広島のキリスト教書店「広島聖文舎」が毎月発行している「広島聖文舎便り」にお薦め本の短い紹介文を書いていることは、以前にこのブログでも述べた通りです。
原稿は月末に送信するのですが、油断していると、すぐに締切がやってきます。短い文章なのですが、それでも毎月となると気が抜けません。気がついたら今日が締切、なんてことも。
4月は、学期初めで慌ただしい上、ゴールデンウィークにばかり気を取られていました。気がつけばもう月末。5月号にどの本を紹介するかは、予め心づもりがあったのですが、手違いで本を手に入れるのが間に合わない事態が。
そこで、3月に教文館から出された、『ギリシア語新約聖書釈義事典』全3巻縮刷版を紹介しようと考えたのです。これは、ギリシア語聖書に出てくる単語について、その背景や用例を紹介しつつ解説するという、便利な事典です。この種の調べ物には、いわゆるキッテル(『新約聖書神学辞典』ThWNT)を使うのが常道なのですが、『釈義事典』の方は新しい考察も加わっており、併せて参照することが多いですし、専門的な分析でなければ、『釈義事典』だけで済ますことも可能でしょう。教会での聖書研究準備などには役立つと思います。
ただ問題は値段です。最初にこの事典が翻訳出版された時は、3巻揃いで12万円以上したと記憶しています。昔の牧師さんは勉強家が多かったので、以前ならきっと購入する人も少なくなかったことでしょう(私の父も牧師ですが、まだ若い頃に上記のキッテル、ドイツ語版全9巻を、財布をはたいて買っています。今の12万円では効かない額だったと思うのですが、おかげで私が今どれだけ助かっているか!)。
それが今回、半値の6万8040円(税込み)で販売されています。過去の経緯を考えれば、確かに破格値です。しかしほぼ7万円。これを「お薦め」にできるかどうか……。
ちなみにこの『釈義事典』、原著はドイツ語ですが、ドイツ語版を買えばずっと安くで済みます。
Kohlhammer社のカタログによれば、29.90ユーロ。4000円強といったところでしょうか。英訳版もあり、こちらは Eerdman社のウェブサイトを見ると、3巻合わせて225.50ドル。2万7000円くらいです。(英訳版はもっと安く売っているサイトがあるかもしれません。)
自分は、ドイツ語版を留学時代にベルンの本屋で買いました。その時も5000円くらいだったと記憶しています。日本語版は、研究費をもらう身分になってからようやく、他のほしい本を我慢して手に入れることができました。
翻訳ものが高くなるのはある程度やむを得ないことですし、キリスト教書は発行部数も少ないので、安くで販売するのは至難の業です。ですから、この日本語版を悪く言うつもりは毛頭ありません。日本語訳を出してくれた教文館には感謝したいくらいです。しかし、やはり高価なことも事実でしょう。少なくとも、「広島聖文舎便り」の読者にこれを買うよう勧めるのは躊躇してしまうくらいには。便利な事典です。けれど、7万円出して買うのは勇気が要ります。
さんざん考えた末、5月号には別の本を取り上げることにしました。しかしこの事典も、手に入れたい1冊、いや3冊ではあります。
原稿は月末に送信するのですが、油断していると、すぐに締切がやってきます。短い文章なのですが、それでも毎月となると気が抜けません。気がついたら今日が締切、なんてことも。
4月は、学期初めで慌ただしい上、ゴールデンウィークにばかり気を取られていました。気がつけばもう月末。5月号にどの本を紹介するかは、予め心づもりがあったのですが、手違いで本を手に入れるのが間に合わない事態が。
そこで、3月に教文館から出された、『ギリシア語新約聖書釈義事典』全3巻縮刷版を紹介しようと考えたのです。これは、ギリシア語聖書に出てくる単語について、その背景や用例を紹介しつつ解説するという、便利な事典です。この種の調べ物には、いわゆるキッテル(『新約聖書神学辞典』ThWNT)を使うのが常道なのですが、『釈義事典』の方は新しい考察も加わっており、併せて参照することが多いですし、専門的な分析でなければ、『釈義事典』だけで済ますことも可能でしょう。教会での聖書研究準備などには役立つと思います。
ただ問題は値段です。最初にこの事典が翻訳出版された時は、3巻揃いで12万円以上したと記憶しています。昔の牧師さんは勉強家が多かったので、以前ならきっと購入する人も少なくなかったことでしょう(私の父も牧師ですが、まだ若い頃に上記のキッテル、ドイツ語版全9巻を、財布をはたいて買っています。今の12万円では効かない額だったと思うのですが、おかげで私が今どれだけ助かっているか!)。
それが今回、半値の6万8040円(税込み)で販売されています。過去の経緯を考えれば、確かに破格値です。しかしほぼ7万円。これを「お薦め」にできるかどうか……。
ちなみにこの『釈義事典』、原著はドイツ語ですが、ドイツ語版を買えばずっと安くで済みます。
Kohlhammer社のカタログによれば、29.90ユーロ。4000円強といったところでしょうか。英訳版もあり、こちらは Eerdman社のウェブサイトを見ると、3巻合わせて225.50ドル。2万7000円くらいです。(英訳版はもっと安く売っているサイトがあるかもしれません。)
自分は、ドイツ語版を留学時代にベルンの本屋で買いました。その時も5000円くらいだったと記憶しています。日本語版は、研究費をもらう身分になってからようやく、他のほしい本を我慢して手に入れることができました。
翻訳ものが高くなるのはある程度やむを得ないことですし、キリスト教書は発行部数も少ないので、安くで販売するのは至難の業です。ですから、この日本語版を悪く言うつもりは毛頭ありません。日本語訳を出してくれた教文館には感謝したいくらいです。しかし、やはり高価なことも事実でしょう。少なくとも、「広島聖文舎便り」の読者にこれを買うよう勧めるのは躊躇してしまうくらいには。便利な事典です。けれど、7万円出して買うのは勇気が要ります。
さんざん考えた末、5月号には別の本を取り上げることにしました。しかしこの事典も、手に入れたい1冊、いや3冊ではあります。
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