらそんなカッコいい啖呵を切ってくれる人は絶滅しちゃったみたいです。ワーキングプアの当事者と支援者の意見って、労働基準法だの最低賃金制度だのを企業が守り、それを役所は監督しろって要求みたいです。うじうじしてるなって思いますね。おまけに社会全体がこの新しい貧困問題を考えるべきだって言ってるみたいです。マルクスが聞いたらせせら笑うでしょう。そんな階級論を無視した社会改良主義は完膚なきまでに論破したって。

 でも、ホントに残念ながらマルクスの系譜を引く社会主義国家はなーんにもうまくいかない、人間に不幸をもたらすだけの体制ってことで破産宣告を受けてしまいました。で、欧米諸国と日本は戦後、社会改良主義の子孫の雇用創出策と福祉施策を組み合わせたようなことでやって来ました。ところがどっちも「社会」って言葉がつくのに社会の自律性よりも国家によるコントロールを重視してるんですね。つまり社会主義も社会改良主義も皮肉にも国家を大きくしちゃう結果になりました。ヘーゲルが聞いたら言わんこっちゃないって嘲笑するでしょう。現実を見ないから理想に裏切られるんだって。

 で、それがかえって過剰な規制と国家財政の肥大や租税の負担を招いてるってことで、小さな政府ってことが言われ、その規制緩和や財政出動の遅れがバブル崩壊後の不景気を長引かせたし、ワーキングプアも産まれたって言われてますね。つまりワーキングプアに同情的な議論はこういう意味からも大きな政府がいいってことです。……こんなこと言うと国の必要な機能は充実し、不要なものは廃止して、全体としてスリムにすればいいんだっていう人が多いでしょう。でもそんな二股膏薬ができるなんて思う人は、政党のマニフェストとかラクしてやせれるダイエットとかも信用しちゃうんでしょう。

 それはそれとして、ワーキングプアは就職氷河期の産物の一過性の問題か、非正規雇用が増えたことに伴う恒常的な問題かどっちなのってこともあります。今のように大学新卒者が引く手あまたの状況が続くとすると前者の方が優勢になるでしょう。で、長期的に見れば若年労働者は移民を受け入れない限り、不足するはずですからワーキングプアの問題は次第に減衰するっていうのが理性的な判断です。でも、それじゃあつまんないな、なんかやってくれないかなって感情的には期待してるんですけどね。物騒なこと言うなって言われそうですけど、本当に物騒なのは思想であって、じゅくじゅくしたモノ欲しげな不満なんかであるものかとタカをくくっていますから。


*************

なんかいろんなものがあるサイトです。

なんかいろいろしゃべります。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
言われてみれば (夢のもつれ)
2007-10-15 00:02:34
これは即興曲みたいな感じで書きました。別のテーマでも元気があればやるかもしれませんw。

本当の意味での社会分析はともかくとして、世の中のほとんどの無駄口にはマルクスの切り口とヘーゲルの意地悪さとニーチェのはったりがあれば十分だという気はしますね。
返信する
難しかったけど… (ぽけっと)
2007-10-14 21:55:05
今回はワーキング・プアから見たわけでしょうが、何かしらの問題を考えるときに、思想的なアプローチでの発言が忘れられた時代なんだ、とつくづく思いました。
今の日本、何となく元気のない感じがするのは、そういうとこにもあるかも知れませんね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。