ツルノリヒロの生活と推理

アーティスト、ツルノリヒロの気ままな発信基地。

2025年最初の韓国公演は大邱だった、の2

2025-02-28 21:14:40 | コンサート
今回の公演にあたり、韓国のエージェントと打ち合わせをしていた時に、大邱出身で韓国では知らない人がいないと言う、キム・グァンソクさんの曲を一曲演奏しませんか?
と提案を受けた。
曲を何曲か送っていただき、聴かせてもらったところ、シンプルなフォークソングで、僕としても馴染み深く、早速一曲アレンジし、演奏させてもらうことにした。

大邱に着き、地図を見ていたら、キム・グァンソク通りと言う記載を発見。
演奏前に見ておきたい、とホールに入る前に連れて行ってもらうことに。

300m程の通りの片側は一面壁となっていて、そこに韓国のさまざまなアーティストが絵やオブジェでキム氏の曲の世界だったり、出演した映画の場面などを作り上げていて、韓国の人々のキム氏への想いが伝わってくる。
場面場面で曲も流れていて、とても有意義な時間を過ごすことができた。

地図の紫で書かれた通りがキム・グァンソク通り。



Ayakoや梨江ちゃんに説明しているのは韓国エージェントの部長さん。
キム・グァンソク氏のファンだったそうで、熱心に説明をしてくれた(韓国語でなのでほとんどわからなかったが😅)


様々なアーティストたちがアート作品でキム・グァンソク氏の世界を表現している。


途中野外ライブが行える場所も設けられていた。
これはステージ。


キム・グァンソク氏のオブジェと部長さん。


二等兵の手紙、と言う代表曲の一曲を表現したオブジェ。


昼食は韓定食をリクエスト。
韓国の鯖は美味しい!


釜炊きご飯!



昼食後ホールへ。



このホールは2回目だが、ピアノがイタリアのファツィオリ。
残念ながらコンディションはあまり良くなく、梨江ちゃんはリハが終わってもしばらくピアノと格闘していた。
韓国のコンサートは開演が遅く、8時開演が普通。
今日はそれでも7時半開演だから、少し早く終わることができる。



今回はいつものPA会社ではなく、会館の音響チームがセッティングを担当する。
チェロのマイクはこちらから持って行くAKGのラベリアマイクの他に、いつもなら414を用意してもらうのだが、今回はホールスタッフがショップスではダメですか? と言ってきた。  ダメなわけないでしょ!
スモールダイアフラムではあるけれど、やはり音は最高。

本番が楽しみだ。


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2025年最初の韓国公演は大邱だった

2025-02-27 23:55:19 | コンサート
2025年一発目の韓国公演は大邱から。
大邱は韓国の南に位置しているので、釜山に飛びそこから車移動の方が早いのだけれど、
釜山便は成田からしか出ていなく、日本国内での移動が大変なので、今回は羽田から金浦に飛び、金浦から車移動にしてもらった。
結果、大邱まで金浦から4時間半…
釜山からだと2時間かからずに着くので、どちらが良かったか悩むところ・・
羽田釜山便が復活してくれることを祈ります😓 
写真は航路、ルートの途中にテグがあるのがわかる。
それと車でのルート、左上にソウル、右下に大邱・・遠い


座席はふた席購入、窓側に楽器。


金浦に着くと黒煙が!
ドキッとする。
上空からだともっとモクモクに見えたのだ。


テトはいつもの様にドッグライフプランナーにお泊まりでお預け、、
GooglePhotoにアップされた写真を見ると、やはりちょっと暗いか…

がんばれ、テト!

