夢のもつれ

なんとなく考えたことを生の全般ともつれさせながら、書いていこうと思います。

ニカウさんから小泉文夫への旅

2016-10-24 | music

 先週の水曜日の10/19に知人と人間とコンピュータと動物のことをしゃべっていて、かつて人気のあったニカウさんが出演したブッシュマン、今は大人の事情でコイサンマンという映画を勧められました。その経緯から説明しましょう。ぼくは人間を知るのにはコンピュータと動物の両方から漸近するのがいいって日頃思っていることをしゃべって、それはコンピュータやAIはすべてプログラムで動いているんだから、数字や記号といった言葉だけで機能しているわけだし、それがどのように振る舞うかも、学習していろんなことをするのかもすべてダウンロードできないはずはないから、言葉だけで説明も記述も可能ということだけれど、動物の行動が言葉ですべて説明や記述可能とも思えないし、彼らが本能というプログラムに従っているだけだとしても、それが広い意味でも言葉で書かれているかどうかについては、ブラックボックスとしてIN/OUTだけで見ているのが今の動物学のレベルだろうから、鳥の本能をDLできる見込みは当分ないし、人間についても脳科学の現在のレベルも大同小異だろう、だから動物からも漸近しないとわからないんじゃないのかといったことでした。

 知人との会話は自然と進化論的な話になって、ヒトとチンパンジーやオランウータンのような高度なサルとの違いはほんのちょっとで、メガネザルと類人猿との差分の方がずっと大きい、だのにヒトは地球上で際立った存在なのは道具と言葉を駆使しているからだという話は彼から以前に聞いていたんですが、じゃあ人間はなぜしゃべれるようになったのかと言えば類人猿たちと違ってそういう口腔構造を持っているからだというトートロジーっぽい説明になるわけですが、たまたまそういう骨や軟骨を持った生物が生まれたから言葉ができたのか、その逆にしゃべりたいとか、しゃべる必要があるからそういう仕掛けを持つようになったのかとぼくが訊いたら、そりゃ後者なんでしょと彼が言うのにびっくりしました。なぜなら、それは高いところの葉っぱを食べたいからキリンの首は長くなったというラマルク的な説明に聞こえたからです。彼は、そうじゃないんですけどねぇと苦笑するので、いやそりゃ超長い年月を掛けて過酷な自然環境の中で、あまたの突然変異と自然選択によってというダーヴィニズムの説明はわかってますけど、若い頃にケストラーのホロン革命に魅せられた影響が今も残っているのか、そういう材木を投げてたらたまたま家ができましたみたいな説明はなんか納得できないんですよと言ったんです。

 話の流れで言語の多様性の話になって、アフリカのサン族は舌打ち音を多用すると聞いて、それはおもしろいと言ったので、ニカウさんの映画を紹介してもらったわけですが、どんな映画ですかと訊いたら、ネタバレになっちゃうけど、飛行機から落ちてきたコーラの瓶をに返しに地の果ての深い谷に行く話ですと教えてくれたので、それは意味深ですねー、だって旧約聖書の詩篇のたとえ死の陰の谷を歩むともとか、風の谷のナウシカとか、深い谷には広い海とともにそこから来てそこへ帰るイメージがありますからねって答えたんです。

 で、ネットでレンタルして一昨日の土曜日に見ました。いやー、舌打ち音がいっぱい聴けたし、いい映画ですねってことですが、特典映像のその後のニカウさんへのインタビューを見るとやっぱり楽園ってないよねとか、どんどん文明化するサン族の子どもたちの表情がいいなとかいろいろ感じるものがあって、彼が狩りに行ってまま結核のせいで人知れず死んだといったエピソードがとてもサン族の人らしいと思ったのです。

 でも、ぼくがいちばん感動したのはエンディングとかで流れてたアフリカの音楽で、これ!これだぜー!って思ったんです。ポールサイモンを通してぐらいしか知らなかったんですが、あの浮遊するリズムはずっと気になっていました。そこでiTunesからアフリカとインドの音楽をいくつか見つけて聴いていますし、今もアフリカクラブのDjembeを流しています。



 これらを聴くと日本人のリズム感と段違いのいい感じのリズムにノリノリになります。和太鼓を5分も聞けないのはぼくせいじゃないって確信しますし、もっと聞きたくなって自然と小泉文夫を思い出します。



 ところが彼の残した貴重な音源をすべて聴きたくても国会図書館のような極めて利用しにくい所にしかないなど、むずかしいことがわかりました。音楽が本当に好きなら聴きたくならないのかな? 不良債権ってかつてのだめで言われたように音楽家って好きでなるものだし、ポップスでさえ付加価値なしには食えなくて、クラシック音楽の新曲なんて10年も経てばないも同然になるものしかほとんどないし、日本だとずっと昔の遺産を大した工夫もなく演奏してるだけのくせに勿体ぶって威張っている連中が多いんだから、聴けよ!買えよ!アマゾンの谷にコーラの瓶を投げろよ!って憤慨してしまいました。





























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