アーティスト仲間で、シンガーソングライター、二胡奏者の芳晴君が初のCDを発売する。
芳晴君とは25年の付き合いになる。
その当時の大晦日、下北沢で、役者で歌い手の冷泉公裕さんと、昼間のジャンジャンでやったコンサートの打ち上げ兼忘年会をしていて、
電話をかけなければならない用事があり、当時は携帯電話は存在しなかったから、駅近くの公衆電話まで、歩いてかけに行った時、
駅前の噴水のふちに腰をかけ、当時はやたらでかいラジカセが流行っていたのだが、そこからカラオケを流し、二胡を弾いている青年を見かけた。
駅前でギターを弾く若者はたくさん出会うが、二胡を弾く青年は珍しかったから、何となく気にしながら通り過ぎた、しかも曲がOver the Rainbowなのだ。
さほど上手いとは言えない演奏だったが、二胡と洋楽が、妙なマッチングをしていて、興味を惹かれた。
しばらくしてふたたび電話をかけに出ることになった。
さっきの二胡を弾いていた青年が気になり、もし居たら渡そうと、ちょうど持っていた自分のCDのチラシを持って出た。
まだ青年は二胡を弾いていた。
またOver the Rainbowである。
やっぱりとても不思議な雰囲気を醸し出している。 声をかけてしまった。
チラシを渡し、音楽をやっているものだけれど、もし良かったら一緒に飲まないか、と言うと、
とたんに嬉しそうな顔をし、よかった!寒くて寒くてどうしようかと思って!
と、急いで楽器を片付け始めた。
立ち上がって始めて分かったが、彼はとても背の高い、好青年だった。
それが芳晴君との出会いである。
ずいぶん後になって聞いたのだが、下北沢で演奏してた時は、もらったばかりの二胡にはまり、
たった一曲しか弾けないOver the Rainbowを、エンドレスで弾いていたのだそうだ。
その後、たくさんのレコーディングで二胡を弾いてもらった。
CD「光のように 波のように」コンサートでは、6000人の前で一緒にプレイした。
もともとはロカビリーを歌っていた彼は、ここ10年では自分で曲を書きギターを演奏して歌ったり、
二胡を弾きながら、大陸の物語を読み聞かせたり、と個性豊かな表現を、ずっと各地のライブハウスで行なって来ている。
その彼が、今までの集大成としてCDを作っていることは、メールの通信で知っていた。
そして、27日が発売記念コンサートである。
芳晴君おめでとう!
場所はちょっと田舎だが、お近くの方は是非、お近くでなくても、是非!