ホテルのインターブルゴ大邱はプールやサウナが充実しているので泳ごうと思っていたのに、肝心の水着を忘れた、、
毎回何かを忘れる年頃・・いや、前からそうか。
楽器と楽譜、衣装にマイクを忘れなければいいか。
あっ、あと楽譜用眼鏡!
これが無いと楽譜が全く見えない。
これも年相応の弊害だ、、、
写真はインターブルゴのロビーと部屋の中。
一度取材していただいたノーブレスと言う分厚い雑誌が置かれていた。



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番組オンエアー紹介「流響院の春」

2025-02-12 19:41:47 | お知らせ
昨年音楽を担当し、オンエアーの時期を待っていた番組、「流響院の春」が2月16日にBS日テレにてオンエアーされます。
「流響院の夏」「京都の蒔絵師」「ロバート・フランク生誕100周年記念展」
「遠野物語」と、一連の作品は、音楽を書き下ろすのでは無く、既存の楽曲を選曲し映像に当ててゆくサウンドデザインと言ったやり方で、しかも「遠野物語」のバッハ以外は、全て自分のオリジナルを使って映像に当てて欲しいと言うプロデューサーの要望は、自分の歴史を掘り起こす作業ともなり、とても楽しい作業でした。
お時間のある方、BSをご覧になることができる方は是非。
2/16(日)ひる11:30~12:00
BS日テレ「流響院の春~京都の庭園と作家・藤沢周」(30分)
京都・真澄寺別院 流響院。1909(明治42)年ごろ建てられた数寄屋造りの主屋に、琵琶湖疏水を引き入れた池泉回遊式庭園が広がります。
春の流響院を芥川賞作家の藤沢周さんが訪ね、連作短編集『憶』(春陽堂書店)や日本の美意識について語ります。
音楽はツルノリヒロ。
エグゼクティブプロデューサー&ディレクターは英訳詩集『NAMES AND RIVERS』(Copper Canyon Press)の詩人・城戸朱理。

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臼田道成さんレコーディング

2025-01-30 00:20:02 | レコーディング
ボサノバやカンツォーネを歌い、また自身のオリジナルで独自の世界を表現する臼田さんが、萩原朔太郎の詩に曲を付け、アルバムを出すためにレコーディングをしている。
今日はツルスタでAyakoのチェロと、僕のバイオリン、マンドリンを録音した。
曲は、歌詞に曲を付けているわけではなく、純粋な詩に曲を付けているので、字数が合わず、字余りになったり、変拍子になったりと、とても面白く、
詩の内容はまっすぐにやって来る感じで、参加させてもらい、とても楽しかった。
出来上がるのが待ち遠しい。

テトのひと声! の出番はなかった・・・

臼田氏とAyako

本日の使用マイク。
最近この組み合わせが多い・・・

チェロのマイキング。
ただし録音前なので、これから音を聴きながらマイクを動かし良い位置を探ってゆく、なのでこの形は脳内構想マイキング。
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2025元旦

2025-01-11 01:02:47 | 日本神話読みがたり
昨年から今年にかけ、年末年始はずっとミックスをしていたけれど、元日ぐらいは、と思ってテトを連れ少し遠出。
テトも久しぶりで、とても嬉しそう。
少し暖かくなったら、もっとゆっくり来ようね!


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Happy New Year 2025

2025-01-01 00:38:26 | 今日一日
去年一年、暖かい応援をしてくださった皆さん、ありがとうございました。
だいぶ加齢により身体や指は動かなくなっていますが、(あ・あたまもか?)まだもう少し頑張っていく所存です。
今年もよろしくお願いいたします!


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韓国蔚山公演最終

2024-12-19 23:49:40 | コンサート
昨日、本番1部の続き。
今までの分はフェイスブックでご覧になってください。
Facebookに参加していない方も、僕の記事は全ての方に公開扱いになっていますので、行けば見られます。
https://www.facebook.com/TsuruNorihiro/

2部にはプレゼント、と称しクリスマスキャロルを用意した。

韓国は儒教の国、というイメージが強いが、キリスト教徒がとても多い。
初めて韓国を訪れた時に、教会の多さにびっくりした。
日本でも歩いていると、町々に小さな協会は多いのだが、韓国ではそれが小さくとも立派なものが多いのだ。
例えばホテルに泊まり、暗くなった頃、窓から街を眺めてみると、そこここに、ライトアップされた教会の十字架を発見できる、多いところでは通りを挟んで向かい合って立っていたり、窓越しに数えると10近く十字架を発見できたりする。
今回の通訳の方はパクさんと言い、久しぶりにネイティブの通訳の方だったが、彼女曰く、韓国でも若い世代は無宗教者が増えているけれど、それでも、ことあるごとに教会に足を運ぶ習慣がある、と説明してくれた。

