月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

一言大事

2010年09月20日 19時46分24秒 | 仏々相念(住職日記)
あいさつに添える・・・

今日の愛媛新聞の投稿でした。
50歳の女性ですが、ご主人の転勤で住み慣れた松山より宇和島に転居されたとのこと。
今では松山~宇和島は通勤圏、近いと言えども誰も知らない土地に赴く勇気は並大抵ではないでしょう。
しかもこの方、私と同じで人と話をするのが不得手なのだとか・・・
そりゃ、大変やろって一人ブツブツ言っていました。

思えば坊守も若かりし頃、誰も知らないこの土地に私だけを信じて嫁いで来てくれました。
友だちもいないのです・・・
ストレスも溜まってただろうに、その寂しさすら言うこともなかった。
持ち前の明るさと優しさで友だちもドンドン増えて、友だちの極少の私とはエライ違いです。
自然だからいいのでしょうね・・・
自然だからこそ側にいやすいのでしょう・・・

さあ、この投稿された方、何を始めたかというと、
近所の方なのでしょう、「おはようございます」のあとに「行ってきます」と言って出掛ける方がいて、これならって思い立たれたとか・・・
「おはようございます」のあとに「行ってらっしゃい」「今日は早いですね」って一言添えるようにされたとか・・・
近所のお付き合いにしても「これでいいんじゃないか」と・・・
今後もこの方法を心がけようと続けておられるとか・・・

一人で頷いていました。
そうですよね、それでいいですよね・・・
人と接することが不得手な方にとって、一言添えることの大変さはよく分かります。
機関銃の如く話される方にとっては分からない大変さ・・・
たった一言なのに・・・
ドキドキしながら声も裏返ってしまったかもしれませんね。
私は未だに裏返ってばっかりですが・・・
でも、思うばっかりではなくそれを実践し続けることは人としても大きく成長されるのでしょうね。

最初は不自然かもしれません・・・ぎこちないかもしれません・・・
でも、不自然なまんま・ぎこちないまんま、そのまんま自然になっていくのでしょう。