お墓は造りません・・・
お父様の遺骨をお預かりしています。
嫁がれた女性ばかりですので跡継ぎがいない状態なのでしょう。
この度のご縁をいただき初めてお会いする方ばかりでした。
お里の家には誰もいません。
そこに遺骨だけを置いとけないし・・・
お墓は造らなくていいとの遺言だったとか・・・
すればどうしたらいいのか・・・
分骨をウチの方に納骨されることは決めておられたのですが、残りの遺骨を問題にされていたようです。
ウチも全部を預かるスペースがないので、後は大谷本廟に納めさせていただくことに・・・
「あ~、本願寺さんにお納めすればそちらにもお参りしてもいいのですね」って、大阪から帰って下さった方が嬉しそうにおっしゃられました。
「そうですね、納骨を御縁に仏さまの前に座らせていただけますね」
どのような御縁に触れてこられたのでしょうか、見事なまでにそれぞれの手には他宗の念珠が握られています。
「あ~・・・」力の無さにため息が出ます。
重くなる気持ちのなか、今日、お勤めさせていただく御三部経さんを「一緒に読ませていただきませんか?」とご案内させていただくと手に持たれました。
お勤めの後、阿弥陀さまのお姿のお味わいをさせていただくとお父様のお姿と重なったのでしょうか、涙を流されます。
逆らってばかり、背いてばかりの己が姿・・・
ジッとしとることが出来ずに御出迎い、立ち向かいのおはたらき。
そこ、気付くと有難くて勿体なくて・・・
本山でもいいしウチでもいい、お父様を御縁としてお参りさせていただいた時には「そこ」聞かせていただきましょうね。
病気が治ったり、いいことがあったり・・・等ということでは決してありません。
逃れ難い苦しみを前にず~っと悩む私を一人にして下さらないおはたらき。
この背中を擦ってくれたあなたのように・・・
ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・私にはこれしかありません。