チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

【宣伝】『新約本文学演習』(蛭沼寿雄著作選集1)刊行

2011年07月31日 13時43分24秒 | Weblog
恩師・蛭沼寿雄先生(関西学院大学名誉教授)の遺稿を整理して、『新約本文のパピルス』第3巻を発行したのは去年の11月のことでした。その延長線上の仕事として今回始まったのが、「蛭沼寿雄著作選集」全3巻の出版です。

このたびその第1巻が刊行のはこびとなりました。

『新約本文学演習』マルコ福音書・マタイ福音書
(蛭沼寿雄著作選集第1巻)

2011年7月30日、新教出版社より発行。定価4200円+税

蛭沼先生の御業績は、新約本文学と言語学の双方にわたる膨大なものですが、そのうちから新約本文学に関する書籍で、今日なお広く読まれるべきだけれども入手が困難と思われるものを3巻にまとめて収録しています。

第1巻 新約本文学演習マルコ・マタイ  解題=辻 学
第2巻 新約本文学演習ルカ I、ギリシア語新約語法  解題=嶺重 淑、山本伸也
第3巻 新約本文学史  解題=前川 裕

詳しくは新教出版社のウェブサイトをぜひご覧下さい(上の写真はウェブサイトから拝借しました)。

『新約本文学演習』は、少なからぬ部分で相違した本文を提供している数々の写本を比較して、より古い本文の「読み」を推定していく作業を実際に示してくれる、日本では類書が見当たらない貴重な労作です。第1巻にはマルコ福音書とマタイ福音書を扱った2冊を収録しました。

オリジナルはペーパ―バックの簡易装丁でしたが、今回は新教出版社さんのご配慮で、ハードカバーの立派な本に仕上がっています。この業績にふさわしい形式となったことを感謝しています。中身の重厚さと、600頁近い分厚さを考えれば、定価4200円は安いと思います。

聖書の本文を私たちが手にするまでに、どれだけの大変な作業が背後でなされているかを知る意味でも重要な労作です。ぜひ手に取ってご覧下さい。大変僭越ながら、この本の意義の大きさをわかっていただきたい一心で「解題」を書かせていただいていますので、併せてお読み戴ければ幸いです。

蛭沼先生の本の編集は、やればやるほど先生の凄さが改めてわかる、そんな心境にさせてくれる仕事です。そして、天国から「あなたもしっかりやりなさいよ」と声をかけられているような気持ちになってきます。

著作選集刊行の仕事を共に担って下さっている刊行委員会の皆さん、『新約本文のパピルス』の時以来、温かくこの事業を支えて下さってきた関西学院学院史編纂室の方々、そして先生のご遺族の皆様に心よりお礼申し上げます。第2巻、第3巻もすぐに続きます。

牧師就任式@東広島教会に参加

2011年07月10日 21時55分18秒 | Weblog
広島大学から一番近い、日本キリスト教団の教会といえば東広島教会。通勤で乗降するJR西条駅近くとはいえ、大学とは反対側にあるため、なかなかお邪魔する機会がありませんでした。が、この4月から、旧知の仲である相浦めぐみ先生が牧師として赴任されたので、これは近々に訪れねばと思っていたところ、7月10日(日)の午後から相浦先生の就任式が執り行われるというので、夫婦で出かけてきました。

教会の場所はこちら。駅からはそんなに遠くないのですが、バスの路線からは外れているため、自転車やバイク(もちろん、あれば自家用車)の利用が便利です。



開始は14時半からだったのですが、14時と思い込んで早く着いてしまったため、



礼拝堂はがらがら。

ようやく14時を過ぎて、あちらこちらの教会から参列の方々が集まってきました。始まるときには、小さな礼拝堂に人がぎっしり。



この日は超快晴で、外にいたら熱射病になりそうなくらいの日射しでしたが、それにしても礼拝堂の中が暑いと思ったら……

エアコンの設定が「暖房」に。生暖かい空気(しかし気温よりは低い設定だったので、冷気といえば冷気)がエアコンからブーッと吹き出していたわけです。式が始まる前に幸い気づいたので、慌てて冷房にしましたが、どうやら反対側の壁についているエアコンも、オレンジ色の光がついているところを見ると……暖房になっているのかも。エアコンの下で一生懸命うちわで扇いでいる人たちがいることからして、その可能性大でしたが、リモコンがどこにあるのかがわからない。

式には、広島・山口の諸教会からたくさんの参列者が。加えて、相浦先生(と私)の母校、関西学院大学神学部の関係者も。神学部からは中道基夫先生が遠路はるばるお祝いに来られました。

普段から仲良くしていただいている西中国教区の牧師先生方の他、神学部の学生時代から親しくお付き合いいただいている中道先生ご夫妻や、相浦先生のご家族に会えて感激。他にも実に懐かしいお顔に次々に会えて、大変楽しいひとときでした。

相浦先生は、新潟の敬和学園高校に務めておられた経験をお持ちですから、若い人たちの気持ちも非常によくわかって下さることでしょう。大学近くの教会にぴったりの牧師さんです。広島大学の学生さんが一人でも多く礼拝に参加してくれるようになることを願っています。国立大学のことゆえ、学内ではあまり露骨に宣伝も出来ませんが、何らかの形で教会のお役に立てればと思います。