僕は単純にキリスト教徒の方が多いことを聞いていたから、3曲クリスマスキャロルを用意した。
2曲を2部で、1曲はアンコールの最後で。
古くからのクリスマスキャロルをメドレーで1曲。
ウクライナのクリスマス曲、僕らにとっては珍しいマイナーのクリスマス曲を続けて演奏。
そして、アンコールの最後に「もう一曲クリスマスキャロルをプレゼントさせてください」と言って、「We Wish You a Merry Christmas 」を演奏した。

最初とても静かだったお客様は、次第に感情を表に出すようになってくれて、
何回かMCで反応を求めて呼びかける内容に、すぐさま声に出して、答えてくれるようになっていった。
(僕は韓国語は喋れない💦 いつも通訳の方に喋りたい内容を伝え、翻訳してもらい、レッスンを受ける・・15年訪れているのだから、いい加減喋れるようになってもいいのになあ・・と自分でも思うのだが、言語能力無いのです)

予定通り2時間ほぼぴったりのステージ。
いつものようにサイン会を開く。
2000人以上のホールでは、サイン会だけで1時間以上になることもある。
疲れるけれど、皆さんの嬉しそうな顔を見て、拙い日本語で話しかけてくれたことに、拙い韓国語で答えたりしていると、
国や人種、なんて関係なくなる瞬間の感慨を覚える。

コンサート後、楽屋に今回のコンサートを企画してくれた方を、エージェントが案内して来てくれた。
若い二人の女性だった。
とても溌剌としていて、ああ、いいなあ、と無条件で感じた。
どこの国でも、どんどんと、若い世代のリーダーが生まれ、世の中を引っ張って行くのだな、そんな風に感じた。
そういえば、アコカフェの二人は40代!
ロートルは、サポートに回るのみだね。

明日の帰国便は朝8時20分発。
空港には6時20分には着いていなければならないので、釜山空港近くのホテルに移動する。
会場を出発したのは23時、食事はお弁当を用意してもらっていて、ホテルで食べることになっているが、ホテルに着くのが24時半ぐらい、果たしてどのくらい寝られるのだろう。

無事ホテルに着き、チェックインを済ませ、お弁当をいただける準備ができたのが1時半過ぎ・・
食べながら、うっかり本日の録音をプロツーを立ち上げ聴き始めてしまったら、スタジオから持って行った無指向連番のペアマイクや96kで録ったのが幸いしたか、音が良く、また、ミキサーの高橋君のバランスも素晴らしく、ついつい全曲聞いてしまった。
おかげでベッドに入ったのは3時半、5時半起きなので2時間睡眠。
行き帰り、両方とも寝不足の行程となってしまった。

2時間睡眠でも意外と起きることは辛くなかった。
幸い道も混まず、すんなりと釜山空港には着いたのだが、すでにチェックインカウンターは長蛇の列。
この時間帯、大阪、福岡、そして成田と日本へのルートは3便、だがほとんどは韓国人。
日本は近くて人気の国だし、いまは円安で行きやすいらしく、簡単に皆さん行き来するそうだ。
帰りももちろんエア釜山で、なかなか大変な思いをする。
どう大変だったかはまたいずれ。(全ての音楽家に共通する大変さです)

成田へは順調に到着!
ピアノの梨江ちゃんはこの日この後、仕事が控えていて直行しなければならない、遅れずに良かった。
僕はいつものようにこのままテトを迎えに行く。
今日は早い便なので、時間を気にせず余裕だな、と思っていたら、空港を出発し、高速に乗ったところでナビに事故渋滞の情報が!  抜けるのに1時間以上かかると出ている。
渋滞でノロノロ運転ほど疲れることはないので、すぐに高速を降り、一般道へ。
だが、皆さん同じことを考えるのだろう、一般道もすぐに渋滞となる・・・

結局そのまま高速に乗っていてもかかっただろう時間と大差なく、予定よりも30分遅れでテトを預けているいつものドッグライフプランナーへ。
テトはハーネスをつけられ、お散歩かな、程度に思っていたのだろう、エレベーターが開いて抱っこされて出てきて僕の顔をちらっと見て、「えっ!」と目を見開くようにして確認し、受け取ると顔をペロペロとしてくれた。
疲れたけれど、これで帳消しなのだった!

