ドイツの有名な新約聖書学者、ゲルト・タイセン(Gerd Theissen)氏(ハイデルベルク大学名誉教授)が9月に来日し、福岡・大阪・東京で計5回の講演を行います。
タイセンといえば、『イエス運動の社会学』(邦訳ヨルダン社、1981年)や『イエスの影を追って』(邦訳ヨルダン社、1989年)、『パウロ神学の心理学的側面』(邦訳教文館、1990年)など、邦訳された著書も数多く、日本のキリスト教界でもよく知られた新約聖書学者です。「文学社会学」や「イエス運動」といった、聖書研究に携わっていれば必ず耳にする用語は、タイセン氏の影響によるものです。
以下は、一連の講演会を主催・後援する日本新約学会から発表されているスケジュールです。
ゲルト・タイセン教授来日講演スケジュール
9月9日(木)13:30~15:30
演題:「史的イエスとケーリュグマ ─ 学問的構成と信仰への道」
会場:西南コミュニティーセンター・ホール
〒814-8511 福岡市早良区西新6-2-92
主催:西南学院大学学術研究所
共催:西南学院大学神学部
入場無料・英語(日本語通訳:須藤伊知郎)
9月10日(金)11:00~13:00
演題:「教派を超える教会政治家パウロ ─ その成功と失敗」
会場:西南コミュニティーセンター・ホール
主催:日本新約学会(第50回学術大会記念講演)
聴講料:500円・ドイツ語(日本語通訳:大貫 隆)
9月13日(月)19:00~21:00
演題:「史的イエスとケーリュグマ ─ 学問的構成と信仰への道」
会場:日本基督教団東梅田教会
〒530-0055 大阪市北区野崎町9番6号
主催:関西学院大学神学部、同志社大学神学部、
関西学院大学キリスト教と文化研究センター
後援:日本新約学会
入場無料・英語(日本語通訳:辻 学)
9月17日(金)14:30~17:00
演題:「律法信仰から選びの確信へ ─ ローマ書に照らしたパウロの神学的発展」
会場:立教大学
主催:日本基督教学会(第58回学術大会)
後援:日本新約学会
ドイツ語(日本語翻訳配布:辻 学)
9月20日(月)13 :30~16 :00
演題:「イエスは実在したか ─ イエスの歴史性に有利となる論拠」
会場:フェニックスプラザ3F
〒104-8139 東京都中央区銀座3-9-11紙パルプ会館内
主催:日本聖書学研究所
協賛:教文館・新教出版社・日本聖書協会・日本キリスト教団出版局・日本キリスト
教文化協会
入場料:1000円・英語(日本語翻訳配布:吉田 新)
聴講希望者は、教文館/Tel:033561-8448/Fax:03-3563-1288;
Eメール:xbooks(atmark)kyobunkwan.co.jpに申し込むこと(先着150名)
講師:ゲルト・タイセン(ハイデルベルク大学名誉教授、新約学)
1943年生まれ、1968年神学博士、1972年教授資格取得、1973-78年ボン大学私講師、1978-80年コペンハーゲン大学教授、1980年よりハイデルベルク大学教授、現在同名誉教授
タイセン教授のウェブサイト(ハイデルベルク大学のもの。ドイツ語)は
こちら。
「史的な問いによって私たちは史的現実と触れ合うことを期待し、
神学的な問いによって神と触れ合うことを期待します。神学の大
きな問題の一つは、どのようにしてこの現実に対する史的な接近
の道から神学的な接近の道への移行が可能となるのか、というこ
とです。自由主義神学は一方的に、革新されたキリスト教信仰の
根拠としての史的イエスを追求しました。その後継者である実存
論的なケーリュグマ神学は一方的に、ケーリュグマを信仰の根拠
に高めました。しかし、両者は密接に関連しているのです。」
(福岡、大阪講演要旨)
多くの方々がいずれかの講演にご来聴いただけますよう、お待ちしています。