チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

ベルギー滞在記(1):国際新約聖書学会2012@ルーヴェン

2012年08月06日 23時39分49秒 | Weblog
7月30日(月)から8月4日(土)まで、国際新約聖書学会第67回大会参加のため、ベルギーはルーヴェンまで出かけてきました。会場は、ルーヴェン・カトリック大学。ルーヴェンでの開催は3度目とのことです。

会場入口の掲示です。


国際新約聖書学会(Studiorum Novi Testamenti Societas = SNTS)は、1000人を超える会員を擁する、新約聖書研究の学会としては世界最大級の集まりです。北米の聖書文学学会(Society of Biblical Literature = SBL)の方が規模は大きいかもしれませんが、SNTSは教授クラスの研究者のみが集まる学会なのが特徴です。実際、SNTSの会場にいると、研究書や注解書で名前を見たことがあるという学者に何人も出会います。日本からの会員は目下13名。ちょっと寂しいので(私が参加するときは、なぜか日本からは自分一人)、もっと増えて欲しいところです。

この学会では、もちろん研究発表やセミナーが行われるのですが、社交の場という意味合いも強いようで、食事やお茶の時間が長く取ってありますし、夜にはクラシックのリサイタルがあったり、延々と続く夕食会があったりします。夫婦や家族連れで参加する学者も珍しくなく、実際、同伴者用プログラム(街の見学や遠足など)が別に用意されているほどです。学会は、毎年開催地が変わるので(昨年はニューヨーク、一昨年はベルリン。ちなみに来年はオーストラリアのパース)、レギュラーメンバーの家族も多いようです。

毎年、250~300名ほどの参加者があるこの学会、今回はこのくらいでした。



キャンパスの様子:


学会は、月曜と火曜の日中に各種委員会が開かれ(学会の中央委員会、東欧との連絡委員会など)、火曜夕方の総会(1)で幕を開けます。その日はレセプションで終わりますが、水曜から金曜までは、会長講演に続いて、学会が指名した研究者による発表(Main Paper)が4本、申し込み制の研究発表が(今回は)14本(3回に分け、並行して行われます)、そして16テーマ別のセミナーが3回と盛りだくさんです。その合間にも委員会が開かれるので、なかなかハードスケジュールになっています。私は現在、中央委員会(英語では Committee としか言わないのですが、なぜかこう和訳されています)のアジア枠選出委員、そして学会誌 New Testament Studies の編集委員にもならされているので、まるで委員会の会議に出るために来たみたいな感じでした。実際、会議に出ないといけないから半ば無理矢理来た、という感がなくもありません。それでも、留学時代以来の古い友人や元指導教授、新しく SNTS で知り合った研究者に再会するのは楽しみですが。また、新しい知り合いも増えますし。今回は特に、アフリカからの研究者、そしてお隣り韓国の新約学者と仲良くなりました。

会長講演や Main Paper が読まれる講堂はこんな風景です。


昼食と喫茶は、キャンパス内の食堂 "ALMA" で毎日提供されていました。食べていたのは、


こんな感じのものですが、毎日食べているとさすがに胃が疲れてきます。

宿泊は、大学が普段は学生寮に使っている(らしい)宿舎を利用。街中のホテルも割引料金で泊まれるのですが、それでも大学宿舎の方がずっと割安です。

入口:


部屋は簡素で、ネット環境もありませんが、十分くつろげます。かえって、読書や睡眠の時間がたっぷりとれました。


面白かったのは、部屋の窓に網戸がついていたことです。ヨーロッパで初めて見たような気がします。しかしこの網戸、窓を引いて開けた後に、いちいち枠にはめこまないといけないという代物でした。毎日だったら面倒くさいかも。


窓から見えた景色です。古い町並みが風情を感じさせてくれました。ああヨーロッパに来たんだな、と。


学会のプログラムは盛りだくさんですが、それでもその合間を縫って、街中の教会を見学に行きました。学会そのものについては、いずれ日本新約学会発行の『新約学研究』に報告を書くと思うので、次回はルーヴェンの街で見た教会堂などをお見せすることにしましょう。(続く)



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