カーテンコール
会場スタッフの方達もサインを求めてくださった。

写真では分かりづらいが、後ろの席の乗客にとってはかなりの圧迫感が・・
顔描いてみるか。

最終日朝の散歩、まだ暗いテト・・・
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今日一日

2024-12-15 22:54:31 | 今日一日
昨日、14日土曜は朝6時起きで細坪さん京都公演へ。
明日、16日月曜は5時起きで成田へと向かい、釜山経由でアコカフェ蔚山公演へ。
今日は午後に戻って来て、京都荷物をほどき、蔚山MC用のハングルあんちょこを作り始めるも難航!
ならば、と荷物を詰め始めたが、何が必要か混乱して遅々として進まず・・・
また明日は忘れ物への恐怖と戦う羽目になる。
昔はもっと「さっさ」とできたはずなのだがなあ。
荷造りができたら、バイオリンの弦を替え、練習をさらっとしなければ。
じゃあBlog書いている場合ではないだろう!
はい、その通りでした。
写真は京都のホールに着き、お昼にいただいた、いつもの新福菜館のラーメン!(去年からデリバリーで楽屋でいただいている)
打ち上げで美味しかったワインのボトル!
今朝、京都駅で食べた「八つ橋」付きの「あっさり鳥そば」!
(八つ橋の西尾のお店だからね)



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今日一日

2024-12-13 01:20:00 | 今日一日
今日一日。

午後からスタジオを出て、新宿曙橋にある代理店に、韓国公演のためのVISAと預けているパスポートを取りに行った。
無事全員分のVISAパスポートを受け取る。
毎回VISA申請は厳しくなっていて、今回からは申請書の他に全員住民票、履歴書が必要になり、さらには神奈川に住んでいるメンバーには委任状だったり、結婚されて名字が変わっていて、旧姓が芸名の様になっているメンバーには、旧姓を証明する戸籍謄本を追加しろ、と言われた。
どうやら韓国のグループはたくさん日本に来ているが、日本のグループも韓国に進出し始め、中にはVISAを取らずに(正確には申請が間に合わなかったかららしいが)韓国に観光と称し入国し、公演を行い、それがバレたらしく、厳しくなっているとか・・
今まで15年、真面目に僕らはやって来たのになあ、、
なのでVISA取得は韓国系の代理店に任せている。

曙橋の代理店から高校時代の友人が院長の、御苑前にあるクリニックは近いので、代理店に行くたびに寄る習慣となっている。
地下鉄を使うと一度新宿に出て丸ノ内線に乗り換えなければいけない、面倒なので毎回歩く。
2kmほどの道のり。
今日は少し時間にゆとりがあったので、途中裏道に入り「東京おもちゃ美術館」へと向かって見た。
冬は早くから散歩しているワンコ達と何回か出会い、その度に「やあやあ」と構っていたらあっという間に時間が経ってしまう。

「東京おもちゃ美術館」では、むかし日機装と言う会社にいらした後藤さんがキュレーターをされている、その昔、日機装の社歌をアレンジ、録音させていただきCD化したり、そのご縁で金沢にある石川県立音楽堂などでコンサートをさせていただいた。
お会いできるか、と向かって見たのだ。
残念ながら木曜は休館日、廃校となりおもちゃ美術館に生まれ変わった小学校の外観を門の外から撮るのみ。

さらに歩き、御苑前の一帯に足を踏み入れる。
「ふきのとう」の聖地(ちょー昔のね)の前を通りクリニックへ。
クリニックではいろいろな体調の問題点を主治医と話し合い、方針を決め、処方箋を出してもらう。

