かつて、中央線沿線には、各駅に映画館があった。
僕が行ったことがあるのは、前にも書いた中野の「武蔵野推理」
南口駅前にも小さな映画館があったなあ・・『中野名画座」と言ったか・・
今の三菱東京UFJ銀行の隣の地下、変な形で、柱が邪魔だった・・
そこでタクシードライバーを、朝から三回続けて観たことがある。
面白かった、と言うよりは、ストーリーの、どうしても分からない部分があり、理解のために観たのだけど。
高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻、にも、それぞれ1~2館映画館があった。
僕は阿佐ヶ谷で生まれ育ったから、阿佐ヶ谷オデオン座にはずいぶん連れて行ってもらった。
他にも七夕祭りで今でも有名な、パールセンターの中頃に映画館があり、
ここではゴジラものなど、怪獣ものを多くやっていた。
僕は両親から、禁止されていて、そういった怪獣ものはほとんど観ていないが、
バイオリンを弾く少年が、父を捜すためソ連を旅する(かなり強引なあらすじ・・)
「小さい逃亡者」は見ることを許され、(結構面白い映画だった。今でもいくつかのシーンを覚えている)
同時上映だった「ガメラ対ギャオス」で、初めての怪獣もの体験!
小学校5年だったか・・
オデオン座は、洋画を中心に上映していて、3歳の時に母に連れられて「南太平洋」で映画デビュー。
当時はレンタルDVDなんてものはないし、僕の家にはまだテレビもなかったから、この圧倒的な映像は衝撃で、
2時間以上の作品なのに、見終わっても動こうとしなかったらしい。(若干覚えている)
で、二回続けて観て、翌日今度は父にせがんで観に行き、今度も二回続けて観たらしい。
(実は最初に連れて行ってもらったのが母だったか父だったか、良く覚えていないのだが)
父も母も他界してしまった最近、叔母から、当時父が「いやあ参ったよ・・動こうとしないから・・」
と、迷惑だったと、とっても嬉しそうに語っていたことを聞き、なんだかジンときた。
今はインターネットでも映画を見ることが出来、映画館の役割は、ずいぶんと変わって来ている。
昔お世話になった二番館、三番館は、どんどんなくなり、どこの映画館でも、同じような大作を上映する。
そして、あっという間に上映は終わり、後はDVDやネットで観るしかなくなってしまう。
でも、出来れば、どんな映画でも、銀幕で観たい、と僕は思う。
だからこそ心に残っている作品が、数多くある。