シューマートを後にし、何台ものジプニーを抜いて『セブ島のビバリーヒルズ』を通る。 ここは住民(えげつないほどの金持ち)と許可証を持った観光車しか通れないそうだ。 4.5m程の塀で囲まれている住宅ばかりで、塀の上には割ったビンのかけらが光っていた。 この防犯の為のビンを割る専門の職人がいるそうだ。
道教寺院に着き、集合写真を撮影後一旦解散。各自自由に見学したが、僕は一つも見れませんでした。 ガイドの千葉さんが『寺島さんそれG9だよね。 G10を買おうと思っているんだけど、少しいじっても良い?』 と来たので、お貸しした。 2人でカメラの話しをしていると集合時間になってしまった。
駐車場まで渋々移動すると大勢のセブアノっ子に囲まれた。 話しを聞くと地元学生で日本語の実地研修の為、観光地に来る日本人に片っ端から話しかけているのだそうで、とても陽気な学生さん達だった。
寺院のあとは山を下り、暗くなった街を走る。 市の中心地に突如姿を現したサントニーニョ教会。 僕らも献灯をする。 宗教が違えど、何だか心が洗われる気がした。
教会を抜けるとマジェランクロス。 マゼランが、1521年フィリピン初のキリスト教徒誕生を記念して建てた巨大な十字架だ。 いつの間にやら『この十字架万病に効くらしいよ』 と言う噂が広まり、触ったり削って持って帰ったりで、今あるものはレプリカだそうです。 まるで 『善光寺のおびんずるさん(正式には賓度羅跋囉惰闍さんと言うそうだ)』 みたいだな。
車に乗り込もうとすると6歳くらいの少年が近づいてきた。 物売りかと思ったが手には何も持っていない。 直後『マネー!マネー!!』 を連発された。 やはり一瞬息子のことが頭をよぎってしまう。 写真を撮ろうとカメラを構えるとガイドのMrボンから 『モデル料をよこせとたかられますよ』 と制止された。 これが現実なんだな。 千葉さんがビサヤ語で何か怒鳴ると少年は逃げていってしまった。 セブ島の失業率は30%。 しかし計算はあくまでも住民登録者(納税者)のみで算出しているそうなので、全人口で計算すると失業率は60%を越すらしい。 道沿いの雑貨屋のほとんどは不法占拠で、勝手に小屋を建てて勝手に商売をしているのだそうだ。 そう、これが現実なんだよな、やはり。 日本の格差とは一体何なのだろう。 働く機会すら無い失業者と、たとえどんな仕事だろうと、仕事があるのに働かず不満を言う、義務を果たさず権利のみ主張する失業者。 僕の様な恵まれたサラリーマンが言えることでは無いかもしれないが。
かつて『ジャパ行きさん』 と言う言葉があったが、現在は『ドバ行きさん(ドバイ)』なのだそうだ。 ちなみにガイドのMrボンは、元恋人が現在日本でとある企業の社長さんの愛人をしている、と笑いながら言っていた。 勿論一同笑えなかったけど ・ ・ ・
かつて日本軍も使用していたサンペドロ要塞を見学。 明日はここで結婚式が行われるそうで何人ものスタッフが準備をしていた。
ここからマクタン島に移動し、一路マゼラン記念碑へと向かった。 道中面白い話を聞いた。 サンペドロ要塞の近くに地下鉄の工事現場があるそうだ。 セブ市民一同 『誰が利用するんだ、こんな物』 と疑問に思っているセブ島縦断の鉄道らしい。 しかしその工事が現在おかしいのだそうだ。 当初の図面と全然違う方向に、しかもかなり出たら目に掘っているらしい。 『山下将軍の財宝の一部が出た』 と言う噂が流れてから(事実何か出たそうだ、財宝かどうかは??)どうやら現場は地下鉄工事 ⇒ ゴールドラッシュ に変わってしまったらしい。
一体地下鉄はどうなるのでしょう ・ ・ ・