さあ、次は控えるコンサートのために髪を整えてもらいに、20年以上お願いしている時枝さんの銀座の美容室へ向かおう。

帰って見たら1万歩を随分と超えていた、最近歩きすぎると夜中に足が攣るんだよね・・
情けない。

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「遠野物語」サウンドデザインの仕事

2024-12-01 19:18:18 | お知らせ
今回のサウンドデザインの仕事について

こういった文学的だったり芸術性の高い作品には、まず予算がつかず、音楽を書き下ろすことは残念ながらほとんどできません。
それでも予算が少しある時には、著作権使用料は払ってもらえるので、僕の今までに作ってきた作品から番組に合うものを引っ張り出し、編集し、番組に重ねてゆくのですが(最近の一連の日テレBSドキュメンタリー作品)
今回はさらに著作権使用料も難しく、そうなると著作権フリーの楽曲を引っ張ってこなければなりません。
著作権フリーの楽曲には良いものがないので、最近はクラシックのパブリックドメイン楽曲を自分で演奏し、録音し、当ててゆく、という作業をやっています。

今回は監督が、バッハはどうだろう、と言ってきていて、僕も映像を見てバッハの無伴奏は合うなと感じたのですが、無伴奏バイオリン組曲はドラマ仕立てならばよかったのですが、ここまで深遠なる詩的な世界には音が高すぎると感じ、無伴奏チェロ組曲をAyakoに弾いてもらうことにしたのです。

ここまで決まり、次は曲の選定を始めます。
無伴奏チェロ組曲は全6曲あり、その一つ一つが6曲から構成されているのですが、5番は変則チューニングの曲、6番は5弦チェロの為の曲なので最初から省き、残りの24曲を片っ端から聴いて合うものを選んで行きます。(電車や車での移動中とか、延々と聴いていた)
まず6曲を選び、映像を見ながらさらに絞ります。
ある映画監督と話をしていた時に、1本の映画にメロディーは多くて3~4つで良い、あとはそれをいかにアレンジして使うか、という意見を聞き、なるほど、と、僕も共感するところもあり、今回は3曲に決めました。
この時点で大体このシーンにはこの曲を、と決めておきます。

それをAyakoに伝え、レコーディングの日取りを決めるのですが、もともと締め切りまで日がないスケジュールなので、Ayakoの練習に当てられる日は2日ほど・・
無理を承知でお願いしました。

Ayakoにはレコーディング当日も映像は一切見せず、純粋にバッハを弾いてもらいます。
僕が注文したのは、番組の映像テンポに合うよう、今より少しゆっくり弾いてもらいたい、とかぐらい。
あとは本人が納得するまで自由に弾いてもらいます。
(映画音楽などでは映像を流し、それを見ながら指揮者が棒をふり、オーケストラの演奏を映像に合わせ録音して行く方法があり、映画音楽録音の歴史はそういったやり方から始まり、現代でもオーケストラのレコーディングではそういった方法が継承されています。
実際僕も宮崎駿監督のジブリ短編映画の音楽を担当した時には、ホールでピアノトリオ+パーカッションの編成で15分以上の映像を見ながら演奏し録音したりしましたが、楽曲は楽曲で独立していて、それを合わせたときに生まれる想定外のシンクロが、僕は好きなもので絵合わせはしませんでした)

そして、録音された演奏を、計画していた通りに場面に合わせて行きます。
音源はAyakoが弾いた新しい録音ですので、微妙に計画と違うところも出てくるので、それを変更し、辻褄を合わせます。
そして、やはり切り貼りの編集は必要となります。
バッハの無伴奏に詳しい方や、演奏者でないとわからない世界ですが、切り貼りで曲の長さを短くしたり長くしたりし、シーンに合わせて行くのです。

ここの作業はサウンドデザイナーの腕の見せ所ですね。
以前の作品でも、友人のアーティストが「えっ編集してたんですか?」
という反応で、それぐらい自然に作ることができると苦労した甲斐を感じます。

このような作業を経て、この番組の音付けは出来上がりました。
見ていて音楽と舞踏がシンクロしてゆく瞬間など、自分でもぞくっとしますし、監督からも、まるで舞踏の撮影時にAyakoさんの演奏を流して撮影したかのようだった、との言葉をもらい、サウンドデザイナーとしての冥利に尽きる思いでした。





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